
福井県永平寺町の温泉オーベルジュ「歓宿縁 ESHIKOTO」が10月31日、サウナ付き一棟貸切ヴィラ「歓宿縁 聚 TSUDOI(つどい)」をグランドオープンした。温度帯も壁の石も異なる2つのサウナを備え、九頭竜川を望む建物で楽しめる、1室限定のプライベートサウナ宿だ。
運営は株式会社アクアイグニスで、日本酒「黒龍」を手がける石田屋二左衛門株式会社がプロデュースした。設計はフィンランド・ヘルシンキの建築事務所Studio Puistoで、同事務所にとって日本初の宿泊施設になる。広さは332.97㎡、定員は1〜6名で、素泊まりは1〜4名利用の場合に160,000円からだ。
70〜75℃と80〜85℃、性格の違う2つのサウナ
施設内のフィンランドサウナは2室ある。「Kuohu(クオフ)」は川のせせらぎを意味する名を持ち、約70〜75℃の穏やかな室温で、会話を楽しみながら過ごす設計だ。壁には多孔質で熱を蓄える、石川県の観音下石(かながそいし)を使っている。

もう一方の「Rauha(ラウハ)」は静けさを意味し、約80〜85℃の室内で、ひとり自分自身と向き合う時間を想定している。壁は福井の伝統的な石材である笏谷石(しゃくだにいし)で、密度が高く熱を蓄えやすい性質を生かした。企画・設計監修はサウナイデア代表で一級建築士の島田大輔氏が担当し、温度や素材に加えて室内の空気の循環にも配慮したという。

温度と石で「役割分担」させた2室構成の意味
編集部が注目したのは、温度・石・過ごし方の3つを、2室でそれぞれ変えている点だ。国内の施設サウナでは高温や強い蒸気を打ち出す例が目立つが、ここは70℃台と80℃台前半という、長く座りやすい温度帯で組まれている。しかもフィンランドのサウナ文化に根付く「人と人が垣根なく語り合う時間」を、Kuohuという部屋の性格にそのまま落とし込んだ。

客室付きのプライベートサウナはサウナ室が1つの施設も少なくないなか、ここでは同行者同士で温度の好みが分かれても、2室を行き来して調整できる。そこへ福井と石川の石材という地域の素材が重なる。サウナを単なる設備ではなく、過ごし方を選べる空間として設計した宿だと読める。

信楽焼の浴槽と水風呂、テラスでととのう時間
サウナの後は、屋外デッキの信楽焼の浴槽と水風呂へ向かう。テラスには九頭竜川を望む椅子とテーブルが置かれ、風や光を感じながらサウナの余韻に浸れる。ととのう場所までが一続きの景色になっている。
利用時の注意点もある。屋外浴槽は温泉ではなく、使用時は水着の着用が必要だ。サウナは安全管理のため、深夜0:00〜翌朝4:00は利用できない。

フィンランドの建築思想と福井の素材が、サウナを支える
建築を担当したヘイッキ・リータフフタ氏は、建物を主張させず、周囲の自然と一体になる空間づくりを大切にした。リビングには九頭竜川と山々を望む大きな一枚窓を設け、窓の向きや屋根の角度、建物の高さまで、光や季節の移ろいを感じられるよう調整している。
家具にはIDÉEの特注ソファなどを配置し、館内には福井県出身のアーティスト、MAGO(長坂真護)氏の作品も飾られる。ロビーに太陽、寝室に月をイメージした作品を置き、自然の時間の流れを表現した。企画にはフィンランド大使館の協力もあった。


「歓宿縁 聚 TSUDOI」どんなサウナーにおすすめか
静かに自分と向き合いたいソロサウナーには、80〜85℃のRauhaが合う。70℃台から入れるKuohuは、サウナに慣れていない同行者がいるグループや、サウナ室で話し込みたい人に向いている。最大6名まで泊まれるため、友人や家族とのサウナ旅にも検討しやすい。1室限定の宿なので、日程は公式予約ページで確認したい。




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ジョー
壁の石で熱の質が変わると聞いただけで、サウナ好きの財布のひもは勝手に緩むからタチが悪い。個人的には、90℃台で粘るより、70℃台の部屋で川の音を聞きながら長居するほうが贅沢に感じる派だ。サウナ室でゆっくり語り合いたい仲間とのサウナ旅に、特に刺さると思う。
歓宿縁 聚 TSUDOI(つどい)
所在地:福井県永平寺町
開業日:2026年10月31日(グランドオープン)
料金(税込):素泊まり160,000円〜(1〜4名の場合)
サウナ室数・熱源種類:2室(Kuohu/Rauha)
サウナ室温度:Kuohu:約70〜75℃/Rauha:約80〜85℃
収容人数:1〜6名
主な設備:屋外デッキに信楽焼の浴槽・水風呂(温泉ではない・水着着用)、九頭竜川を望むテラス、広さ332.97㎡、サウナ利用不可時間0:00〜4:00
運営会社:株式会社アクアイグニス(プロデュース:石田屋二左衛門株式会社)
公式URL:https://kanshukuen.com/sauna/