「松の湯」は北陸地方屈指の観光街「金沢」駅より車で約15分、江戸時代の風情が色濃く残る長町武家屋敷跡地区と香林坊に挟まれたせせらぎ通りに面する銭湯。70年以上、地域市民に親しまれた老舗銭湯で、2020年に惜しまれつつ閉業したが、石川県公衆浴場組合と金沢市の協力を得て、石川県初となる廃業銭湯再建プロジェクト「松の湯」として2022年11月26日にグランドオープンした。
1985年に建設された建物を全面改修し、1階に銭湯、2階にカフェ&ワークラウンジ、3〜6階に店舗・事務所、中⻑期滞在用レジデンスを設け、地域市民以外の観光やビジネス目的での利用も想定した多目的型の一棟不動産として再生に取り組んだ。
石川県内の銭湯は1968年の294軒をピークに、家庭風呂の普及や大型のスーパー銭湯の増加、後継者不足等により、現在は37軒にまで減少。「松の湯」は、歴史的価値のある銭湯文化を継承し、地域に根ざした新たなコミュニティスペースとして生まれ変わった。地域住民と共存し、県内外から金沢を訪れた観光客も、金沢の文化・歴史に触れながら気軽に利用できる。
松の湯
石川県金沢市長町1丁目5-56