
苔むす岩壁と、霧が生む静けさ。箱根強羅「玄」がサウナ付き大浴場を刷新
箱根・強羅の高級温泉旅館「玄 箱根強羅」が、2026年4月から進めていた大浴場の全面改修を6月末に終え、7月から新しい湯浴み空間として稼働を始めた。
男女それぞれの大浴場にはサウナが完備され、温泉・サウナ・水風呂をひと続きの体験として楽しめる構成になっている。
木目調デッキと伊豆石が描く、静かな非日常
新しい大浴場は、温かみのあるウッドデッキと、品格のある伊豆石を配した淡い水色の浴槽が対比を成すデザインだ。
源泉は肌当たりの柔らかさが特徴で、大きな浴槽へかけ流しで注がれる。目の前には苔むした岩壁が広がり、その上部には箱根の落葉樹と開けた空が見える構成で、湯に浸かりながら自然の中にいるような感覚を味わえる。
さらに、時折立ち込める「間欠ミスト」が光と影の陰影を生み、湯浴みの時間に演出としての厚みを加えている点が今回の改修の核だ。

男女大浴場に完備されたサウナと、箱根の地下水を使う水風呂
今回のリニューアルで見逃せないのが、男女どちらの大浴場にもサウナが設けられていることだ。水風呂には井戸から汲み上げた箱根の天然水が使われており、温泉・サウナ・地下水の水風呂という三つの水源を一つの施設内で体験できる構成になっている。
強羅エリアは古くから温泉地として知られる一方、旅館のサウナは近年になって「温泉に付随する簡易的な設備」として後付けされるケースが多かった業界的な流れがある。
その中で、男女両方の大浴場に本格的なサウナ動線を組み込み、水風呂の水源にまでこだわった点は、高級旅館としては投資の踏み込み方が一段階違うと言える。数値で語れるスペックは目立たないが、この施設は「情景で語るサウナ体験」を選んだと解釈できるだろう。
派手な熱波イベントや高スペック競争とは違う方向性で、静けさと自然美を軸に据えた点に編集的な価値を見出したい。


「玄 箱根強羅」はどんなサウナーにお勧めか
熱源や温度で施設を選ぶタイプのサウナーよりも、五感を使った「ととのい」や一人・二人の静かな時間を大切にしたいソロ・カップル層に向いている一台だ。
客室露天風呂も備わっているため、大浴場と客室、二つの湯浴みを使い分けたい上級者にも相性がいい。逆に、賑やかな熱波イベントや数値競争を求める層にはやや静かすぎる可能性がある。






ジョー
数字で攻めてこないサウナ施設、実はいちばん信用できる。温度や畳数を語らずに「苔と霧」で押してくるあたり、静けさに自信があるということだろう。にぎやかな熱波が苦手な人、湯上がりに黙って空を見上げたい人には、たぶんちょうどいい。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | 玄 箱根強羅(げん はこねごうら) |
| 所在地(エリア) | 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300-238(箱根登山鉄道「強羅駅」周辺、箱根美術館・強羅公園近く) |
| 開業日/リニューアル日 | 2026年7月(改修工事:2026年4月〜6月末、7月より全面稼働) |
| 主な設備(ロウリュ/アウフグース/外気浴等) | サウナ(男女大浴場それぞれに完備)、水風呂(箱根の天然水・井戸水)、客室露天風呂、間欠ミスト演出 |
| 運営会社 | 有限会社シンクロス・リゾート(代表取締役:萩原丈太郎) |
| 公式URL | https://www.gen-hakone.com/ |