ホーム » 全ての記事 » 三重・湯の山温泉「素粋居」にサウナ付き客室、家具メーカー製の一室が誕生

三重・湯の山温泉「素粋居」にサウナ付き客室、家具メーカー製の一室が誕生

サウナに入るために、山から石を掘り出す宿がある

サウナに入るために、そもそも山から石を掘り出す。そんな話を聞くと、思わず耳を疑ってしまう。

三重県菰野町、湯の山温泉の麓にあるアクアイグニスの別邸「湯の山 素粋居(そすいきょ)」で、そんな規格外のサウナ体験が始まった。

木をテーマにした客室「木刻」と、石をテーマにした客室「石砬」の2棟に、プライベートサウナが新設されたのだ。

家具の老舗が手がけた、世界初のサウナ

主役となるのは、広島の家具メーカー・マルニ木工と、宮崎発のサウナブランド「ONE SAUNA」を運営するLibertyshipが共同開発したサウナ「kupu sauna」だ。

1928年創業のマルニ木工は「工芸の工業化」を掲げ、世界の建築家やデザイナーに愛される家具を送り出してきたメーカーである。その木工技術を、高温多湿という極限環境で試すのが今回の挑戦だった。

湯の山 素粋居

プロダクトデザイナー・熊野亘氏が造形を、ONE SAUNAが温熱設計を担当し、ハーフドーム型の曲面構造を実現。ロウリュで発生した蒸気がドーム内側の曲線を伝い、入浴者の背中へやわらかく降り注ぐ仕掛けになっている。

素材には奈良・吉野産の檜を採用し、地産地消と過度に熱くなりすぎない肌当たりの良さを両立させた。宿泊施設への導入は今回が世界初だという。

家具メーカーとサウナブランドの協業自体は近年珍しくないが、「家具品質の仕上げ精度」を宿泊用サウナにそのまま持ち込む例はまだ多くない。

湯の山 素粋居
湯の山 素粋居

業界的にも異例づくし、「湯の山 素粋居」の石の水風呂

もうひとつの見どころが、客室「石砬」に設置された水風呂だ。地元・菰野町で産出する菰野石の巨石を、約6トンの原石の状態から削り出し、最終的に約2トンに仕上げたという。

石材店「山口石材」の石工が自ら山に入り、石を選定するところから始まった一品もの。内側は滑らかに研磨し、底面には滑り止めの加工も施されている。

湯の山 素粋居

サウナ施設で天然石をくり抜いた水風呂を採用する例はあるが、通常はタイル張りや木製の浴槽が主流で、原石を大きく薄く削り出した水風呂は決して多くない。重量を抑えるためにぎりぎりまで薄く仕上げる工程は、石材加工としても手間のかかる部類に入る。

水は鈴鹿山脈から湧く地下水を使用し、100年以上かけて濾過された天然ミネラルを含む銘水だという。

木刻の客室には檜の水風呂が設置されており、同じ宿の中で「石」と「木」、ふたつの異なる水風呂体験を選べる構成になっている点も、サウナー目線では見逃せないポイントだ。

湯の山 素粋居

四日市水沢の茶葉が香る、ご当地ロウリュ

ロウリュに使われるのは、三重県四日市市水沢町で栽培された茶葉によるほうじ茶ロウリュ。香りの強い一番茶を贅沢に使い、ほうじ茶特有の香ばしさでリラックス効果を高める狙いがある。

地元産の水・木材・茶葉をそろえて構成する「ご当地素材のサウナ」は、近年の高級サウナ施設で目立ってきた作り方のひとつであり、素粋居のサウナもその流れに位置づけられる。

「湯の山 素粋居」はどんなサウナーにお勧めか

ドームの中で蒸気の当たり方を味わい、2トンの石風呂で水質と重厚感を確かめたい上級者・こだわり派に向いている一室だ。

個室貸切のため、人の目を気にせず自分のペースでサウナ→水風呂→外気浴を回したいソロサウナー、記念日利用の夫婦・カップルにも適している。

編集部
コマシ

正直、「石を山から掘り出してサウナの水風呂にする」という工程を聞いた時点でもう勝負あり、と思った。タイル張りの水風呂に慣れていると、天然石2トンの重量感と冷たさはたぶん別次元のはず。蒸気がドームの曲面を伝って背中に落ちてくる感覚を確かめたい上級者と、静かに一人で回したいソロサウナーには、特に刺さる一室だと思う。

湯の山 素粋居

所在地:〒510-1233 三重県三重郡菰野町菰野4842-1
部屋数:12棟(うちサウナ付きは「木刻」「石砬」の2棟)
駐車場:50台
アクセス:近鉄湯の山線「湯の山温泉駅」より徒歩5分、新名神高速道路「菰野IC(ETC専用)」より車で5分
問い合わせ:059-390-0068
公式サイト:https://sosuikyo.com/

合わせて読みたい

フロサウナは、いま注目のフロ、サウナ、スパなどの情報を求めさまよう「温浴開拓者」たちの「温浴メディア」です。