サウナ映像界に新風を巻き起こすYouTubeチャンネル「ととのいたい2人のミッドナイトサウナ」は、サウナをブームではなく文化へと昇華できるか!?

by furosauna

ゆるい企画からカタい企画まで、オールレンジ型の映像企画


――それにしても、「ととのいたい2人のミッドナイトサウナ」というタイトル、けっこうインパクトのある変わった名称ですよね。

梅田 名称自体は先輩のコピーライターと一緒に考えたものなのですが、サウナーの願望をストレートに表現すると「ととのいたい」ということにつきるんじゃないかと。それと同時に僕自身が昔からラジオが好きで、ラジオっぽい名称にしたいというのがありました。活動を始めた当初はラジオっぽさをかなり意識して始めたので。「ミッドナイトサウナ」ってなんとなくラジオっぽくないですか?

――たしかに言われてみるとかなりラジオっぽいですね。現在の映像作品の拝見すると、ラジオっぽさのあるものと映像の美しさを見せるものがあるように思います。それは何か狙いがあるのでしょうか?

梅田 僕自身はラジオっぽいのが好きなんですよ。ラジオのゆるい感じって、身構えなくていいじゃないですか。深夜っぽいテンションというか。そういったリラックスした気持ちで見てもらいたくて、このメンバーでの企画会議にもラジオ感が溢れているものを色々出してます。でもことごとく却下されますね(笑)

カズ ことごとくではないですよ(笑)。でも僕がラジオ世代じゃなくて、ちょっと分からない部分が多いというか…。

――でもラジオっぽい雰囲気は埋め込まれているような気がしました。お二人のトークなどは、結構ゆるい感じでやられていて気負わず見られるというか。

梅田 それは狙い通りです。企画で落とされてもめげずにラジオっぽさは出してます(笑)

――私もラジオ世代ですので、そこはめげずに頑張っていただきたいですね(笑)。ちなみにこのチャンネルの中でのみなさんの役割はなんでしょう?

梅田 僕は言い出しっぺなので、出演もしますし、企画も撮影も編集もなんでもやってます。クリエイティブ面は専門領域なので、そこはこだわってやっていますね。もう一人、今日同席している福ちゃんは企画も出して、撮影、編集も一緒にやってくれています。

カズ 僕は基本的には出演者としての役割です。あとは色々と意見も出させてもらったりしてますね。先日も「サ飯(サウナ飯)」の企画で番組を一本作ったのですが、ちょっとそれには色々と意見を出しましたね。

梅田 あーあの爆死した回ね(笑)。けっこうハッキリと「僕が思ってるサ飯と違う」ってダメ出しされましたね。

カズ 梅田さんがチャーハンを作ったんですけど、ガチでこだわりのチャーハンを作るんですよ。ゴリゴリに素材やらタイミングやらにこだわって。完全にプロの料理人みたいなクオリティのものを作りだしちゃったんで、美味しいんですけど何か違くない?って。料理番組みたいになっちゃったんで。

――さすがにサウナ飯をゆるく紹介する企画にしてはガチすぎるだろうと。それは逆におもしろそうではありますけどね。ちなみに、そんなご意見番のカズさんはこのチャンネルでやりたいことはありますか?

カズ 今もやり始めてるのですが、「サウナのミライ」というサウナを作り上げた方へフォーカスしてインタビューしていく企画には力を入れてきたいと思っています。けっこうゴリゴリのビジネスの話になるときもあるんですけど、知らなかった話もたくさん聞けるので、結構そういうのが好きなんですよね。そういったインタビューやドキュメンタリーみたいなものをやりたいというのも、このチャンネルに参加したきっかけの一つです。

梅田 これまで撮ったインタビューなんかは、結構難しい話も多くて大変でしたけどね。編集中も時々カズさんの顔が「?」みたいになるんですけど、その顔を見るのも僕たちだけの楽しみの一つですね(笑)

「サウナのミライ」#02 TARU SAUNA LABO

準備に次ぐ準備。綿密に設計された映像美


――これから色々なサウナ施設さんや企業さんとコラボされるのが楽しみですね。そんな中、この「ととのいたい2人のミッドナイトサウナ」が持っている強みとは?

梅田 やはり映像のクオリティには自信がありますね。映像のビジュアル面でもそうですし、企画面に関しても3人という小規模でここまでのクオリティが出せることはそうそうないかと自負しています。色んな角度から、あらゆる手法でそのサウナ施設の魅力を映像で最大化できると思ってますね。そのために自腹でカメラ機材を買いまくっているので。家では怒られてますけど(笑)。

僕自身がけっこう「機材マニア」的なところがあって、先日はついにドローンも導入してしまいましたね。これで陸・海・空のどこでも撮影できます(笑)。多分こんなサウナチャンネルってなかなかないと思うんですよ。ちょっとしたショートムービーとかは作ってらっしゃるチャンネルもあるかもしれませんが、ここまではやらないですよね。かなり狂ってますよね(笑)

――しかしそれがチャンネルコンテンツの一つである「シネマティックサウナ」のような、かなり映像美にこだわった作品を作り出しているわけですよね。正直、この「シネマティックサウナ」を初めて見たときは衝撃でした。これは施設側が自前で用意するプロモーション映像を遥かに超えている、と思いました。

梅田 ありがとうございます。「シネマティックサウナ」に関しては、僕たちもかなり準備をして、こだわって作っています。事前に脚本を全部書いて、カット割りも全てあらかじめ作ってメンバーに共有してるんですよ。出演するカズさんがどういう感情になって、どういうところをフォーカスして、どんなふうに体を動かすかまで全部書いてあります。逆に言うと、そこまでやらないとあのクオリティは出せないと思っていますね。

――そこまで綿密に計算されつくしているわけですね。それはすごい。

梅田 ただ、ちょっとはアドリブやリアルな部分も残しています。脚本は書きますが、それって基本的な演出なんですよね。大事なのはお客さんが施設に行ったときのリアルな行動とシンクロすることによる共感性だと思うんですよ。映像を見たときに「あー分かるー」といった感情を引き出す部分や、「このサウナに入ってみたい!」と思えるような部分は絶対に入れたいんです。なので脚本による演出だけではなく、余白の部分も大事に映像化するように心がけています。

カズ そのこだわりによって、出演する僕はけっこう過酷ですけどね。時には何テイクも撮り直すので、高温のサウナに長い時間入ったり、水風呂ばっかり何回も入ったりということがありますね。とあるサウナ施設では4時間くらい撮ってたこともありましたし、もはや僕の過酷さを見せるドキュメンタリーが撮れるくらいですよ。ときどき水風呂の横でゼーゼーになっているような状況が映像内で見れると思うのですが、あれはそういった色々なことを何テイクも重ねて極限状態で表現した「ガチ」映像です(笑)

梅田 そんなとき、僕と福ちゃんはニコニコと見守ってますけどね(笑)。そんな状況のカズさんにも「もう1回水風呂いってみよー!」とか普通に言っちゃいますし(笑)。でも彼はストイックだから何の文句も言わず入っちゃう。すごいですよね。

カズ 僕は演者に徹すると決めたんで、「もう1回」と言われたら「もう1回」なんですよ。だからやるしかない。

――楽しそうにやりながらも過酷な現場ですね…。そのカズさんのモチベーションって、どうやって保っているんですか?

カズ 僕、混んでるサウナがあまり得意ではないんですよ。サウナ室に入るために並んだりとかも、極力避けたいと言うか。なので、撮影のために貸切状態になるサウナは僕にとっては最高のサウナなんですよね。サウナ室を独り占めできる上に、オープンしたてのサウナにも何回も入れるなんて、実は嬉しいんですよ。ただ、ちょっと過酷なときもありますけど。

梅田 ちょっとなら大丈夫だね!これからもどんどん入ってもらいましょう!

――そんな喜びと過酷さが共存する現場での撮影ですが、みなさんのお気に入りの映像はありますか?

梅田 思い出深いのは「五色湯」さんですかね。この体制になってから1本目というのもありますが、五色湯さんの映像を撮るまでに結構いろんな映画やドラマなどを見て研究して臨んだ撮影だったんですよ。どう映すのがベストなのかをかなり研究して準備しましたね。そういった意味で印象に残っていますし、お気に入りでもあります。

カズ 僕はシネマティックサウナで撮った「ライオンサウナ新橋」さんは好きですね。音のテンポがとても心地いいんですよ。ちゃんと映像の最後に向けて盛り上がっていくというか。あと、ライオンサウナの映像からナレーションを入れるようになったんですけど、そういった転換期の映像なので印象に残っています。ちなみにそこの撮影も過酷でした(笑)

4Kシネマティック・サウナ「五色湯」
4Kシネマティック・サウナ「ライオンサウナ新橋」

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