40歳にして初めて水風呂!そこから始まるサウナ狂騒曲
――まずは原点から。岡村さんがサウナにハマったきっかけは?
実は40歳になるまで、サウナにはちゃんと入ったことがなかったんです。風呂は大好きでスーパー銭湯には通ってましたけど、水風呂が怖くて避けてました。だから“サウナ好き”を名乗る資格なんてゼロでした。
でも、自分の別荘を民泊で貸していた時に「冬の集客にはサウナがいい」と聞いて、自分でサウナを作ろうとしたんです。そこでサウナ好きの知り合いに相談したら、「サウナ入ったことない人間が、サウナを作れるわけないだろ」と怒られて(笑)。そこから本気でいろんなサウナを巡り始めました。
最初に入った歌舞伎町の施設で、水風呂にドボンと飛び込んだ時の衝撃といったら…。めちゃくちゃ気持ちよくて、「なんだこれ!」って叫びたくなるくらい。サウナと水風呂の気持ちよさにすっかりハマってしまいました。あれが僕の“サウナ人生”の始まりです。

「命の危険しか考えられない」――アツアツ&キンキンの意味
――都内に4店舗を構えるオールドルーキーサウナですが、110度のサウナ室と8度の水風呂が名物ですね。この熱さと冷たさの極端さはどこから?
90度のサウナや17度くらいの水風呂って、気持ちよくはあるんですけど余裕があるんです。余裕があると人間ってつい考えちゃう。「明日の会議どうしよう」とか「冷蔵庫の牛乳まだあったっけ」とか。つまり雑念が残る。
でも110度のサウナに入ると、命の危険しか考えられない(笑)。「この扉触ったら火傷するんじゃないか」「階段踏み外したら死ぬな」…もうそういうことしか頭に浮かばない。水風呂も同じで、8度になると誰も30秒以上いられない。「冷たい!」「死ぬ!」しか考えられない。だから強制的に“無”になれるんです。
7〜8分サウナ、30秒水風呂、休憩。この1セットで完全に雑念が吹き飛ぶ。3セット繰り返したら「あれ?俺何に悩んでたんだっけ?」ってなります。悩みなんてサウナのセット数で解決できるんですよ。小さな悩みは2セット、大きな悩みは4セット。それで十分。オールドルーキーサウナから出て、それでも悩んでたらそれが本当の悩みなんですよ。

それに、最近サウナ文化がだいぶ根付いてきて、毎日サウナに入らないと落ち着かない人も増えてきましたよね。そうなると、90度のサウナや17度の水風呂じゃ物足りなくなるんですよ。だんだん「アツアツ・キンキンじゃないとととのわない」人が増えてくると思うんです。
だから、オールドルーキーサウナはちょっと時代を先取りしすぎたサウナなのかもしれない。
――なるほど!いまは未来のサウナを先に味わってる気分ですね。
そうそう。「まだ早い」って言われるくらいが、僕にとってはちょうどいいんです。今は「やりすぎじゃない?」って笑われるけど、5年後、10年後にはこれがスタンダードになっているんじゃないかなって。

通報ボタンに掃除会員?静寂を守るためなら手段を選ばない!
――オールドルーキーサウナは“静寂”も徹底してますよね。
オールドルーキーサウナではサウナ室もととのいスペースもお喋り禁止。静寂が守られていないと、雑念が戻ってきてしまうんです。だから通報ボタンを設置して、喋っている人を見つけたら即カメラで確認し、スピーカーで「お喋り禁止です」とリアルタイムで注意します。
普通の施設だと「さっき喋ってましたよ」とフロントで言われても次に注意できるのは次回。でもそれじゃ意味がないんですよ。だから僕らは即対応。これはもう譲れないポイントですね。

――私もよくオールドルーキーサウナを利用するのですが、喋る人をまず見たことがありません。いつ行っても静かで、スパルタンなサウナだな〜って。
文化になってるんです。あと「掃除会員制度」も独特ですよ。夜の部ではお客さんに30分掃除してもらって、その代わり無料入浴+1100円をお渡しする。サウナ代が浮くどころか、ちょっとしたお小遣いまで手に入る。サウナ好きにはたまらないですよ。
――これ、初めて聞いた時は「そんなバイトある!?」って笑っちゃいました!
そうでしょう(笑)。でも僕らにとっても短時間だけ清掃スタッフを雇うのは難しいので、むしろ理にかなってるんです。
