
星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」が、2026年10月15日に山形県の蔵王温泉で「界 蔵王」をオープンする。正14角形のタワー建築が注目されがちだが、サウナ目線で押さえておきたいのは、強酸性の湯に始まり、サウナ、水風呂、内気浴スペースへと流れる入浴の順路が、建物の構成と一体で組まれている点だ。
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星野リゾート初の山形進出、界ブランド26施設目が蔵王に誕生
星野リゾートにとって山形県への進出は今回が初めてで、界ブランドとしては26施設目の開業にあたる。舞台となる蔵王連峰は古くから山岳信仰の対象とされてきた土地で、宿はその山並みを360度受け止める正14角形のタワー型に仕上げられた。
客室は全49室で、料金は夕朝食付き・2名1室利用時の1名あたり31,000円(税込)からだ。所在地は山形市蔵王温泉で、JR山形駅から車で約40分、山形空港からは約45分の距離になる。


サウナへ至るまでの「湯の順序」が設計された入浴動線
蔵王温泉は、ピリッとした刺激が特徴の強酸性硫黄泉として知られる。界 蔵王はこの湯を源泉の濃度で3つに分け、入浴の起点と仕上げを担う「0の湯」、肌を慣らすための50%希釈の「50の湯」、100%源泉かけ流しの「100の湯」を用意した。湯あたりを避けながら名湯を堪能できるようにという設計で、結果としてサウナに入る時点では、体が温泉の刺激にすでに慣れている流れが生まれる。
湯のあとはサウナで発汗し、山並みを望む水風呂で温冷交互浴を行い、内気浴スペースで余韻に浸る。サウナ室は柔らかな陰影に包まれた空間とされ、締めくくりは最上階のルーフトップガーデンだ。蔵王を象徴する「御釜」をモチーフにしたジェットバスに入れば、360度の景色が広がる。



温泉旅館のサウナは「付帯設備」から「工程」へ
サウナ専門施設の世界では、熱源の種類、室温、水風呂の温度といった数字で個性を競われることも多い。一方、温泉旅館では、サウナが大浴場に併設される付帯設備として扱われる例も少なくなかった。
そうした中で界 蔵王が打ち出したのは、サウナ単体のスペックではなく、湯、サウナ、水風呂、内気浴、屋上のジェットバスまでを一本の線で結ぶ順路そのものだ。サウナを温泉体験の通過点ではなく「工程の中核」に据えた点に、この宿の新しさがあるといえる。
強酸性泉という個性の強い湯を持つ土地だからこそ、入浴の順序を設計する意味も大きくなる。サウナ室の仕様が明らかになる前から語る価値があるのは、この動線の設計思想にある。


「界 蔵王」どんなサウナーにお勧めか
最も相性が良いのは、サウナ単体よりも「温泉とサウナの合わせ技」を旅の目的にするサウナーだ。強酸性の湯に不安のある初心者や温泉好きの入門者にとっても、希釈された湯から段階的に進める構成は心強い。

食事と客室は、サウナ後の時間を支える補足要素
夕食は山形の精進料理の技法を踏まえた「べにばな山彩会席」で、全席半個室の食事処で提供される。メインは5種のきのこと鴨を使った「月山鍋」で、湯上がりの体をいたわる献立だ。
客室は正14角形の構造から生まれた台形型で、全室で方角や高さが異なる。天童木工をはじめとする地元職人の手しごとも取り入れられ、ご当地部屋「くれないモダンの間」では露天風呂付きの洋室も用意される。
このほか、ガラスペンで17音の俳句をつづる「こころに紅をさす時間」など、サウナのあとの静かな時間を過ごす仕掛けも揃う。




ジョー
サウナーとして気になるのは、湯、サウナ、水風呂、内気浴が山並みを見たまま一本の流れでつながる点で、ここまで景色込みで動線を組む温泉旅館はそう多くない。サウナ室の温度や定員は未公開なので、評価は開業後のお楽しみにとっておく。サウナ単体より「温泉で肌を慣らしてからととのう」流れが好きな人に、特に刺さりそうだ。
界 蔵王
所在地:山形県山形市蔵王温泉903番地2(〒990-2301)
開業日:2026年10月15日
料金(税込):31,000円〜(2名1室利用時1名あたり、夕朝食付)
主な設備:大浴場、サウナ、水風呂、内気浴スペース、湯上がり処、ルーフトップガーデン(ジェットバス完備)、ラウンジ、ご当地楽ルーム、食事処、ショップ、スキー乾燥室。源泉濃度3段階の湯(0の湯・50の湯・100の湯)
アクセス:JR山形駅より車で約40分、山形空港より車で約45分
運営会社:星野リゾート
公式URL:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaizao/