
全国的に公衆浴場・地域温浴施設の廃業が続くなか、30年以上の歴史を持つサウナ・温浴施設が香川県で再起動する。 東かがわ市の「翼山温泉」が名称を「つばさ山温泉」に改め、サウナや大浴場を含む施設全体をリニューアルして2026年4月27日(月)にリフレッシュオープンする。
地域の温浴文化が消えていく現実
厚生労働省の統計によれば、公衆浴場数はピーク時から半減以下となり、特に地方都市での廃業が加速している。燃料費の高騰、後継者問題、そして利用者の高齢化と減少——地域の温浴施設が直面する課題は一つではなく、構造的な問題として積み重なっている。東かがわ市の「翼山温泉」もまた、その波のなかにあった施設だ。
今回、香川県に拠点を置く株式会社創裕が指定管理者として選定され、令和7年12月の市議会決議を経て正式に運営を引き継いだ。同社はかつて10年間、この施設の管理運営を担っており、再び地域温浴の灯を守る立場に戻ってきた形だ。「また新しい業者が入ってリニューアル」という話ではなく、地域と施設の歴史を知る運営者が再生に挑む、という点がこの案件の背景として重要だ。

「つばさ山温泉」サウナ・大浴場はどう変わるのか
つばさ山温泉には高温サウナと大浴場が備わっており、浴室タイルを全面改修。清潔感と快適性の底上げを図りつつ、男性浴室にはリンスインシャンプー・ボディソープ、女性浴室にはシャンプー・リンス・ボディソープを新たに備え付けた。手ぶらで訪れてそのままサウナと湯に入れる環境が整う。
特筆すべきは入浴料だ。大人(12歳以上70歳未満)500円というワンコイン設定は、近年の都市型サウナが2,000〜3,000円台が当たり前になっているなかで、明らかに異なる価格軸を持つ。地域密着型の施設として「日常使いできる温浴」を価格面でも担保しようという意図が明確に読み取れる。
また、営業時間も22時まで延長(最終受付21:30)、定休日は毎週火曜から年中無休(メンテナンス臨時休業あり)へ変更された。深夜帯に近い時間まで営業することで、仕事帰りや観光の締めにサウナへ立ち寄れるルーティンが生まれやすくなる。


「サウナ+飯+休憩」の滞在設計
単なる入浴施設としての再開ではなく、館内での滞在時間をいかに豊かにするかが今回のリニューアルの軸になっている。和洋中60品以上の食事メニューを提供する食堂は、唐揚げ定食(1,100円)から子ども向けカレー(550円)まで幅広くカバーし、サウナ後の食事まで施設内で完結できる設計だ。
休憩スペースには約2,000冊のコミック、キッズコーナー、マッサージチェア、和室も整備され、無料Wi-Fiも完備する。サウナ→水風呂→外気浴→休憩→食事という一連の流れを、1,000円台の予算で完結させられる施設は地方ではなお貴重だ。
さらに立地も見逃せない。引田ICから車で2分という好アクセスに加え、周辺には「引田ベースキャンプ場」「田ノ浦海岸」「ザランタン東かがわ」などアウトドア施設が点在する。レジャー後の汗を流す場所として、観光客や県外サウナーの動線上にも乗る可能性がある。






どんなサウナーにお勧めか
日常使いしたいサウナーに特にフィットする施設だ。
都市型の高単価サウナに疲れて「もっと気軽に、毎日でも入れる場所」を求めているサウナーにとって、500円・年中無休・食事付きという組み合わせは的確に刺さる。
また、家族連れで訪れてそれぞれが過ごしやすい施設を探している層や、香川観光・アウトドアの前後に立ち寄りたいサウナーにもマッチする。
逆に、希少な熱源や尖った水風呂体験を求めるサウナ上級者には、地域密着型の普段着のサウナとして割り切って楽しむことをお勧めしたい。


コマシ
「500円でサウナ入って、飯食って、漫画読んで帰る」——これ、かなり正直に言って最高の余暇設計だよね。都市型サウナがどんどん洗練・高単価化していくなかで、こういう”生活のなかのサウナ”がちゃんと残っていることに、個人的には妙な安心感がある。
アウトドア帰りにサウナで汗を流して、からあげ定食食って帰る。これでいいのだ。
つばさ山温泉
- 住所: 香川県東かがわ市引田991-16
- 電話: 0879-33-2532
- オープン日: 2026年4月27日(月)
- 営業時間: 10:00〜22:00(最終受付21:30)
- 定休日: 年中無休(メンテナンス臨時休業あり)
- 入浴料: 大人500円 / シニア(70歳以上)300円 / 子ども(3〜12歳未満)300円 / 3歳未満無料 / 障がい者(手帳所持者)300円
- アクセス: 引田ICより車で2分
- 設備: 高温サウナ、大浴場、食堂(60品以上)、コミックコーナー、キッズコーナー、マッサージチェア、和室、無料Wi-Fi、売店
- 公式サイト: https://www.souyu.co.jp/shisetsu/tsubasayama