ホーム » 全ての記事 » 1200年の歴史を持つお寺にサウナが!?和歌山・熊野古道沿い「大泰寺」がクラウドファンディングに挑戦

1200年の歴史を持つお寺にサウナが!?和歌山・熊野古道沿い「大泰寺」がクラウドファンディングに挑戦

by furosauna

和歌山県那智勝浦町の1200年の歴史を持つ寺「大泰寺」で、禅とサウナを融合した「禅サウナプロジェクト」が進行中だ。世界遺産の熊野古道沿いに位置する大泰寺は、地元の自然素材を活用し、古来から癒しの場として親しまれてきた薬師霊場の精神をサウナに取り入れることで、現代人に新たなリラクゼーション体験を提供することを目指す。今回のサウナ設置には、クラウドファンディングを通じた支援が求められ、2025年春のグランドオープンを目指している。

禅とサウナの親和性—坐禅体験とサウナの「ととのい」を融合

大泰寺の住職・西山十海氏は、長年、訪れる人々に向けて坐禅や宿坊体験を提供してきた。特に、サウナの「ととのい」と坐禅による精神の安定状態が似ていることから、禅の精神をサウナ体験を通じてより多くの人に感じてもらいたいと考え、今回のサウナプロジェクトに挑戦することを決意。サウナでの温熱と禅の静寂が融合することで、現代社会に生きる人々が心身をリフレッシュし、日常生活に平穏を取り入れる手助けをすることが目的だという。

座禅体験
お寺に泊まる宿坊
敷地内でのキャンプ場
川辺で楽しむテントサウナ
大泰寺の住職・西山十海氏

天候に左右されない全天候型サウナで癒しの時間を

これまで大泰寺ではテントサウナが提供されていたが、天候によっては利用が難しい日もあった。そこで、天候に関係なく利用できるように、今回の禅サウナプロジェクトでは、全天候型のサウナ施設が設置される。この新たなサウナは、フィンランドの伝統的な薪式サウナストーブ「Narvi」を導入し、セルフロウリュも楽しめる本格的なサウナ体験が可能だ。水着を着用することで、男女一緒に利用できる設計となり、家族や友人同士での利用にも適している。

サウナ室イメージ

熊野の自然素材をふんだんに使ったサウナ室

サウナ室には、熊野地方で採取された天然木材が使用される予定で、特に長年かけて育まれた大きな一枚板がサウナの内装に取り入れられる。この地域ならではの木材を用いることで、利用者は自然の温もりを感じながらリラックスできる。また、木材は全て地元で調達されたものを使用するため、地域活性化にも貢献するプロジェクトとなっている。外気浴エリアも備えられ、サウナで汗をかいた後に本堂の横に設置されたウッドデッキでゆったりと「ととのう」時間を過ごすことができる。

外気浴場イメージ

枯山水体験でさらに深いリラクゼーションを提供

サウナ室を出た後の外気浴エリアには、禅の精神を象徴する「枯山水」が設置され、利用者が自由に模様を描ける体験が提供される。これは、心を落ち着け、自分と向き合う時間を楽しむための仕掛けであり、サウナと禅の精神を繋げる工夫となっている。日本庭園の静寂の中で、自然に囲まれながらリラックスできる枯山水体験は、サウナファンにとって新たな癒しの形となるだろう。

枯山水

支援者向けのクラウドファンディングを通じた参加型プロジェクト

「禅サウナプロジェクト」は、クラウドファンディングプラットフォーム「Motion Gallery」で支援を募集しており、2024年10月31日 午前9時から開始される。支援者には、支援額に応じてプロジェクト完成後の先行体験やオリジナルグッズが提供される予定で、サウナファンや地元の人々にとっても楽しみな参加型プロジェクトとなっている。2025年春のグランドオープンに向けて製作・施工が進み、地域のランドマークとして新たな魅力を持ったサウナ体験が期待されている​。

設計監修は、今行くべきサウナを評するサウナシュランや国産材活用を推進するウッドデザイン賞の上位受賞経験のある株式会社アーティストリーの大西功起 氏

大泰寺が提供する「禅サウナプロジェクト」は、サウナと禅を融合した全く新しいリラクゼーション体験だ。自然の恵みと禅の精神が息づくこの施設で、訪れる人々は心を解き放ち、日常から離れて静寂のひとときを過ごすことができる。クラウドファンディングを通じた支援も進行中であり、サウナファンや地域の人々と共に作り上げるこのプロジェクトが、癒しの場としてさらに多くの人々に広まることが期待される。


大泰寺
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町下和田775

合わせて読みたい

フロサウナは、いま注目のフロ、サウナ、スパなどの情報を求めさまよう「温浴開拓者」たちの「温浴メディア」です。