
新しいサウナ施設がオープンするたび「男性専用」の言葉に落ち込む筆者です。サウナについて調べると、健康や美容に良いことづくしで、本来ならもっとサウナの魅力が女性に伝わっても良いはずなのに……!
そこで、サウナの聖地と称される「サウナしきじ」の娘であり、常日頃から女性へサウナの魅力を発信し続けている笹野美紀恵さんにインタビュー。「サウナは単なる熱い箱じゃない」と提唱する笹野さんは、健康、美容、食、旅などの掛け合わせから、サウナの新たな可能性を探究している方。そんな笹野さんが新たに注目しているのが「PMS」をはじめとする、女性特有の「健康」について。
今回は、PMS緩和やストレス解消など、サウナが秘める可能性や魅力について聞かせていただきました。
1.サウナの魅力は「脳を完全にオフ」できること

── ご実家が「サウナのしきじ」ということで、笹野さんは幼い頃からサウナが身近にあったと思います。そんな笹野さんが感じる「サウナの魅力」ってなんでしょうか?
強制的に「脳をオフれる」ことですね。今って情報社会で、脳をオフれる時間はとても貴重だと思うんです。3〜4分だけでも脳を休息させてあげると、すごくリフレッシュできるんですよ。
── たしかに。自宅のお風呂もオフに向いていそうですが、あえてサウナに行く理由はなにかありますか?
わたしも忙しくてサウナに行けないって日は「おうちサウナ」をよくやりますよ!でも自宅のお風呂って、スマホや雑誌が持ち込めたり、TVが付いていたりするじゃないですか。それだと完全に脳をオフれないって。
サウナって、そもそも室内が熱いのでデジタル機器の持ち込みに適していないですし、じ〜っと座ってると次第に「熱いな」「もう少しで出ようかな」とか、簡単なことくらいしか思考できなくなるんですよ。それがすごくいいなって。強制的に脳への情報をストップできるから。
── ほかに「サウナ入っててよかったな〜!」と感じる場面などはありますか?
実はわたし、若い頃はぜんぜん「疲れ」を感じなかったんです。でも突然「これ以上は無理かも」と感じた日があって。やっぱりそこで助けてくれたのがサウナでした。サウナに入った日はぐ〜っとよく眠れて、今までにない「疲れの取れ方」を経験しましたね。
── サウナは、疲労回復効果も期待できますもんね!メンタル面の不調をサウナに助けられた経験もありますか?
ありますよ!「なんかイライラが続くな」と思うとき。でもサウナに入ると「この前より、やさしい気持ちになれてるかも」って感じます。特に女性は、ホルモンバランスや生理周期、PMSでイライラを感じやすい時期ってありますよね。
── そういえば、笹野さんがプロデュースした診療所に併設のプライベートサウナ「風 SAUNA」(宮城県延岡市)では、独自でPMSに関するアンケートを実施したんですよね。以前から「サウナとPMSって関係性がありそう」というのは感じていたんでしょうか?

腰痛やイライラなど悩みはあれど、わたしは比較的PMSの症状が軽い方なんです。でも、周囲にPMSで悩んでいる知人がとっても多くて。「感情をうまくコントロールできない…」「パートナーにきつく当たってしまった…」とか。
症状が軽いと思っているわたしでさえ「今日はしんどい」と感じることがあるんだから、悩みを抱えて生きている女性はもっと多いんじゃないかって思ったんです。わたし自身、サウナに入るとあきらかに体調が良くなると感じていたので「やっぱりサウナって、女性の悩みにもいいのかもしれない」と思って、診療所に協力してもらいました。