
登山電車でしか行けない薪サウナが、心臓部を刷新する。長野・菱野温泉TOJIBAのリニューアル
サウナの質は、熱源の質だ。
長野県小諸市・菱野温泉にある薪サウナ施設「Sauna Space TOJIBA」が、2026年6月25日にリニューアルオープンする。今回の刷新の核心は薪サウナストーブの全面入れ替えで、同じ長野県内・佐久市の工房「Dr.Craft」が手がける新型ストーブを導入する。アウトドアサウナとして積み上げてきた体験の「芯」を、より高い水準へ引き上げようという試みだ。
山の薪サウナに、なぜ今ストーブの刷新が必要だったのか
TOJIBAは登山電車でアクセスする菱野温泉の中にある。薪火の熱、冷温泉の水風呂、山の外気浴という三位一体の体験設計は、都市型サウナとは根本的に異なる。近年は全国にクオリティの高いサウナ施設が増え、サウナーの目が肥えた。「薪サウナだから」という理由だけでは差別化が成立しにくくなった時代に、TOJIBA運営の株式会社薬師館が選んだのは、施設の最も根幹にある薪ストーブそのものを見直すことだった。

既存ストーブは老朽化が進んでおり、温度管理の安定性に課題を抱えていた。サウナーの間で「いい薪サウナの条件」として語られるのは、単に熱いだけでなく、熱のムラがなく安定して蒸されることだ。高温時のロウリュも、それを支える安定した炉の温度があってこそ成立する。

Dr.Craftの薪ストーブが変える「熱の質」
新たに導入するのは佐久市の工房「Dr.Craft」が製作する薪ストーブだ。高稼働環境での高温腐食に強い素材(SUS304)を天板や燃焼室の負荷の高い部位に使用し、ストーン専用ボックスを本体に埋め込む構造によって、少ない薪でより効率よくストーンを温められる設計になっている。
全国のサウナ施設でフィンランド製やドイツ製のストーブが主流となる中、長野県内の工房が手がけるストーブをあえて選ぶというのは、地域性への意識でもある。菱野温泉の自然環境と、同じ信州に根ざすものづくりを組み合わせることで、TOJIBAの空間に一つの文脈が生まれる。単なる設備更新ではなく、施設のアイデンティティを補強する選択だ。

薪サウナ×冷温泉×外気浴の体験設計、そのまま継承
リニューアル後も、TOJIBAの基本構成は変わらない。薪火による熱、冷温泉の水風呂、そして山の空気の中での外気浴という三段構えは、むしろ新ストーブによってより精度が上がる。予約制・男女混浴・水着着用という形式も、初めてのサウナやカップル・グループ利用のハードルを下げる要素として機能し続ける。

また、リニューアルに合わせてサウナブランド「TOTONOW」とのコラボTシャツ(モスグリーン・ブラック)やサウナハットなどの新グッズも展開される。施設体験を日常につなぐグッズとして企画されており、TOJIBAを訪れたことの証をリアルな形で持ち帰れる。


「Sauna Space TOJIBA」はどんなサウナーにお勧めか
まず、薪サウナの「熱の変化」を知っているリピーターには特に訪れてほしい施設だ。ストーブが変わることで同じ場所がどう変わるかを体感できる機会は、そう多くない。
また、都市のサウナに通い慣れた層にとっては、アクセス自体が体験の一部という非日常感が強い魅力になる。山道、登山電車、温泉地という動線が整うのはTOJIBAならではで、「ととのうためだけに電車で山へ行く」という一日の使い方が成立する施設だ。屋外の自然環境と薪の熱を組み合わせた体験を求めるなら、アウトドア寄りのサウナーにも響く構成になっている。
なお、リニューアルオープンに先立ち、6月5日よりCAMPFIREでクラウドファンディングを実施中。プレオープン(6月20〜22日)への参加チケットや限定グッズが支援リターンとして用意されており、目標金額は80万円、募集期間は6月30日まで。


ジョー
薪サウナの肝は、正直ストーブよりも「薪の扱い手」だと思っていた。でも今回の話を読んで少し考えが変わった。ストーンを効率よく熱するための構造設計、腐食に強い素材の使い方——地元工房が高稼働環境の知見を詰め込んで作ったというストーブは、「道具としての誠実さ」がある。熱の質にこだわるサウナーほど、新しくなった薪の熱を一度確かめに行く価値がある。
Sauna Space TOJIBA
所在地: 長野県小諸市菱平762-2 雲上の停車場内
リニューアルオープン: 2026年6月25日
営業時間: 9:00〜21:00
定休日: 火曜・水曜
定員: 1〜6名
利用形態: 予約制・男女混浴・水着着用。パブリック・貸切利用可
公式サイト: https://tojiba-sauna.com/
CF: https://camp-fire.jp/projects/956304/ (〜6月30日)