
秋田県男鹿市の船川港船川エリアに、サウナと町中華を楽しめる新たな宿泊施設「ホテルかぜまちみなと」が2025年6月6日(金)にグランドオープンする。これは、秋田県男鹿のクラフトサケ醸造所「稲とアガベ株式会社」と株式会社NEWLOCALが設立した合弁会社「株式会社男鹿まち企画」によるプロジェクト。旧船川港湾労働者会館をリノベーションした施設で、2025年5月15日(木)よりオフィシャルサイトでの予約受付が開始された。
風待ち港の歴史を現代に蘇らせる施設コンセプト
「かぜまちみなと」は「かぜを待ち、かぜに乗るための港」というコンセプトを掲げている。男鹿はかつて「風待ち港」として栄え、潮の流れとともに人が集い、まちが賑わっていた歴史がある。このホテルは港湾労働者の寄宿舎をリノベーションして生まれた宿であり、時代の記憶を今に引き継ぐ役割を担っている。
館内は日々の喧騒から離れ、風のゆらめきを感じられる空間となっている。海の泡を模したラウンドのデザインと、色鮮やかなカーテンで包まれた客室は全14室を擁する。設計を担当した株式会社三六〇度の納谷新氏は「滞在する旅行者がここで心身ともに癒されてほしい」と語っている。



海を眺める特別なサウナ空間
特に注目すべきは、施設内に設けられたサウナスペースである。サウナの設計・監修は株式会社浜田晶則建築設計事務所が担当した。浜田晶則氏は「みなとの海を眺め、風を気持ちよく感じるための特別なサウナスペース」と表現している。



各スペースには風景を絵画のようにフレーミングする四角い窓が配置されており、四季の移ろいや太陽高度により変化する色彩と、港の風景をサウナと共に体感できる設計となっている。オープン当初は宿泊者のみの利用だが、一般利用者へのサービス提供も順次開始予定とのことである。
町中華をアレンジしたビストロダイニング
施設内には町中華をアレンジしたビストロダイニングも設けられている。ホテルゲストの朝食には、生姜をたっぷり効かせた中華粥と鹹豆漿が提供される。ランチは地元の方にも親しまれる日替わり定食、夕食は稲とアガベのクラフトサケや早苗振蒸留所のスピリッツに合う、少しツイストを加えた中華料理が楽しめる。
レストランの監修・メニュー開発を担当した株式会社TETOTETOの代表・井上豪希氏は「朝も昼も夜も、観光客も地元の人も、宿泊者もそうでない人も楽しめる。男鹿の街の名物になるような、町の未来のためになるような、そんな町中華を作ろうと思っています」と語っている。


地域活性化の拠点として
このホテル開業は、観光庁の令和5年度事業「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業」に男鹿市から稲とアガベ、男鹿まち企画を含む11事業者が参画・採択されたことを受けて進められたプロジェクトである。稲とアガベは男鹿で創業してから3年半の間に、醸造所や蒸留所、レストラン、宿泊施設など8つの拠点を展開し、地域の活性化に取り組んできた。
株式会社男鹿まち企画の代表取締役である岡住修兵氏は「男鹿には、今、本当に良い風が吹いています。この新しい拠点に滞在し、その風を感じ、男鹿の魅力に触れて背中を押される方々がきっと増えていくことと思います」と期待を寄せている。


「ホテルかぜまちみなと」は、サウナ愛好家はもちろん、町中華を楽しみたい人、そして男鹿の自然と文化に触れたい旅行者にとって、新たな体験を提供する場所となるだろう。風待ち港の歴史を現代に再解釈したこの施設が、男鹿の新たな観光拠点として地域活性化に寄与することが期待される。
ホテルかぜまちみなと
所在地:〒010-0511 秋田県男鹿市船川港船川海岸通り二号2−20
階数:地上2階
アクセス:JR男鹿線「男鹿駅」より徒歩5分
客室数:全14室(ダブル7室、ツイン2室、トリプル2室、クイーン1室、ドミトリー2室)
付帯施設:中華レストラン、サウナ、ロビーラウンジ、シャワーブース
Webサイト:https://kazemachiminato.com/
オープン日:2025年6月6日(金)
予約開始:2025年5月15日(木)