
墨田区京島で大正11年から地域に親しまれてきた老舗銭湯「電気湯」が、新たな挑戦として書店「kamos(かもす)」を2025年5月1日にオープンする。運営する株式会社エイトカンパニー(代表取締役:大久保勝仁)は、「知らない誰かと生きる」をテーマに据えた専門書店として、地域の新たな文化発信拠点を目指すという。
100年の歴史を持つ銭湯が挑む新たな文化事業
創業から100年以上の歴史を持つ「電気湯」は、これまでも「まちなかで他者と生きていくための共在の空間」として地域に根ざした営業を続けてきた。今回オープンする書店「kamos」は、その理念をさらに発展させる形で、「他者と共に生きる」という社会課題に焦点を当てた専門書店として運営される。
書店名の「kamos」は、電気湯のコンセプトである「澄む=住む」から派生した「醸す」を意味する。これには、同質的になりがちな社会の中で忘れ去られた「誰かと生きる」ための感覚を再び醸成し、多様性のある共生社会を目指すという思いが込められている。

書籍を通じた対話と学びの場を創出
「kamos」では、「他者と共に生きる」ことの周辺分野を扱った書籍の販売を中心に、様々な専門家と協働する新たな書籍販売サービス(5月リリース予定)も提供する予定だ。オンラインや店舗、そして地域社会において「まちなかで知らない誰かと生きる」ための思考の場として、様々な活動を展開していくという。
「ゆるやかに、誰ともつながらずに、誰かと生きていける社会に向けて」というビジョンのもと、周縁を観察し思考する書籍を媒介とした対話と学びの場を創出し、東東京のまちなかで「対話の作法を醸す」ことを目指している。
銭湯という日本の伝統的な共同浴場から、書店という知的交流の場へと事業を拡大する「電気湯」の新たな挑戦は、多様化する現代社会における共生のあり方を模索する貴重な試みと言えるだろう。


老舗銭湯が書店という新たな文化事業に挑戦する「電気湯」の取り組みは、地域コミュニティにおける共生と文化創造の新しいモデルケースとして、今後の展開が注目される。
書店「kamos」概要
住所:東京都墨田区京島3-48-1
営業時間:15:00-21:00
営業日:月/日/水
ウェブサイト:https://kamos.base.ec