
東京都町田市は、5月5日(月・祝)こどもの日に、町田市内で唯一の銭湯である「大蔵湯」において「しょうぶ湯」を実施する。日本の伝統文化を体験できる貴重な機会だ。
銭湯という日本の生活文化が徐々に姿を消す中、町田市では唯一残る大蔵湯がその伝統文化を守り続けている。昭和41年に創業した同銭湯は、平成28年12月にリニューアルオープンし、檜風呂や遠赤外線サウナ(別料金)などの設備を導入、現代のニーズに応えながらも銭湯文化を継承している。
しょうぶ湯とは何か?歴史的背景
「しょうぶ湯」は端午の節句の日に行われる日本の伝統行事である。江戸時代、武家社会において菖蒲(しょうぶ)と尚武(しょうぶ:武を尊ぶこと)を掛けて、5月5日を「尚武の節句」として祝うようになったことが、端午の節句の始まりとされている。
このしょうぶ湯は、菖蒲(ショウブ)の根や葉を湯に入れて沸かす風呂のことである。菖蒲には邪気を払う効能があるとされ、この日に菖蒲湯に入ることで、一年の健康を祈願する風習が今日まで続いている。

銭湯体験で地域文化の魅力発信
町田市では「オール町田」でまちの魅力を発信し、「住みたい、住み続けたい」と選ばれ続けるまちを目指す取り組みを進めている。今回のしょうぶ湯実施は、市内関係団体との連携による情報発信の一環として行われるものである。
銭湯という日常的な場所で、特別な日本文化を体験できる「しょうぶ湯」は、地域住民にとって身近な伝統文化継承の機会となっている。大蔵湯では過去にも同様のイベントを実施しており、端午の節句にちなんだディスプレイなども展示されるという。

銭湯文化の継承と魅力再発見
銭湯は単なる入浴施設ではなく、地域コミュニティの場としても長く親しまれてきた。しかし近年、自宅に風呂が普及したことなどから、銭湯の数は全国的に減少している。町田市内でも現在は大蔵湯のみとなっており、貴重な存在となっている。
リニューアルを経て新しい魅力を加えつつも、伝統を大切にする大蔵湯の取り組みは、地域文化の保存と活性化の好例といえるだろう。「しょうぶ湯」という特別な体験を通じて、銭湯文化に触れる機会を提供することは、日本の伝統文化を次世代に伝える意義深い活動である。
大蔵湯について
大蔵湯は、昭和41年に創業した町田市で唯一の銭湯である。平成28年12月にリニューアルオープンし、檜風呂や遠赤外線サウナ(別料金)を導入するなど、設備の近代化も図っている。
町田市内外から多くの利用者が訪れる同銭湯は、地域の文化拠点としての役割も担っている。「しょうぶ湯」のようなイベントを通じて、銭湯の魅力を発信し続けている。

町田市の文化振興への取り組み
町田市では、市内の多様な魅力を「オール町田」で発信することで、「住みたい、住み続けたい」と選ばれ続けるまちづくりを推進している。今回の情報発信も、市内関係団体との連携による取り組みの一環である。
地域固有の文化資源を活かした取り組みは、地域アイデンティティの形成や観光振興にも貢献するものであり、町田市の地域活性化戦略の重要な一翼を担っているといえるだろう。
「しょうぶ湯」開催概要
開催日時:2025年5月5日(月・祝)午後3時~午後11時
開催場所:大蔵湯(町田市木曽町522)
料金:大人(12歳以上):550円、中人(6歳以上12歳未満):200円、小人(6歳未満):100円