
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の会場に登場した万博サウナ「太陽のつぼみ」が、2025年10月8日、ギネス世界記録™に認定された。認定されたのは「最も高い膜構造サウナ建築物(Tallest membrane-structure sauna building)」という記録で、同日、会場内で公式認定証授与式が開催された。
革新的な膜構造技術が生んだサウナ空間
「太陽のつぼみ」は、大型膜面構造物を手がける太陽工業株式会社が長年培ってきた膜構造技術を活かして設計・施工したサウナ施設だ。最大の特徴は、自然光を透過するETFEフィルムの膜材に覆われた独特の空間構造にある。
構造体も兼ねる最小限のアルミフレームとETFEフィルム(厚さ0.25mm、重さ440g)、そして空気だけで構成されたテトラ形状のユニットで成り立っている。このテトラ形状により、最小限の部材で最大限の空気量を包み込み、軽量ながら断熱性を備えた、膜ならではの柔らかなデザインを実現した。サウナ棟の高さは8.4mに達し、この高さが世界記録として認定された。
ETFEフィルムの優れた特性
採用されたETFEフィルムは、フッ素樹脂をフィルム状に圧延した高機能フッ素樹脂だ。軽量かつ高い耐久性と透過性を備え、ガラスに代わる新しい建築表現が可能な材料として注目されている。厚さ0.25mmにもかかわらず、耐久性は20年以上で、防炎性能も有している点が特筆される。
「地球共感覚」というコンセプト
太陽工業株式会社の能村祐己代表取締役社長は、「『太陽のつぼみ』は、ととのうためだけのサウナではない」とコメント。「地球共感覚」というコンセプトのもと、訪れる人々が自分とつながり、人とつながり、地球とつながる感覚を得られる場所を目指している。「サウナは人と人を繋げ、世界を平和にする力がある」という信念が、この施設には込められている。
閉幕後の移設も視野に
能村社長は、「『太陽のつぼみ』は、閉幕後の移設も視野に入れ、より多くの方々に体験していただけるよう検討している」と語った。万博終了後も、この革新的なサウナ施設が多くの人々に体験される可能性があることを示唆している。

公式認定証授与式の詳細
認定証授与式には、2025年日本国際博覧会協会の髙科淳副事務総長、小橋賢児催事プロデューサー、太陽工業の能村祐己代表取締役社長のほか、施設デザインを手がけたKOMPASの小室舞氏、サウナプロデュースを担当したTTNEの秋山大輔氏が出席した。ギネスワールドレコーズ公式認定員立ち会いのもと、正式に記録が認定された。
施設概要
| 事業名 | 大阪・関西万博 主催者催事 万博サウナ「太陽のつぼみ」 |
| URL | https://www.taiyo-tsubomi.jp |
ギネス世界記録認定概要
- 正式英語記録名:Tallest membrane-structure sauna building
- 正式日本語記録名:最も高い膜構造サウナ建築物
- 記録対象建築物:万博サウナ「太陽のつぼみ」
- 認定高さ:8.4m
- 認定日:2025年10月8日(水)
