
兵庫県神崎郡市川町。のどかな里山の風景が広がるこの地に、新たなサウナの聖地が産声を上げる。2026年8月7日、築約80年の古民家と蔵を再生した「灯火サウナ」が開業する。
本サウナの最大の注目点は、長野県野尻湖でアウトドアサウナの潮流を作った「The Sauna」の支配人、野田クラクションべべー氏が監修を務めている点だ。本場フィンランドのサウナ文化を日本に根付かせた第一人者の知見が、兵庫の静かな町でどのように具現化されたのか。その全貌に注目が集まっている。
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呼吸する薪サウナ。NARVI社製ストーブと独自の内部構造
サウナ室の心臓部には、フィンランドの老舗ブランド「NARVI」の薪ストーブが鎮座する。電気ストーブでは決して味わえない、薪火特有の柔らかな輻射熱と、パチパチと爆ぜる音。そして、セルフロウリュによって立ち昇る密度の高い蒸気が、身体を芯から温めていく。

特筆すべきは、監修の野田氏がこだわった「呼吸のしやすさ」と「多様な過ごし方」の両立だ。サウナ室内には、じっくりと熱に向き合える「おこもりスペース」が設けられている一方で、ウィスキング(白樺などの枝葉を使った施術)を想定した幅広のベンチも配置されている。これは、単に「熱い場所」を作るのではなく、サウナという体験を一つの文化として、あるいはトリートメントとして捉えている証左といえる。
近年のサウナブームにより、都市部では高出力な電気ストーブを備えた施設が増加したが、灯火サウナが選んだのは、手間も時間もかかる「薪」という選択肢だ。これは、効率を優先する現代社会において、あえて「火を育てる時間」を共有するという、サウナの原点回帰的な価値を提案している。

水深110cmの衝撃。チラー完備の樽水風呂がもたらす深淵な冷却
サウナ後の「水風呂」にも、妥協なきこだわりが光る。地元のフレッシュな水を引き込み、大きな木製の樽を使用した水風呂は、最深部で110cmという深さを誇る。
一般的に、水風呂は水深が深いほど身体にかかる水圧が増し、冷却効率が高まる。首までどっぷりと浸かることで、全身の血管が均一に収縮し、より深い「ととのい」へと導かれる。さらに、屋外設置の樽水風呂でありながらチラー(冷却機)を完備しており、季節を問わず約15度という理想的な水温を維持している点も、サウナー目線での高いホスピタリティを感じさせる。

蔵の中で「ととのう」。リトリート施設としての完成度
灯火サウナの体験は、サウナ室の中だけで完結しない。築80年の蔵をリノベーションした空間は、静寂と温もりに包まれている。外気浴スペースからは里山の四季折々の景色を望むことができ、風の音や鳥のさえずりが、瞑想に近い静かな時間を提供してくれる。
また、施設内では本格的なフェイシャルエステやボディケアも提供される。これは、従来の「銭湯の延長」としてのサウナではなく、美容やウェルネスを主軸とした「サウナリトリート」としての位置づけを明確にしている。サウナ後に、かつて愛された洋食店の味を再現した「灯火洋食カレー」を食すまでの一連の流れは、五感を満たす極上のジャーニーとなるだろう。

「灯火サウナ」はどんなサウナーにお勧めか
灯火サウナは、以下のようなサウナーに特にお勧めしたい。
・「薪サウナの柔らかい熱」を知っている、あるいは知りたいと考えている上級者
・日常の喧騒から離れ、自分を見つめ直したいソロサウナー(パブリック利用は定員6名の少人数制)
・気心の知れた仲間と特別な時間を過ごしたいグループ(最大8名までの蔵貸切プランあり)
・水風呂の「深さ」と「水質」にこだわりを持つ水風呂愛好家


ジョー
ついに兵庫に「薪サウナ×水深110cm」という破壊力の高い施設が現れた。しかもThe Saunaの野田クラクションベベー氏監修。NARVIのストーブで湿度をたっぷり作り、深く冷たい水風呂に沈む。サウナーなら誰もが夢見る黄金比が、古民家の静寂の中で実現された。特に水風呂の「深さ」を求めている玄人には、この浮遊感と水圧の心地よさはたまらないはず。
灯火サウナ
所在地:兵庫県神崎郡市川町下瀬加1745
開業日:2026年8月7日
営業時間:10:00〜19:30(1日4部制、完全予約制)
定休日:月曜日、火曜日
料金:パブリック利用 平日2,500円/休日3,000円(2時間)
貸切利用:平日22,000円〜
主要設備:薪サウナ(NARVI社製)、チラー付き樽水風呂(水深80〜110cm)、外気浴スペース、エステ、食事処
予約方法:https://reserva.be/touka_sauna/about