2024年10月、静岡県熱海市に35年ぶりとなる新しい銭湯「渚ゆ」がオープンする。熱海市渚町に位置するこの銭湯は、地域の文化や歴史を活かしながら、新しい生活スタイルを提案する「まちごと暮らし」の一環として誕生した。銭湯文化が再評価される今、渚ゆは昭和の風情と現代のニーズを融合させ、地域住民や観光客にリラックスできる場所を提供する。オープンに先がけ、9月21日には「渚ゆ お披露目 記念トークイベント」を開催するとともに、会員の募集を開始する。
銭湯「渚ゆ」の特徴
「渚ゆ」は、株式会社マチモリ不動産が企画・運営する新しい形の銭湯だ。かつては多くの公衆浴場が存在していた熱海だが、現在ではその数は大きく減少している。その背景には、自宅で温泉を引けるという地域特有の事情があるが、共同浴場文化が衰退する中で「銭湯」の価値が再び見直されている。渚ゆは、昭和の原風景が残る渚町に位置し、地域資産を活かした空き物件のリノベーションにより誕生した。
昭和の風情と現代のニーズを融合
渚ゆの最大の魅力は、昭和の風情と現代的な暮らしのニーズを巧みに融合させた点だ。浴室には、地元の温泉水を使用し、シンプルながらも心地よい入浴体験ができる。また、アートディレクターの小杉幸一氏が手がけた壁画が浴室を彩り、温泉に浸かりながら新鮮でありながらもどこか懐かしい風景を楽しむことができる。男女別の浴室は、可動式の間仕切りで分けられ、お湯を抜くとイベントスペースとしても利用できるという、多目的な設計が特徴だ。
銭湯を中心とした新たな暮らしの提案
「まちごと暮らし」というコンセプトのもと、渚ゆは地域住民や観光客が共に利用できる場として設計されている。会員制を基本としており、会員になれば自由に銭湯を利用できるだけでなく、地域のイベントやコミュニティ活動にも参加できる仕組みだ。月額7,500円の一般会員に加え、近隣住民向けには単発利用が可能なプランも用意。地域の「銭湯付き物件」として、新しい暮らしの形を提供することで、空き家問題の解消にも寄与している。
「渚ゆ」は、ただの銭湯ではなく、地域の歴史や文化を大切にしながら、新しい生活スタイルを提案する場だ。熱海の観光地としての魅力と、日常生活のリフレッシュスポットとしての銭湯が一体となり、地域住民や訪れる人々に新たな価値を提供している。昭和の風情を残しつつも、現代的な使い勝手を考慮したこの銭湯は、地域の活性化や新しいコミュニティ形成にも大きく貢献することが期待される。
渚ゆ
静岡県熱海市渚町16-7
営業開始日:2024年10月中旬を予定
営業時間:14:00-21:00 定休日:火・水
入浴料金(税込):
一般 大人 1,000円 [12才以上]/ 小人 500円[12才未満]
一般会員(単発利用の近隣住民) 一律 500円
一般会員(月極) 7,500円