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VUILDが空き家再生に取り組むLIFULLと、デジタル木材加工技術サービス「EMARF」を使用したサウナユニットを共同開発

by furosauna

VUILD株式会社は、事業を通じて社会課題の解決に取り組む株式会社LIFULLが開始した「21世紀型社会」の共創・実証実験・社会実装を推進しているリビングラボ「ナスコンバレー」の実証フィールドである栃木県那須地域において、空き家となっている築古の別荘を再生し、貸別荘として不動産のバリューアップを図るプロジェクトの実証実験に参画した。

プロジェクトの第一弾としてデジタル木材加工技術サービス「EMARF」を使用した組み立て式のサウナユニットを開発、設置。プライベートサウナ付き貸別荘は2022年10月25日より運営を開始している。

このプロジェクトは、LIFULLが別荘物件の選定・購入・リノベーションを行い、プライベートサウナを付帯させることで付加価値をつけて宿泊施設に再生するものだ。

取り組み背景には日本各地には現在別荘が約38万戸ある空家問題がある。その多くは所有者の高齢化や建物の老朽化により空き家となっているケースが多く、放置された別荘は不動産価値の低下、景観の悪化など、地域課題の一因となっている。

一方でコロナ禍以降、「自然の中で過ごしたい」「プライベートな空間で気兼ねなく過ごしたい」というニーズが高まり、多くの人にとって「別荘」は手の届きにくい高級商材というイメージが強く、所有や利用の機会は限定的だ。

また、中古の別荘は新築に比べて手に届きやすい価格ではあるものの、多くは築30年を超え、現代のニーズに合っていない間取りや設備仕様であったり、老朽化してリノベーションを施す必要があったり「煩わしさ」が伴うものだった。


サウナユニットの特徴


プロジェクト第一弾となる今回は、既存建物に増設されたウッドデッキの上に、組み立て式のサウナユニットを設置することで、サウナを通じてリビングと外部の空間をつなげ、より自然を感じられる体験を創出する。

今回のプロトタイプを皮切りに商品化を目指し、どこでも、自由自在に「世界に一つだけのサウナ」を実現するという。


カスタマイズ

VUILDが全国各地に導入している木材の3D加工機「ShopBot」を用いることで複雑な曲線の形も設計データ通りに切り出すことができる。フリーハンドで書いた曲線がそのままサウナの断面形状に現れる。


断熱性

断熱材をあらかじめユニットに仕込むことで高い断熱性を実現した。また、部材をあらかじめユニット化、組み立て式にすることで現場での手間をなるべく少なくし、運搬・施工が容易な仕様となっている。


地産地消

サウナユニットの木材は栃木県産の杉材を使用。地域の木材を地域で加工することで、建設時のCO2排出量を極限まで抑える。VUILDは、2017年に創業して以来、森林資源が豊富な日本各地に、木材の3D加工機「ShopBot」の導入を行ってきた。今では、100を超える場所にShopBotが導入され、データさえあればどこの地域でも木材をデジタル加工できる環境が整っているという。

今回のプロジェクトにおいては内装と外装の杉の板材は地場産材を使用している。


内部空間

今回制作したプロトタイプでは、建物の有機的な曲線に合わせて左右のベンチの高さを変え、異なる温度の体験ができるようなサウナとした。ベンチの裏側にはライン照明が仕込んでおり、内部空間をほのかに照らす。


外部空間

外部のファサードには、造作で制作した棚やタオル掛け、丸窓、外灯を取り付け、購入の際には位置や大きさなどカスタマイズ可能な仕様となる予定だ。


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