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御所宝湯の復活へ向け、「GOSE SENTO HOTEL」プロジェクトがクラウドファンディングを開始。銭湯ペンキ絵師・田中みずき氏による銭湯絵の壁画製作も実施

by furosauna

奈良県御所市のまちづくり会社として設立した「株式会社御所まちづくり」は、奈良県御所市における観光まちづくり事業「GOSE SENTO HOTEL」プロジェクトの中心となる銭湯「御所宝湯」で、銭湯ペンキ絵師の田中みずき氏による銭湯ペンキ絵の壁画製作を実施する。製作開始に合わせ、本年秋の御所宝湯の開業に向けたクラウドファンディングも開始された。

「GOSE SENTO HOTEL(銭湯ホテル)」プロジェクトは、御所まち所在の古民家銭湯「宝湯」を中心とした「泊・食・湯」分離の分散型まちづくり事業。第1期では、御所まちにある4つの古民家を活用し、銭湯・ホテル・レストランを一体的に開発する。
御所の現状は、主要観光拠点である葛城山等への交通の結節点(ハブ)となっているが、日帰り主体の観光に留まっている。本プロジェクトを通じて、域外からの観光流入・観光消費の増大を目指すという。

今回ペンキ絵の製作を行う田中みずき氏は、日本のペンキ絵師であり、中島盛夫氏、丸山清人氏とともに、現役で活動中の3人のペンキ絵師のうちの一人。明治学院大学で近代日本美術史を学んでいた2003年、卒論のテーマを探していた際、銭湯のペンキ絵に出合い、ペンキ絵の面白さに魅了されると同時に、後継者不在に危機感を抱き、中島盛夫氏に弟子入り。約9年の見習い期間を経て、2013年に独立。若手の銭湯ペンキ絵師として、日本全国で活躍している。
今回のペンキ絵は、御所をモチーフとした絵を2日間にかけて、一気に書き上げるという。

ペンキ絵 製作イメージ

クラウドファンディングについて


大正5年(1916年)に創業したとされる宝湯は、経営者の高齢化もあり、2008年に閉業を余儀なくされた。2017年には、御所市最後の銭湯(新産湯温泉)も廃業し、市内から銭湯が消失。建物は、幸いにも操業していた当時のままの状態で残されていたが、老朽化が進んでおり、銭湯として再生するためには大幅な改修工事が必要とされていた。
そのような状況で迎えた2018年、宝湯を含む歴史的建築物を活用したまちづくりについての話が持ち上がる。現在、銭湯業界では、廃業件数が新規開業件数を大きく上回る厳しい状態が続いている。しかしながら、事業の継続性を慎重に検証したほか、地域の営み・憩いの場としても、また、「湯と水」を切り口としたまちづくりのコンセプトにおいても、銭湯としての再生が不可欠であるとの結論に至り、他の用途に変更・転換するのではなく、宝湯を銭湯そのものとして復活することにしたという。

今回開始されたクラウドファンディングでは、御所宝湯の改修を含む「GOSE SENTO HOTEL」プロジェクトに対して行われる。集める資金は、銭湯復活に向けた必要不可欠な資金だ。今回のクラウドファンディングでのみ手に入る限定アイテムも用意される。

御所宝湯×皆様石鹸コラボアイテム(イメージ)

日本の美しい文化を守り、そして新たな資源として活用する本プロジェクト。今後、銭湯を含めた多くの自治体や事業のロールモデルとなる可能性を秘めており、全国でもこういった動きは加速していくだろう。従来の銭湯文化を、新しい銭湯文化へと昇華する本プロジェクトを、ぜひともみなさんで応援してみてはいかがだろうか。

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