
森のなかでサウナに入り、そのまま水風呂へ、さらに360°のデッキで外気浴をする。
北軽井沢に、その一連の流れを建築ごと設計した滞在施設「NOT A HOTEL KITAKARUIZAWA MASU」が、2026年10月1日に開業した。設計はインテリアデザイナー・片山正通氏が率いるWonderwall®で、全4棟の基本構成に、浴室と、それに隣接するサウナが組み込まれている。
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浴室からサウナ、外気浴までを「ひと続き」に設計
注目したいのは、サウナを含む水まわりの扱い方だ。2階は4×4mの「マス」を8つ組み合わせた構成で、そのうち1マスをまるごと浴室に充てている。
浴室には北軽井沢の自然を望む天然温泉と水風呂があり、ガラス越しにサウナが隣り合う。サウナから水風呂、360°デッキでの外気浴へと迷わず移動できる動線が引かれており、ととのうまでの流れが途切れない。



なぜ特別か。サウナが「設備」ではなく「間取りの一単位」になっている
客室や別荘にプライベートサウナを備える宿は、近年各地で珍しくなくなった。その多くは、既存の空間にサウナ室を足す形で成り立っている。
MASUが違うのは、サウナ・水風呂・デッキが、建物全体のグリッドの中に最初から組み込まれている点だ。サウナ室の性能を競うのではなく、「入る、冷やす、風に当たる」という一連の行為を、建築の側から先回りして整えたといえる。
サウナ発祥の地フィンランドでは、森や湖のそばにサウナ小屋を構える文化が根づいている。森に開けたデッキまで含めて設計されたMASUは、その発想を現代の建築で組み立て直した例として読める。

数寄屋と丹下健三邸を下敷きにした、森との距離感
建築のコンセプトは「数寄に住む – As you like it. -」だ。丹下健三が1953年に成城へ建てた自邸を出発点に、日本の伝統建築とモダニズムの思想を再解釈している。


1階にはピロティがあり、ダイニングの窓を開けるとファイアーピットを備えたアウトドアリビングから森へとつながる。家具にはイサム・ノグチの「Akari」、ジョージ・ナカシマ、エーロ・サーリネンらの名作が並び、片山氏による造作家具と組み合わされる。
サウナの後に過ごす空間まで一貫して作り込まれていることも、この施設の特徴だ。エリア内には9月1日にオールデイダイニング「GRASS VALLEY」もオープンしており、滞在中の食の選択肢も広がった。



「NOT A HOTEL KITAKARUIZAWA MASU」はどんなサウナーにお勧めか
まず、サウナ後の外気浴に時間をかけたい中級者以上のサウナーだ。360°のデッキは、ととのい椅子の置き場所を自分で選ぶ楽しさにつながる。
次に、4〜6名のグループで滞在したい人。サウナ、食事、焚き火を一つの敷地内で完結させられる。そして、建築や家具に関心のあるサウナー。サウナ室そのものより、サウナを含む空間体験を重視する人に向く。
なお、同物件は完売のため、現在は不動産としての販売は行っていない。




ジョー
サウナ、水風呂、外気浴の移動距離が短い。この一点だけで、サウナー目線では「分かってる」と言いたくなる。森でぼーっとする時間を最優先したい、外気浴が長いタイプの人に特に刺さりそう。
NOT A HOTEL KITAKARUIZAWA MASU
所在地:群馬県吾妻郡嬬恋村大字大前字細原2286-181他(北軽井沢)
開業日:2026年10月1日
主な設備:浴室に隣接するサウナ、天然温泉、水風呂、360°デッキ(外気浴)、ファイアプレイス付きアウトドアリビング
収容人数:宿泊人数4〜6名(全4戸)
アクセス:JR北陸新幹線「軽井沢駅」から車で約35分
運営会社:NOT A HOTEL MANAGEMENT株式会社
公式URL:https://notahotel.com/shop/kitakaruizawa/masu