
東京・御茶ノ水。学生街とビジネス街、そして楽器店や古書店がひしめくこの街に、サウナの新拠点「FIRST THE SAUNA お茶の水」が2026年6月27日に産声を上げる。
サウナブームが成熟期を迎え、単なる「高温」や「水風呂の冷たさ」だけでは語れなくなった今、この新施設が投じる一石は、サウナーにとって極めて示唆に富んでいる。,
サウナの熱効率を最大化する「湯通し」へのこだわり
本施設が最もユニークなのは、そのコンセプトだ。入り口のタペストリーに掲げられたのは「ととのいは、湯が導き、サウナで深め、水が結ぶ」という言葉。多くのサウナ特化型施設が「湯船」を削ぎ落としてきたトレンドに逆行するように、ここではサウナ前の温浴、いわゆる「湯通し」を推奨している。

施設側が用意したのは、不感湯からぬるま湯に設定された絶妙な温度の温風呂だ。サウナに入る前に身体の芯をあらかじめ温めておくことで、サウナ室に入った瞬間の熱の受け止め方が変わる。
これは単なるマナーとしての洗浄ではなく、発汗とリラックスをより深いレベルへと引き上げるための「儀式」としての提案である。効率的に汗をかきたい上級者から、急激な温度変化を避けたい初心者まで、全方位に納得感のある設計と言えるだろう。

鳥取県産レッドシリカが実現する、多湿で柔らかな熱気
サウナ室の心臓部には、フィンランド式ストーブに加えて、希少なサウナストーン「鳥取県産レッドシリカ」が鎮座している。サウナ業界ではお馴染みのケルケスストーンや香花石とは一線を画す、この石の採用こそが最大の注目点だ。
レッドシリカは高い保温性と遠赤外線効果を持つとされる。ここにオートロウリュが加わることで、肌に刺さるような熱さではなく、しっとりと重厚な熱気が室内を包み込む。
さらに、ロウリュには「静」と「動」の2つのモードが用意されている。一定間隔で静かに蒸気を育てる「静」に対し、「動」の時間は音楽と蒸気が一体化するミュージックロウリュへと変貌する。利用者が楽曲をリクエストできる遊び心も含め、御茶ノ水という文化的な街の個性をサウナ室に持ち込んでいる点は評価に値する。

既存の激戦区に「静寂と没入」という選択肢を
御茶ノ水・神田エリアといえば、サウナの多様性が極まった地域だ。その中で「FIRST THE SAUNA」が狙うのは、過度なエンタメに振り切らない「純度の高い空白」である。
水風呂は15度と、サウナーが最も安心する「黄金設定」。壁面に映し出される水面の波紋が視覚的な冷却効果をもたらし、3種類の異なるチェアを備えた休憩スペースが、ノイズを遮断した「ととのい」を完成させる。
周辺施設が「賑わい」や「体験」を売りにする中で、あえて「自分のためだけに使う場所」と定義した戦略は、多忙なビジネスパーソンや学生にとっての駆け込み寺となる予感がある。

「FIRST THE SAUNA お茶の水」はどんなサウナーにお勧めか
この施設は、以下のような層に特にお勧めしたい。
・ソロサウナー:静寂を重視した空間設計であり、自分自身の感覚に集中したい時に最適だ。
・「湯通し」派の愛好家:サウナ単体よりも、温浴を組み合わせたルーティンを愛する層には、この動線がたまらないはず。
・質感重視派:レッドシリカが生み出す独特の蒸気の質を試したい、好奇心旺盛なサウナー。
・初心者:男性専用(定期的なレディースデイあり)の落ち着いた環境で、手ぶらで立ち寄れる手軽さは入門編としても優秀だ。

ジョー
正直、サウナ単体施設が増えすぎて「湯船」が恋しくなっていた昨今、この「湯から導く」という原点回帰はかなり刺さる。15度の水風呂に波紋を投影するあたり、なんかいいよね。サクッと入りたい時よりも、1日のリセットとして「工程」を大事にしたい日に選びたい一軒だ。
FIRST THE SAUNA お茶の水
オープン日:2026年6月27日(金)
住所:東京都千代田区神田小川町3丁目20-10 NUP TERRACE お茶の水 3・4階
アクセス:神保町駅 徒歩4分、御茶ノ水駅 徒歩6分
営業時間:08:00〜22:00(最終入店21:30)
定休日:なし
主な設備:フィンランド式サウナ(レッドシリカ採用)、ミュージックロウリュ、水風呂(15度)、温風呂(不感湯)、休憩スペース(チェア3種)
備考:男性専用施設(レディースデイ開催予定)、手ぶら利用可(タオル・アメニティ完備)
URL:https://first-ochanomizu.com/sauna/