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JR青梅線の沿線全体をホテルに見立てた「沿線まるごとホテル」の施設Satologueに、レストランと薪サウナが5月16日オープン

by furosauna

沿線全体をホテルに見立てる地域活性化プロジェクト「沿線まるごとホテル」の中核となる施設 「Satologue」のレストラン及びサウナが、2024年5月16日(木)にオープンする。

「Satologue」はJR青梅線 鳩ノ巣駅・古里駅の間に位置し、地域の歴史・文化・自然や、そこに住まう人々の営みといった「里の物語」を、空間やサービス、アクティビティの中で感じられる施設。この地域が利用者にとって「ふるさと」のような存在になって欲しいという想いを込めて開業する。

今回、宿泊棟に先立ちオープンするのは、奥多摩の食材を使った沿線ガストロノミー(「ローカルガストロノミー」が、地域の風土、歴史、文化を料理で表現することであるのにもとづき、沿線地域の風土、歴史、文化を料理で表現する意味の造語)を提供するレストラン「時帰路(TOKIRO)」と、林業で栄えた奥多摩の地の記憶をつなげる薪サウナ「風木水(FUKISUI)」。これらは瀬戸内海に浮かぶ移動式ホテルguntû(ガンツウ)等を手掛ける堀部安嗣(ほりべ やすし)氏が設計を担当した。

堀部 安嗣 氏
「Satologue」建築設計担当 堀部安嗣 氏

1967年神奈川県横浜市生まれ。1990年筑波大学芸術専門学群環境デザインコース卒業。1991−1994年益子アトリエにて益子義弘に師事。1994年堀部安嗣建築設計事務所を設立。2002年第18回吉岡賞を「牛久のギャラリー」で受賞。2016年日本建築学会賞(作品)を「竹林寺納骨堂」で受賞。2021年2020毎日デザイン賞受賞。2007年−京都造形芸術大学大学院教授。2022年−放送大学教授。


レストラン「時帰路(TOKIRO)」


古民家を改修し、「奥多摩の”時”を語るレストラン」として開業する「時帰路(TOKIRO)」は、屋外と室内を極力隔てることのないよう庭側に大きな窓を設置し、眼前に広がる豊かな自然を眺めながら、奥多摩や青梅由来の食材を使った「沿線ガストロノミー」を楽しめる。


古民家での暮らしに想いを馳せ、奥多摩の借景を楽しむ

床座で暮らすことを前提とした日本の伝統的な家屋を生かし、目線の高さで借景を楽しむことができる設計。窓に沿ったカウンター席からは、目の前に広がる奥多摩の山々とビオトープ、その下を流れる多摩川の清流を臨む。

多摩川の流れに沿う形で、カウンター席の両隣には、椅子座のテーブル席と半個室を配置し、各空間から異なった奥多摩の自然の風景を切り取る。

室内は杉、桧、椹(さわら)、栗などの日本で昔から使用されてきた木材を用い、シンプルで落ち着いた空間を目指しているという。


沿線ガストロノミー

「時帰路(TOKIRO)」では、シェフが奥多摩の自然と地域に向き合い、土地のストーリーを料理に込めた「沿線ガストロノミー」を提供。フレンチベースの調理法で表現したメニューの品々は、多摩川上流域の豊かな水で育ったワサビや新鮮な川魚、地元で収穫した柚子など地域の食材をふんだんに使用している。今後は敷地内の畑でシェフが育てた新鮮な野菜やキノコなども使っていく予定だ。

また、鹿のハツ、産卵後やヒレが傷ついたヤマメ、小ぶりの治助芋(じすけいも)など、地域で売れずに捨てられてしまうような食材に新たな価値を吹き込み、自由で新しく、そしてどこか懐かしくなるような食の体験を提供される。

レストランで提供するドリンクは小澤酒造やVERTERE等、青梅・奥多摩ゆかりの酒蔵・醸造所で作られたお酒なども取り揃え、地域のおいしさを存分に楽しめる内容となっている。


サウナ「風木水(FUKISUI)」


コンクリートの倉庫を改修し、街中ではほとんど体験できない薪サウナとして生まれ変わった「風木水(FUKISUI)」は、奥多摩を肌身で感じ、風土とつながるサウナ。

林業で栄えた歴史を持つこの地の薪を使用した薪サウナ、川から引き込んだ水を利用した水風呂、緑につつまれた外気浴。この地にある素晴らしいサウナの要素「薪」「水」「空気」を全身で楽しめるこのサウナで、奥多摩の風土に浸り自然とつながる清々しいひとときを過ごすことができる。

この薪サウナで地場の木材を消費し、この地の林業の営みに参加するということも、「風木水(FUKISUI)」の存在意義の一つだという。


サウナ後は特製のサウナ飯をラウンジで

薪サウナでしっかりと汗を出し、水風呂と外気浴でリラックスした後は、レストラン1階のラウンジで庭のハーブなどを使ったオリジナルドリンクが楽しめる。また、地場の川魚などの新鮮食材を使用したハンバーガーもオプションで追加できる。

ラウンジには、奥多摩で活動する「おくたま文庫」が選書した「人の“ふるさと”」をテーマとした様々な書籍なども用意。森や木とのつながり、土地とのつながりに想いを馳せながら、ゆったりくつろぎのひとときを楽しめる。


ランドスケープと周囲の自然環境をめぐるフィールド散歩


「Satologue」の敷地内にあるランドスケープデザインは、土地の植生や歴史を踏まえた作庭を得意としている彌永秀一(やなが しゅういち)氏が担当。養魚場が営まれていた時に機能していた給水設備や生簀を再生し、川から引いた流水を利用。奥多摩のわさび農家の方などと協力し、手積みのワサビ田やビオトープ、畑なども造成している。

また、生態系調査のプロフェッショナルと共に、「Satologue」の敷地が奥多摩の動植物にとっても健やかな居場所となるよう、ユニークなフィールド作りを目指しているという。


自然環境を体感するフィールド散歩

午前中の食事の回を予約した利用者には、食事が始まる前の11:00から15分間、この地域に暮らすスタッフがフィールドを案内。敷地内に自生している草木や、たい肥から手作りし無農薬で育てている野菜畑、清らかな水が流れるワサビ田や地域の生態系を大切にしたビオトープなど、奥多摩の自然にふれられる体験を提供する。


地域へ移住し「Satologue」で働くスタッフ


奥多摩の記憶をつないでいく語り部として、「Satologue」で働くのは、都内から移住してきた若い4人のスタッフ。

レストラン「時帰路」のシェフ、駒ヶ嶺侑太氏と髙波和基氏は、もともと調理師専門学校時代の友人同士だったが、このプロジェクトに参画するために青梅市に移住。地域住民から郷土料理を学んだり、畑で作物を育てたりしながら、二人が経験を積んできたフレンチの調理法をベースに食文化の継承に挑戦している。また、地域で捨てられてしまう食材を生かし、美味しい料理に変えていくことで、料理人としての役割も見出しているという。

レストランやサウナでサービスを担当するのは、秋山拓実氏と末水ゆかり氏。奥多摩に移住し、かねてから興味を持ち活動していた地域活性化の取り組みや、一流ホテルで培った接遇などを生かし、利用者にホスピタリティ溢れる心地よい空間と、心に残るサービスを提供する。


施設概要


「Satologue」レストラン/サウナ
東京都西多摩郡奥多摩町棚澤 1

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