
福岡・天神の二つのオフィスビルに、性格がまるで違うサウナが誕生した。一方は24階のルーフトップで空と風を浴びる屋外志向、もう一方は地下2階で太陽と月の巡りを表現する没入志向である。
どちらもサウナクリエイティブ集団のTTNE株式会社がコンセプトとデザインを担い、オフィスワーカー向けの共用施設プロジェクト「Reboot!」の中核として整備された。
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サウナを「ビルの設備」にする、共用施設「Reboot!」の狙い
「Reboot!」は福岡地所が企画し、エフ・ジェイエンターテインメントワークスが運営する取り組みだ。働く場所を自由に選べる時代に「それでもオフィスへ行く理由」を問い直し、サウナを含むリフレッシュやコンディショニングの機能を、一企業では抱えにくい規模でビル全体の共用サービスとして提供する。
サウナが福利厚生の一項目にとどまらず、ビルそのものの価値として組み込まれている点が、今回の最大のポイントといえる。

24階のルーフトップサウナ、水風呂が見える高揚感
舞台は天神住友生命FJビジネスセンターの24階だ。設備はサウナ、水風呂、炭酸泉、外気浴スペースで、一つのサウナを男女で曜日替わりに使う運用となる。
サウナ室から水風呂を眺められる設計は、オアシスを見るような期待感を狙ったものだ。サウナーなら実感があるとおり、熱に粘る終盤に「このあと飛び込む先」が視界にあることは、それだけで最後の数十秒を支えてくれる。
外気浴エリアと炭酸泉には建物の形に沿った円弧が取り入れられ、建築とサウナ体験が一つの流れにまとめられている。都心の高層階で眺望を売りにするサウナ施設は各地にあるが、オフィスビルの共用設備として日常使いを前提に作られている点に、この施設の独自性がある。

地下2階のスパ&サウナ、光を感じにくい場所で「時間」をつくる
天神ビジネスセンターⅡの地下2階には、男女別のサウナを備えたスパが設けられた。TTNEが提案した基本コンセプトは「Sun」と「Moon」である。
地上の光や時間の移ろいを感じにくい地下という条件を逆手に取り、太陽と月が刻む自然のリズムを空間で表現した。
さらに、深海をテーマにした「Ocean」と森をテーマにした「Forest」の内気浴空間を設け、地下にいながら自然とのつながりを感じられる設計としている。
設備は男女別サウナ、水風呂、炭酸泉、温浴設備だ。近年のサウナ文化では外気浴がととのいの定番として語られるが、窓のない地下に内気浴の世界観を作り込む発想は対照的で、「外に出られないからこそ内側を磨く」という逆転の設計思想がうかがえる。


二つのサウナが示す「立地から体験をつくる」設計
サウナ師匠(秋山大輔)は、立地も環境も異なる2つのビルだからこそ、全く違うサウナ体験を設計したと語っている。同じプロジェクトの下で、空へ開く屋上と地中へ潜る地下という正反対の方向性を並べたことは、サウナを「どこでも同じ型で置ける設備」ではなく「場所の条件から組み立てる体験」として扱っている表れだろう。
サウナを特別な日のご褒美から、働く人の日常にある「回復のインフラ」へ移していきたいという考えも示された。


どんなサウナーにお勧めか
外の空気と景色でととのう時間を重視する人には、24階のルーフトップが向いている。空間演出や世界観に浸って頭を切り替えたい人、屋外よりも落ち着いた環境で自分のペースを作りたい人には、地下2階のスパ&サウナが合いそうだ。


コマシ
水風呂が見えるサウナ室は、サウナーにとって「ゴールテープが見えるマラソン」だと思っている。そして地下2階の「窓がないからこそ潜る」という発想は、もはや哲学に近い。景色でととのいたい人にも、世界観に浸りたい人にも、昼休みや仕事終わりにスイッチを切り替えたいオフィスワーカーには特に刺さりそうだ。
①天神住友生命FJビジネスセンター
②天神ビジネスセンターⅡ(共用施設プロジェクト「Reboot!」)
所在地:福岡・天神エリア(①24階/②地下2階)
サウナ室数・熱源種類:①サウナ1室(男女曜日替わり)/②男女別サウナ
水風呂数・温度:①水風呂あり/②水風呂あり
主な設備:①炭酸泉・外気浴スペース/②炭酸泉・温浴設備・内気浴空間(Ocean/Forest)
運営会社:企画:福岡地所株式会社/運営:株式会社エフ・ジェイエンターテインメントワークス
公式URL:
①https://tenjinsfbc.jp/ / https://sfbc-reboot.jp
②https://tenjinbc2.jp