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サウナ浴で熟睡時間や熟睡度が向上傾向。ブレインスリープ✕100plus✕NTT東日本✕共立メンテナンスの4社共同での効果検証を実施

by furosauna

株式会社ブレインスリープは、ビジネスホテル「ドーミーイン」を展開する株式会社共立メンテナンスの協力の元、日本サウナ学会代表理事である加藤容崇氏が代表を務める株式会社100plus、東日本電信電話株式会社及び株式会社NTT DXパートナーと共にサウナ浴の睡眠への効果検証を実施した。
今回の検証からは、就寝前の入浴に加えてサウナ浴を取り入れることで、入浴のみの場合と比較して、睡眠の質において最も重要な役割を果たす第1周期における熟睡時間や熟睡度が向上する傾向が見受けられたという。

ブレインスリープは、OECD加盟国の中で睡眠時間が最も短い日本の睡眠課題を解決するため、睡眠医学に基づいたプロダクト開発、正しい睡眠情報の発信、睡眠に関する正しいエビデンスの取得支援を行っている。

現代社会において、自身の健康を管理することは重要であり、社会的課題解決にも繋がる。多くの人が抱えている心と身体の緊張をサウナ浴で緩和することは、睡眠改善にも繋がる可能性があると考え、その効果を可視化するために本検証を行うに至ったという。

本検証では、入浴に加え、サウナ浴を行った際の睡眠状態への影響を検証。20~60歳代の9名を対象に、入浴のみと入浴+サウナ浴を行った後の睡眠状態を測定・比較した。

※睡眠状態の評価は、客観的指標として活動量計、自律神経計と脳波計による測定、主観的指標としてVAS(Visual Analogue Scale)法を用いたアンケートにより実施。

その結果、サウナ浴を行うことで、睡眠の質の向上に繋がる以下の可能性が示唆された。

① 寝つき・目覚めの良さを示す睡眠潜時・離床潜時が有意に改善
② 最も重要な眠り始めの90分(睡眠第1周期)における熟睡時間や熟睡度が向上傾向
③ 「リラックス」「疲労感の軽減」「目覚めのすっきり感」「起床後の活力」を実感


結果①:寝つき・目覚めの良さを示す睡眠潜時・離床潜時が有意に改善

入浴のみ群と比較して、入浴+サウナ浴群は睡眠潜時*1・離床潜時*2が有意に短くなった。その結果として統計的に有意ではなかったものの、入浴のみ群と比較して、入浴+サウナ浴群は睡眠効率*3が改善する傾向が見受けられたという。一方、中途覚醒時間・回数*4に関しては明確な差は見られなかった。

*1睡眠潜時:就床から入眠までに要した時間
*2離床潜時:最終覚醒から起床までの時間
*3睡眠効率:就床時間に対する睡眠時間(中途覚醒時間を除く)の割合
*4中途覚醒時間・回数:入眠から翌朝の最後の覚醒までの時間(睡眠時間)のうち、覚醒していた時間及び回数


結果②:最も重要な眠り始めの90分(睡眠第1周期)における熟睡時間や熟睡度が向上傾向

入浴のみ群と比較して、入浴+サウナ浴群は睡眠第1周期における深い睡眠であるステージ3の時間(熟睡時間)やデルタパワー*5(熟睡度)が向上する傾向が見受けられた。

*5 デルタパワーとは、第1周期の深い睡眠時に出現する特徴を持つ脳波であるデルタ波の出現量を表す指標であり、「熟睡度」を表します。

一晩の睡眠の経過と成長ホルモン分泌の模式図

結果③:「リラックス」「疲労感の軽減」「目覚めのすっきり感」「起床後の活力」を実感

起床時に行った被験者への質問からは、「就寝前のリラックス度合」「睡眠による疲労感の軽減度合」「目覚めのすっきり感」「起床後の活力」に関して、入浴+サウナ浴群は入浴のみ群に対して、統計上の有意差が確認された。

結果に関する補足
今回の検証は、被験者数が9名と限定的であったものの、上記結果①に記載の通り、入浴+サウナ浴群は入浴のみ群と比較して、寝つき・目覚めに関する指標の改善が確認され、サウナ浴の睡眠への効果が高いものと類推される。なお、上記結果②に記載の第1周期におけるステージ3の時間およびデルタパワーについては、今回の検証において統計学上有意なレベルでの差分は確認がされていないものの、改善の傾向は確認されており今後人数を増やして検証を行うことで確認できる可能性があると考えられるという。


試験概要
被験者:20~60歳代の9名
試験方法:クロスオーバー試験
測定項目:活動量計、自律神経計、脳波計、VAS(Visual Analogue Scale)法を用いたアンケート評価
実施場所:天然温泉 凌雲の湯 御宿野乃 浅草(ドーミーイン・御宿野乃 ホテルズグループ)


関係者コメント


株式会社100plus代表取締役 加藤容崇氏(日本サウナ学会代表理事)
サウナ愛好家の方はサウナに入ると眠りが良くなることは多くの方が感じていると思います。
しかし、本当に睡眠が良くなるのか、どのように良くなるのか、など詳細な研究がこれまでありませんでした。今回、ブレインスリープさん、ドーミーインさん、NTTEさん、のご協力のもとサウナが睡眠に与える影響の一部を可視化することができました。今回の研究を始めるときに、普通はサウナに入らない場合を比較することが多いのですが、多くの日本人はお風呂に入るため風呂による入浴との比較を行いました。研究会場の浅草『野乃』は黒湯による温泉であるため、正直、本当に、温泉vsサウナ+温泉、で差が出るのか不安でした。しかし、サウナによる効果はこの厳しい比較対照を置いた場合にも見られたことから、サウナがもつ効果がより顕著になったと思います。サウナに入ると睡眠が改善される、は本当だったといえる重要な知見だと思います。今後も本研究を継続して、よりエビデンスレベルの高い研究にしていきたいと思っています。

プロフィール
群馬県出身。北海道大学医学部医学科卒。
医師・医学博士(病理学専攻)。北海道大学医学部にて特任助教として勤務したのち渡米。ハーバード大学医学部附属病院に勤務。膵臓癌の創薬に関する研究を行う。帰国後、慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット、北斗病院腫瘍医学研究所に勤務し、癌ゲノム医療を行なっている。加速する医療費増加を目の当たりにし予防医療の重要性を認識。予防医療としてのサウナを研究するため日本サウナ学会を設立し、予防医療を推進するため株式会社100plusを設立。著書に『医者が教えるサウナの教科書』(ダイヤモンド社)がある。


ブレインスリープ社 最高研究顧問/西野精治
サウナが睡眠に好影響を及ぼすことは、個々の体験談としてよく耳にするが、科学的に充分検証されておらず、その機序も不明である。サウナ浴では入浴を同時に行うことが多く、入浴の睡眠に対する効果も加味する必要がある。
今回の検証実験により、少数の被験者であるが、サウナ浴が入浴の効果とは別に、寝付きを早く、入眠初期に深い睡眠をもたらし、目覚めをよくすることが確認できた。今後、被験者の数を増やし、サウナ浴の睡眠に対する効果をより詳細に検討することに加え、その作用機序の解明に期待が持たれる。

プロフィール
スタンフォード大学医学部精神科教授、同大学睡眠生体リズム研究所所長
株式会社ブレインスリープ 創業者 兼 最高研究顧問
認定資格 精神保健指定医、日本睡眠学会専門医、産業医、医師、医学博士


会社概要
企業名:株式会社ブレインスリープ
設立: 2019年5月
所在地:東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー26F
代表取締役:道端孝助

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