
空き店舗率11.9%――サウナが地方都市の課題に挑む
静岡県の商店街では今、深刻な空洞化が進んでいる。県内の商店街における空き店舗率は11.9%。1商店街あたりの平均空き店舗数は4.12店にのぼる。にぎわいの再生は急務だ。
そんな課題に対し、サウナを起点とした異色の挑戦が始まった。一般社団法人 静岡サウナ協議会の主催のもと、2026年3月7日(土)・8日(日)の2日間、JR草薙駅周辺で「くさなぎサウナフェス」が初めて開催される。
駅の南北をサウナで繋ぐ!3施設・6つのサウナを巡る周遊型イベント「くさなぎサウナフェス」
本イベントの最大の特徴は、駅の南北にまたがる3拠点・6つのサウナを、参加者が水着着用で自由に巡る「バイキング形式」という点だ。施設単体のイベントではなく、「駅前全体を一つの会場」に見立てた設計が新しい。
さらに注目は、路線バスを改造した移動型サウナ「サバス3号車」が駅前広場に上陸すること。静岡の茶畑をイメージした段々座席を持つユニークなサウナだ。当日はお茶ロウリュも体験できる。
サウナ施設①「サバス3号車」(北口芝生広場)
路線バスを改造した移動型サウナ。スノコに静岡県産木材を使用。静鉄バスの車両を活用。


サウナ施設②「ととの場」(北口高架下)
2025年11月オープン。JR東海グループ初の駅直結サウナ。通常は完全予約制の3種ブース(Wood Brown / Stone Black / Plant White)をフェス当日は特別開放。



サウナ施設③「SAUNA煌-KOU-」(南口徒歩30秒)
わいわい楽しめる「太陽」と黙浴専用の「月」、2つの対照的なサウナを備える。施設内には老舗仕出し屋による食事処も。



くさなぎサウナフェス、熱波師イベントや「草薙サ飯MAP」も
イベントに華を添えるのが、静岡出身の人気熱波師「スター諸星」氏の登場だ。また、静岡を拠点に活動する「ド蒸しプロジェクト」のメンバーによる熱波イベントも実施される。
加えて、サウナ後の街歩きを後押しする「草薙サ飯MAP」も作成。施設内の食事処「こう月」をはじめ、地元の老舗パン屋やバルなど、サウナ後にぴったりの名店を紹介している。つまり、このイベントはサウナで終わらない。草薙の街全体を楽しむ設計だ。



発端は一軒のサウナ。創業45年の仕出し屋2代目の「恩返し」
このフェスの発端は、「SAUNA煌-KOU-」を運営する株式会社KOUの取り組みにある。同社は、地元静岡市で創業45年となる仕出し屋「こう月」をルーツに持つ。
2代目代表の小俣憲一氏は、草薙駅前で10年間空き店舗だった物件をサウナとして再生。2024年12月のオープン以来、1年で累計3万人が来場。現在は1日約100人が集う、世代を超えたコミュニティ拠点へと成長した。
「一施設に留めず、街全体で取り組みたい」。その呼びかけが、今回の「くさなぎサウナフェス」を動かした原動力だ。結果として、県内のサウナ事業者や関連企業約80団体が参画する静岡サウナ協議会が主催し、自治体・鉄道会社・近隣施設が一体となったプロジェクトへと発展。地方都市における駅前活性化の新たなモデルケース構築に挑む。
静岡県は近年、移住希望地ランキングで上位を維持している(認定NPO法人ふるさと回帰支援センター調べ)。その注目度の高さを生かし、サウナという入口から街の課題解決を図る試みは、全国的にも注目に値する。

くさなぎサウナフェス イベント概要
開催日:2026年3月7日(土)・8日(日)
時間:3部制(9:30〜12:00 / 12:30〜15:00 / 15:30〜18:00)
利用料:3,700円(税込)※水着着用必須、小学生未満不可
受付場所:SAUNA煌-KOU-(JR草薙駅南口すぐ)
チケット申込:https://peatix.com/event/4828864