
大阪・福島に男性専用サウナ「しずのゆ 福島」が誕生
大阪・福島に、40年以上もの間、地元の暮らしに寄り添ってきた銭湯があった。その名は「延命湯」。2025年4月に惜しまれつつ幕を閉じたこの銭湯を継承し、男性専用サウナ施設として蘇らせるプロジェクトが動き出した。
温浴施設の運営・プロデュースを手がける株式会社yueは、大阪市福島区の「延命湯」を引き継ぎ、男性専用サウナ「しずのゆ 福島」として2026年8月中旬にプレオープンすると発表した。同社が展開する銭湯リノベーションブランド「しずのゆ」としては、神奈川の相模原店に続く第2弾の開業となる。
JR大阪環状線・福島駅から徒歩2分、梅田からひと駅というアクセスの良さも見逃せないポイントだ。入館料は1,480円で、時間制限は設けない方針だという。
竹原義二が手がけた銭湯建築を、サウナへと編集し直す
延命湯は1983年、当時35歳だった建築家・竹原義二が無有建築工房として設計した建物である。曲線を多用した意匠は同年の渡辺節賞を受賞しており、銭湯建築としても評価の高い一棟だ。「しずのゆ 福島」では、この外観や天井まわりの様式美を保存しながら、浴室のタイルを張り替えて内装を刷新する。
サウナにはオートロウリュを導入し、水風呂や外気浴スペースも新設するというから、建築の記憶を残しつつ、中身は現代的なサウナ施設として組み直す格好だ。
古い建物を壊して新築するのではなく、意匠を「残す」判断をしたこと自体が、このプロジェクトの核だと言える。


なぜ”延命湯を継ぐ”ことに価値があるのか
近年のサウナブームのなかで、老朽化した銭湯をサウナ施設へ転換する動き自体は珍しくなくなってきた。
ただし、受賞歴のある建築家の作品を土台にした事例は決して多くない。多くのリノベーション型サウナが「元銭湯」という背景を売りにする一方で、しずのゆ 福島は意匠そのものに歴史的な評価の裏付けがある点で一線を画す。浴室の曲面やタイルの張り方といった、竹原建築ならではのディテールが残ることで、「サウナに入る理由」が熱や水風呂の温度だけでなく、空間そのものにも生まれる。
これは、都市部で増えているビル一体型・複合施設型のサウナとは異なるアプローチであり、地域の記憶を継承しながら現代のサウナ体験を提供するという点で、業界内でも数の限られた事例だと言っていい。

「しずのゆ 福島」はどんなサウナーにおすすめか
建築や空間の意匠に関心があるサウナーには、特に足を運ぶ価値のある施設になりそうだ。オートロウリュを備えた本格志向のサウナと、曲線美のある浴室という組み合わせは、熱と意匠の両方を楽しみたい層に向いている。
梅田から一駅というアクセスの良さから、仕事帰りにふらっと立ち寄る「日常づかい」の使い方にも適しているだろう。
一方で、男性専用施設のため、ソロで静かにととのいたい男性ユーザーには特に相性が良い。レディースデーイベントの実施もあるとのことなので、女性サウナーは今後の告知を待つ形になりそうだ。


コマシ
銭湯を壊さずにサウナへ「翻訳」する、というアプローチが個人的にはたまらない。オートロウリュ付きの本格サウナ自体は珍しくないが、渡辺節賞を獲った曲線の浴室でととのうという体験は、そうそう味わえない。サウナの熱よりも先に、建築に呼吸を整えられるタイプのサウナーには刺さるはずだ。
しずのゆ 福島
所在地:大阪府大阪市福島区福島5丁目12-5
アクセス:JR大阪環状線「福島駅」徒歩2分
営業時間(通常):平日13:00〜26:00、土日祝9:00〜26:00
営業時間(プレオープン):13:00〜24:00
入館料:1,480円(時間制限なし、24時以降の退館は+500円)
プレオープン日:2026年8月中旬予定
対象:男性専用(レディースデーイベントあり)
設備:オートロウリュ付きサウナ、浴室、水風呂、外気浴スペース、ドリンク、アメニティ一式
URL(相模原店):https://shizunoyu.com/