
公益社団法人日本サウナ・スパ協会は9月10日、日本初の本格的サウナ専門教育機関「サウナマスターアカデミー」の設立を発表した。10月10日には東京ビッグサイトでオープンスクールを開催し、サウナ文化の正しい普及と国際基準に準拠した専門技術者の育成に乗り出す。
近年のサウナブームを受け、専門知識と技術を持った人材育成の必要性が高まっている中、同協会が培ってきた認定資格制度を基盤とした本格的な教育機関の誕生は、サウナ業界の発展において画期的な出来事だ。
既存資格を基盤に新たな養成講座を導入
サウナマスターアカデミーでは、これまで実施してきたサウナ・スパ健康アドバイザー、サウナ・スパ管理士、サウナ・スパ健康士、ウィスキングforビギナーズなどの既存認定資格を基盤として発展させる。特に注目すべきは、より専門性の高い実技習得を目的とした新たな養成講座の導入だ。
新設される講座は「アウフグースマスター養成講座」と「ウィスキングマイスター養成講座」の2つ。アウフグースマスター養成講座は、協会が2022年から毎年開催するアウフグース・チャンピオンシップ・ジャパン(ACJ)の経験を活かし、アウフグースが普及しているイタリアサウナ&アウフグース協会(AISA)のカリキュラムに準拠している。
指導陣には、ACJ大会で受賞し世界大会決勝への出場経験を持つトレーナー講師が名を連ねる。理論と実践を組み合わせた約半年間のカリキュラムで、全国展開も予定している。
オープンスクールで基礎知識を習得可能
10月10日に開催されるオープンスクールでは、アウフグースマスター養成講座における基礎的な知見を深められる座学講習の一部を無料で受講できる。また、養成講座の概要と募集要項についても詳細が発表される予定だ。
当日のプログラムは、日本サウナ大使のタナカカツキ氏、国際アウフグース協会副会長のラッセ・エリクソン氏、Aufguss.it会長のリカルド・マッツイ氏による挨拶に続き、世界と日本のアウフグース文化、世界の熱気浴の歴史、身体への作用と安全管理、救急救命対応、アウフグースの種類と構成理論といった専門的な内容を学ぶことができる。
注目すべきは、このオープンスクールの座学受講が、後に開講される正式な養成講座の受講としてカウントされる点だ。サウナ業界でのキャリアアップを目指す人にとって、貴重な機会となるだろう。
全国展開で地域のサウナ文化発展に貢献
アウフグースマスター養成講座は全国での展開を予定しており、北海道、東京、横浜、名古屋、福岡での開講が計画されている。これにより、地域に根差したサウナ文化の発展と、統一された技術基準による専門技術者の育成が期待される。
一方、ウィスキングマイスター養成講座については現在さらなる検討が進められており、開始時期は未定だ。詳細が決定次第、改めて発表される予定となっている。
1990年設立の歴史ある協会が手がける新たな挑戦
日本サウナ・スパ協会は1990年に設立され、35年にわたりサウナ営業者の資質向上、サウナに関する正しい知識の普及、健全なサウナ事業の発展と育成、環境衛生の向上に貢献してきた実績を持つ。
今回のサウナマスターアカデミー設立は、同協会が長年培ってきた専門知識と経験を体系化し、次世代に継承する新たな取り組みだ。サウナブームが続く中、正しい知識と技術を持った専門家の育成は業界全体の発展にとって不可欠である。
オープンスクール開催概要
- 名称:「サウナマスターアカデミー」オープンスクール
- 日時:2025年10月10日
- 場所:東京都江東区有明3-11-1 東京ビックサイト605号室
- 参加費:無料
- 対象者:先着200名(応募多数の場合は抽選)
- 募集期間:2025年9月10日(火)~2025年9月30日(火)