
福井県永平寺町、九頭竜川のほとりに10月31日、サウナ2室を備えた一棟貸切ヴィラが誕生する。温泉オーベルジュ「歓宿縁 ESHIKOTO」を運営するアクアイグニスが新設する「歓宿縁 聚 TSUDOI(つどい)」は、最大8名で貸し切れる完全プライベート空間に、フィンランドの設計思想を取り入れたサウナを2つ持つのが最大の特徴だ。
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サウナが2つ、しかも「別人格」
今回注目すべきは、単にサウナ付きヴィラが増えたという話ではない。設けられたサウナは「Kuohu(コウフ)」と「Rauha(ラウハ)」という名を持ち、コンセプトが明確に分かれている。
Kuohuは九頭竜川のせせらぎを間近に感じながら会話を楽しむための空間、Rauhaは山の稜線を望みながら一人で静かに過ごすための空間だという。


ひとつの施設に「会話するサウナ」と「黙って向き合うサウナ」を並べて設計するのは、国内の宿泊施設ではまだ珍しい発想だ。
多くの宿泊系サウナは「1施設1サウナ」で完結しがちだが、ここでは目的別にサウナ体験そのものを使い分けさせる設計思想が貫かれている。

建築はフィンランド、監修は国内トップランナー
設計を手がけるのは、ヘルシンキを拠点に自然と建築の調和を追求してきた設計事務所「Studio Puisto」。ホテルやリゾート、サウナ設計を国際的に手がけてきた事務所で、日本国内の宿泊施設を手がけるのは今回が初となる。

サウナ監修には、サウナイデア株式会社の島田大輔氏が名を連ねる。海外の建築思想と国内サウナシーンの知見を組み合わせる座組みは、近年増えている「デザイナーズサウナ宿」の中でも、設計思想の一貫性という点で一歩踏み込んだ事例といえる。
さらに今回はフィンランド大使館が協力している点も見逃せない。単なるインテリアとしての「北欧風サウナ」ではなく、サウナに至るまでの一連の動きを「ritual(儀式)」として捉える文化的な設計思想を、国レベルの協力のもとで再現しようとしている点が、他の温浴付き宿泊施設との明確な差別化ポイントだ。


水風呂とウッドデッキ、外気浴までの動線
サウナで温まった後は水風呂で身体を整え、ウッドデッキテラスで外気浴に入る、という一連の流れが用意されている。サウナ→水風呂→外気浴という基本の型を踏襲しつつ、その舞台が「山と川に挟まれた完全プライベート空間」である点が、都市部の温浴施設との最大の違いだ。
周囲を気にせず、自分たちのペースでととのいの時間を設計できる。

「歓宿縁 聚 TSUDOI」はどんなサウナーにおすすめか
会話をしながらととのいたいグループ利用や、逆に一人でじっくり向き合いたいソロサウナーの双方に対応できる構成は珍しい。
特に、複数人でのグループ旅行でサウナ談義を楽しみたい層や、静けさの中で自分と向き合う「瞑想的サウナ体験」を求める中〜上級者サウナーに向いている。
素泊まりでも16万円からという価格帯からも、日常使いというより「特別な機会に選ぶ一棟貸しサウナ宿」という立ち位置になりそうだ。


コマシ
サウナ室に名前がついている宿は珍しくないが、「会話用」と「一人用」で明確に設計を分けているのは正直めずらしい。ソロでじっくりととのいたい派としては、Rauhaで川も人の声も遠ざけて黙るサウナ、というだけでちょっと行ってみたくなる。グループ旅行でわいわい語らいたい人にはKuohu、静けさ重視の人にはRauha。行く前から「どっちで整うか」を選べる宿というのは、なかなか新しい体験設計だと思う。
歓宿縁 聚 TSUDOI
所在地:福井県永平寺町(歓宿縁 ESHIKOTO内)
開業日:2026年10月31日(土)グランドオープン
料金(税込):160,000円〜(1〜4名の場合)
サウナ室数・熱源種類:2室(Kuohu/Rauha、フィンランド仕様)
収容人数:1名〜8名(一棟貸切)
主な設備:ウッドデッキテラスでの外気浴
運営会社:株式会社アクアイグニス
公式URL:https://kanshukuen.com/sauna/