
サウナ室で、木を「読む」。
そんな体験が博多で始まる。東京建物グループが展開する都市型スパブランド「TOTOPA」(トトパ)の2号店「TOTOPA博多駅前店」が、2026年8月7日に福岡市博多区の明治公園内にオープンすることが決定した。
サウナシュラン1位を獲った施設の次の一手
TOTOPAは2024年3月、東京・新宿区の都立明治公園内に1号店を開業したブランドだ。開業初年度にSAUNACHELIN(サウナシュラン)で全国1位を獲得し、翌2025年度も全国5位に選出された。サウナシュランとは、サウナ界のミシュランとも呼ばれる権威ある評価機関で、選出施設はサウナーの間で一種のステータスになっている。その1号店が2年連続で上位に食い込んでいる事実は、単なる話題先行ではなく、体験設計の質が評価されていることを意味する。
その2号店が九州初出店として選んだ舞台が博多だ。福岡は近年、都市型サウナの出店が活発な市場のひとつで、国内外からの旅行者も多いターミナル駅直結エリアに出店するこの判断は、ブランドの拡張戦略として理にかなっている。

「樹をあじわうサウナ」とは何か——素材の論理
2号店のコンセプトは「樹をあじわうサウナ」。このフレーズだけ聞くと、木材をふんだんに使っただけの、よくある”木の温もり系サウナ”と思うかもしれない。だがTOTOPA博多駅前店の設計思想は、その一歩先にある。
使用するのはウエスタンレッドシダーの大径木1本。注目すべきは「1本を余すことなく使い切る」という方針だ。樹皮・辺材・心材・端材、それぞれの部位が持つ表情や性質を空間に落とし込む。木の香りを蒸気とともに感じ、部位ごとに異なる木肌に触れ、樹の表情を眺める——五感を通じた「素材との対話」をサウナ体験の核に据えている。
さらに重要な背景がある。ウエスタンレッドシダーはその大径木が、環境規制の影響により今後同規模での調達が困難とされる素材だ。つまりこの施設のコンセプトは、単なる意匠上の選択ではなく、「今この瞬間しか存在し得ない素材」を使い切るという一回性の記録でもある。サウナの世界で「素材調達の困難さ」がコンセプトの根拠になった施設は、これまでほとんど存在しなかった。

「TOTOPA博多駅前店」はどんなサウナーに刺さるか
サウナの「熱」や「水風呂のキレ」よりも、空間に宿る時間や素材の物語を楽しめるタイプのサウナーに特に向いている施設だと言える。フィンランドのサウナ文化における薪ストーブの熱と木の香りの一体感、あるいは日本の銭湯サウナに漂う木材の経年変化——そういった「素材と時間」に感性が向いている人なら、TOTOPA博多駅前店のコンセプトは深く刺さるはずだ。
一方で、複数のサウナ室や多彩な水風呂の組み合わせを求める「セット数重視派」よりも、一つの空間の密度を味わいたいサウナーに適している。また博多という立地から、出張・旅行の合間に「都市型サウナの今」を体験したい層にも一押しだ。


「木の香りがするサウナ」は全国にある。でも「この木はもう二度と同じサイズでは手に入らない」という文脈ごとサウナ室に持ち込む施設は、記憶にない。希少素材を使う体験より、その素材の「時間」を一緒に吸い込む感覚——木が好きで、かつサウナに哲学を求めるタイプには、これは相当ハマる1本になりそうだ。
TOTOPA博多駅前店
所在地:福岡市博多区博多駅前三丁目24番3号 明治公園内店舗棟 3階・4階
開業日:2026年8月7日
営業時間:8:00〜23:00(予定)
定休日:年中無休(メンテナンス休業等を除く)
公式サイト:https://totopa.jp/hakata/