
神奈川県厚木市のロードサイドに、既存のサウナマナーの常識を覆す新たな拠点が姿を現す。2026年10月の本オープンを目指し、サウナと大衆食堂を融合させた「サウナニューカナコ」が始動した。
品川・青物横丁で異彩を放つ「サウナスナックかなこ」のDNAを継承するこの施設は、静寂を美徳とする近年のサウナトレンドに対し、かつての銭湯が持っていた「自由」と「社交」という力強いアンチテーゼを突きつける。
近日、クラウドファンディングをキャンプファイヤーにて開始する。
多摩産材と特注薪ストーブが織りなす「もうひとつの世界線」
サウナニューカナコの核となるサウナ室は、単なる発汗の場ではない。設計・施工を自社で手掛ける「株式会社その壱」が提示するのは、昭和でも令和でもない「もし別の未来へ進んでいたとしたら」という架空の歴史をイメージしたノスタルジックな空間だ。
室内には、Dr.Craft製の特注薪ストーブを設置。沖倉製材所が提供する多摩産檜の香りと、薪が爆ぜる音、そしてスモーキーな香りが混ざり合う、多感覚的な体験を提供する。多くの最新施設がオートロウリュによる効率的な熱管理を追求する中で、あえて手間のかかる薪ストーブを選択し、さらに「安心感」のためにテレビを設置するスタイルは、ストイックな瞑想よりも「実家のような居心地」を優先する同施設の思想の表れだろう。

地下水掛け流しと「会話」が許される自由の価値
水風呂には地下水が贅沢に掛け流される。 1号店で好評を博した「水風呂に入った者だけが見られる世界」という視覚的演出も健在だ。しかし、この施設の真の「ととのい」は、物理的な設備以上にそのソフト面にある。
コロナ禍を経て定着した「黙浴」というルール。サウナニューカナコはこれを「沈黙の呪縛」と呼び、そこからの解放を宣言している。これは、近年のサウナブームが「個」の向き合いを極限まで高めてきたことに対する、揺り戻しとも言える。
高級個室サウナや、一言の発声も許されない厳格な大型施設が増える中で、たまたま隣り合わせた誰かと「なんでもない話」をすることが許容される空間は、現代のサウナーにとって逆に新鮮な救いとなるはずだ。鎧を脱ぎ捨て、肩書きを超えてフラットに繋がる場所――それこそが、かつての日本の公衆浴場が担っていた文化的な役割の再構築である。

サウナスナックのDNAを継承する「サ飯」の新機軸
入り口に広がるのは、ノスタルジックな大衆食堂だ。1号店が「スナック」という夜の社交場であったのに対し、2号店は「食堂」という日常の延長線上にある場所を選んだ。
提供されるのは「不思議とまた食べたくなる実家の食事」のようなメニュー。サウナを出た直後に、昭和レトロな空間で一杯やりながら食事を楽しむ。この「サウナ・水風呂・外気浴・サ飯」という一連の流れを、一つの施設内で、しかも「自由な会話」という調味料と共に完結させられる点は、同カテゴリの既存施設と比較しても極めて独自性が高い。
地域住民の交流拠点としても機能することを目指しており、単なる観光スポットに留まらない厚木の新たなコミュニティとしての可能性を秘めている。


「サウナニューカナコ」はどんなサウナーにお勧めか
サウナニューカナコは、特に以下のようなサウナーに刺さる施設となるだろう。
・コミュニティ派サウナー:ソロでの瞑想よりも、仲間やその場の誰かと温度感を共有したい人。
・ノスタルジー愛好家:最新のデジタルな設備よりも、薪の火や木材の質感、昭和的な雑多さに安心感を覚える人。
・「ルール疲れ」を感じている人:マナーや作法に縛られすぎず、もっと気楽に、日常の一部としてサウナを楽しみたい人。
基本は男性専用施設だが、月1回のレディースデイも予定されており、女性サウナーにとっても「自由なサウナ」を体験する貴重な機会が提供される。

ジョー
最近のサウナ、ちょっと静かすぎませんか?そんな問いを特注薪ストーブの熱波とともに叩きつけてくる「ニューカナコ」。地下水掛け流しでととのった後、食堂で知らない誰かと「今日のアレ、熱かったね」なんて話せる世界線、最高に楽しみ。ルールに少し窮屈さを感じている中級者以上のサウナーにこそ、この自由を味わってほしい。
サウナニューカナコ 厚木店
住所:神奈川県厚木市岡田1-3-1
アクセス:東名高速道路「厚木IC」より車で約5分、小田急線「本厚木駅」南口より徒歩15分(無料駐車場あり)
オープン予定:2026年9月プレオープン、10月本オープン
設備:特注薪ストーブサウナ、地下水掛け流し水風呂、昭和レトロ大衆食堂
種別:男性専用(月1回レディースデイ実施予定)
クラウドファンディングURL:https://camp-fire.jp/projects/903637/view