
サウナファンにとって朗報となる検証結果が明らかになった。株式会社100plusとBREATHER株式会社が共同で実施した調査によると、サウナの外気浴中に深呼吸サポートデバイス「ston s」を使用することで、自律神経の活性化が促され、サウナ体験全体の質が向上する可能性が示された。
注目の研究結果
検証は都内のサウナ施設「サウナ&カプセルホテル北欧」にて実施された。サウナ専用ウェアラブルウォッチ「SHOWDOWN1」を装着した男性28名を対象に、サウナサイクル中の外気浴時に「ston s」を使用した場合と使用しない場合の生理的変化を測定した。
その結果、外気浴中のみ「ston s」を使用したにもかかわらず、サウナ室と休憩室における自律神経活動量を示す指標「ccvTP」および「LF/HF」の双方で有意に高い値が観測された。特筆すべきは、デバイス使用によりサウナや外気浴の滞在時間に変化がなかったにもかかわらず、生理的効果が確認されたことである。


深呼吸がサウナ全体のサイクルを改善
研究結果から導き出されたのは、外気浴中の深い呼吸がサウナサイクル全体に好影響を与えるという興味深い発見だ。外気浴中のみデバイスを使用したにもかかわらず、次のサウナ入浴時にも自律神経指標の改善が見られたことから、深呼吸によるリラクゼーション効果がサウナサイクル全体に波及する可能性が示唆された。
株式会社100plusの代表取締役CEO加藤容崇氏は「休憩中に得られたリラクゼーション効果がサウナ入浴時にも波及し、自律神経の安定化がサイクル全体に及んだことは重要な知見だ。このことは、休憩中の呼吸状態や環境が、サウナ浴全体を通じて自律神経へ影響を与えることを示している。」とコメントしている。
ただし、水風呂においては統計的な有意差は確認されなかったため、今後はさらなる被験者を用いた継続的な研究と、異なる施設条件での検証が必要とされている。

ccvTP(自律神経全体の活動量を表す指標)の変化
【*p<0.05】

LF/HF(交感神経と副交感神経のバランスを表す指標)の変化
【*p<0.05】
医学的根拠から見るサウナと呼吸の関係
検証で注目された「ccvTP」は自律神経全体の活動量を表す指標で、健康な若い人ほど高い値を示し、加齢や疲労・ストレスにより低下するとされる。また「LF/HF」は交感神経と副交感神経のバランスを示す指標だ。これらの値が「ston s」使用により有意に改善したことは、サウナ体験の質が向上した科学的証拠といえる。
今回の検証は、サウナにおける”ととのい”と呼ばれる心地よい状態を、呼吸という観点から科学的に裏付けようとする意欲的な取り組み。これにより、サウナ文化がさらに発展し、より多くの人々の健康増進に貢献することが期待される。
サウナブームが続く日本において、科学的根拠に基づいたサウナ活用法がさらに注目を集めることだろう。

実施概要
日時:2025年1月11日 10:00-12:45
場所:サウナ&カプセルホテル北欧
調査人数:28人(全員男性)
使用機材:サウナ専用ウェアラブルウォッチ「SHOWDOWN1」、深呼吸サポートデバイス「ston s」
介入方法:サウナ後の外気浴中に「ston s」を使用