レトロ銭湯・渋い昭和の湯 × 上野

上野・台東区エリアの「レトロ銭湯・渋い昭和の湯」は、宮造り建築が現役で稼働するという稀有な地域だ。高度経済成長期に立てられた銭湯が、改装されることなく今も番台を構え、サウナを回している。新しいサウナ施設を追いかけるのとは逆の動きで、このエリアの昭和を体に入れてみたい人のための4施設を紹介する。

このエリアを選ぶ理由:台東区は東京で最も銭湯密度の高いエリアのひとつで、宮造り建築の銭湯が複数現存している。サウナを備えた老舗も多く、昭和の意匠と本格的なととのい体験が共存している。

寿湯

寿湯

稲荷町駅から徒歩2分、唐破風の宮造り外観が出迎える。男性露天には15人以上が同時につかれる規模があり、遠赤外線と塩の2室サウナ、露天と洞窟の水風呂2槽、ととのい椅子10脚と、スペックだけ読むとスーパー銭湯の仕様だ。ただし価格は銭湯で、入浴550円にサウナ250円を追加するだけ。

洞窟水風呂というシチュエーションが笑えるのは最初の5秒だけで、実際に入ると笑っている余裕がなくなる。唐破風の宮造り銭湯に洞窟がある理由は特にない——ただ、そこにあるのだ。昭和の銭湯建築の懐が、想像より深かったということで納得するしかない。

住所東京都台東区東上野5丁目4−17
営業時間11:00〜25:30(最終受付25:05)定休:第3木曜
料金入浴550円+サウナ250円
性別男女別浴室(サウナ・露天は男湯)

サウナセンター 鶯谷本店

サウナセンター 鶯谷本店

1979年創業、鶯谷の路地に45年以上根を張る都内屈指の古参だ。24時間営業・カプセルホテル併設という構成は昭和の産物だが、今でも全く色あせていない。ドラマ「サ道」の撮影舞台となったことで全国区の知名度を得たが、地元客の顔ぶれは昔から変わっていない。

受付でガンダムとザクに出迎えられ、浴室脇には謎のペンギンルーム(室温15℃のクールダウン室)がある——昭和54年開業の施設が、なぜこの方向に進化したのかを問うと夜が明ける。レトロを愛でに来たはずが、キャラクターが一番濃いのがここだ。

住所東京都台東区下谷2丁目4−7
営業時間24時間営業
料金3時間 1,800円(カプセル宿泊別途)
性別男性専用

宝泉湯

鶯谷と入谷の間、根岸の路地に宝泉湯はある。サ室は2段、座面が広く、温度は100℃超の昭和ストロングスタイルだ。近隣に萩の湯・サウナセンターという強豪を抱える激戦区で、この銭湯が守っているのは「昔ながら」という一点だ。脱衣所には熱帯魚の水槽が置かれ、番台のご主人との距離が近い。

名物はメントールを溶かした掛け流しの水風呂——火照った身体に、清涼感が一枚かぶさる。外気浴スペースこそないが、「地元の体温が残る一湯」という形容が最も似合う施設だ。

住所東京都台東区根岸3丁目14−14
営業時間15:00〜24:00(火〜日)定休:月曜
料金入浴550円+サウナ300円
性別男女別浴室(サウナは男湯)

鶴の湯

浅草橋の鶴の湯は、昭和2年創業という筋金入りの宮造り銭湯だ。壁面は明るい水色に塗られ、浴槽にはグリーンライトが仕込まれている。42℃とやや熱めのお湯で温まったあと、コーヒー牛乳かフルーツ牛乳で一息つくのが定番コースだ。1927年から変わらずここにある、という事実だけで十分な存在感がある。

熱いお湯に水色の外壁とグリーンライト——見た目でまず涼ませて、湯で一気に温めるというコントラストが、昭和の銭湯設計の知恵かどうかは不明だが、結果として体が喜んでいる。昔ながらの空気感をそのまま味わいたい人向け。

住所東京都台東区浅草橋5丁目27−2
営業時間15:30〜23:30 定休:土曜
料金入浴550円
性別男女別浴室

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