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第3回「湯道文化賞」受賞者発表!入浴を日本文化に昇華する取り組みが評価される

by furosauna

一般社団法人 湯道文化振興会は、日本の入浴文化を振興し、その価値を高めることを目的に創設された「湯道文化賞」の第3回受賞者を発表した。今回の授賞式は初めて一般公開され、2024年11月3日に長崎県雲仙市で開催される。入浴という行為を文化として昇華させるために重要な役割を果たした5組が表彰されることとなった。

湯道文化賞:入浴を「文化」へ昇華するために、特に輝かしい功績を遺した個人・団体。
湯道特別賞:入浴文化の発展・継続を支えてきた個人・団体。
湯道工芸賞:日本の伝統工芸分野において、入浴関連の道具や建物を制作するとともに、それらの国内外への魅力発信に寄与した個人・団体。
湯道創造賞:これまでにない発想や取り組みで、入浴に新たな価値を付加している個人・団体。
湯道貢献賞:「湯道」の精神理念に深く共感し、それを体現する個人・団体。

受賞者一覧

湯道文化賞:草津温泉(群馬県)

群馬県草津町の草津温泉が湯道文化賞を受賞した。草津温泉は日本一の自然湧出量を誇る温泉地であり、独自の湯もみ文化や「湯畑」などの施設を通じて、温泉の魅力を広く伝えている。特に2023年には新たな観光拠点として「温泉門」を完成させ、温泉街の利便性を高めると同時に、コロナウイルス対策にも貢献する取り組みが評価された。

湯畑
2023年に完成した「温泉門」

湯道特別賞:伸誠商事株式会社

野外入浴セットを提供する伸誠商事株式会社が湯道特別賞を受賞した。自衛隊の国内外派遣先での入浴支援を長年にわたり提供してきたこの企業は、2024年1月の能登半島沖地震においても野外入浴セットを提供し、被災地で多くの人々に癒しと安心をもたらした。この活動は、入浴がただの習慣を超えた重要な文化的役割を担っていることを再認識させるものである。

野外入浴セット2型
浴槽と洗い場

湯道工芸賞:永楽屋(京都府)

京都の老舗、永楽屋はその伝統的な手ぬぐい製作を通じて、入浴文化に深く貢献してきた。湯との結びつきが強い「手ぬぐい」は、日本の風呂文化を象徴する道具の一つである。2024年1月に行われた湯道展では、江⼾から令和まで6つの時代に渡り、永楽屋が各時代の最⾼技術を結集し制作してきた風呂にまつわる芸術性の⾼い手ぬぐいを披露。江戸から令和に至るまで各時代のデザインを反映し、入浴文化を現代に伝える重要な存在であり続けている。

手ぬぐい「湯MAKE皆HAPPY!」
細辻伊兵衛美術館の外観

湯道創造賞:柳澤幸彦氏

東京都で「妙法湯」を経営する柳澤幸彦氏は、こんぶ湯の発案者として湯道創造賞を受賞した。こんぶ湯は、環境への貢献やSDGs教育の一環として評価されており、湯を通じて地域や地球環境の未来を守る取り組みが高く評価された​。

柳澤幸彦 氏

湯道貢献賞:雲仙市(長崎県)

長崎県雲仙市は、地域に根付いた温泉文化の振興と保護に尽力している。「海の温泉」と「山の温泉」を融合させた町全体の取り組みが評価され、湯道貢献賞を受賞した。地域全体で湯と共に生きる生活を体現し、温泉文化を後世に伝える活動が評価されている。

雲仙地獄
おたっしゃん湯

湯道文化賞授賞式の詳細

第3回湯道文化賞の授賞式は、2024年11月3日に長崎県雲仙市の雲仙観光ホテルにて初の一般公開形式で開催される。参加者は無料で参加でき、授賞式後には「湯道未来会議」として、入浴文化をテーマにしたシンポジウムも行われる予定だ。今回のイベントは、湯道文化の重要性を再確認する機会となるだろう。

第3回「湯道文化賞」は、入浴を単なる生活習慣として捉えるのではなく、日本独自の文化として昇華させるための様々な取り組みを評価するものだ。今回の受賞者たちは、それぞれの分野で入浴文化の保存・発展に寄与しており、その功績が広く認知されることを期待している。

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