
山梨県笛吹市の石和健康ランドが、男性浴室の塩サウナを全面改装し、2026年8月1日に「イサケンSAUNA」としてリニューアルオープンした。 セルフロウリュを核に据えた本格仕様への切り替えで、館内のサウナ体験そのものを刷新する動きだ。
「イサケンSAUNA」で何が変わったのか
石和健康ランドは、20種類以上の大浴場や露天風呂、サウナを備える24時間営業の温浴宿泊施設で、1989年6月22日の開業以来、山梨県内で営業を続けてきた。
今回の改装で最も大きいのは、熱源をHARVIA製ストーブに切り替え、セルフロウリュを導入した点だ。HARVIAはフィンランド発祥の世界的サウナブランドで、本格的なロウリュ体験を求めるサウナー層から一定の信頼を集めているメーカーである。
国内の健康ランドやスーパー銭湯にはオートロウリュ式やミスト式のサウナ室も多いなか、あえてセルフロウリュを選んだことは、施設側が「熱と蒸気を自分でコントロールする楽しさ」を重視した証と言える。


テレビもBGMもない。「情報を消す」サウナ室設計
イサケンSAUNAのもう一つの特徴は、テレビやBGM、温度計といった情報表示をあえて設置しなかったことだ。一般的な健康ランドやスーパー銭湯のサウナ室では、テレビや館内放送、温度計が定番の設備として備わっていることが多い。
その常識に反し、視覚・聴覚に入る情報を極力削ぎ落とし、間接照明のみで空間を演出する設計を選んだ点は、スペックの数字だけでは伝わりにくい部分であり、編集部として注目したいポイントだ。情報を減らすことで、利用者は否応なく「熱・蒸気・静寂」という感覚そのものに向き合うことになる。
この振り切り方は単なる設備更新ではなく、「サウナ室で何を体験してほしいか」という施設側の明確な意思表示だと捉えられる。

信楽焼の一人用水風呂とガッシングシャワーで没入を持続
サウナ室を出た後の動線にも工夫がある。新設されたのは信楽焼製の一人用水風呂で、周囲を気にせず一人でクールダウンできる設計だ。
水風呂の前後にはガッシングシャワーも導入され、勢いのある水流で汗を流してから水風呂に向かう、あるいは水風呂後に爽快感を仕上げるという流れが整えられている。サウナ室で生まれた集中状態を水風呂・休憩まで途切れさせない設計思想は、複数の大浴場を抱える大型施設としては珍しい部類に入る。


姉妹施設「シンケンSAUNA」の流れを引き継ぐリニューアル
石和健康ランドを運営する株式会社クア・アンド・ホテルは、長野県塩尻市の信州健康ランドで「シンケンSAUNA」を展開しており、これが好評を得てきた。今回のイサケンSAUNAは、そのコンセプトを山梨側の施設にも展開した形になる。
同社は1979年の設立以降、石和健康ランド(1989年開業)を皮切りに、信州健康ランド(1995年)、駿河健康ランド(2002年)と施設を増やしてきた。1施設のリニューアルにとどまらず、グループ全体で「サウナ本来の心地よさ」を軸にしたブランド化を進めている段階と見てよいだろう。

「石和健康ランド」はどんなサウナーにおすすめか
イサケンSAUNAが向いているのは、大人数のサウナ室で会話や館内放送に気を取られず、一人で「ととのう」感覚に集中したい人だ。本格的なセルフロウリュを試したいものの、専門店ほど気合を入れずに気軽に体験したい初〜中級者にも合う。
逆に、大画面でスポーツ観戦をしながら汗を流したいタイプや、賑やかな会話を楽しみたいグループ利用には、静寂重視の設計はやや不向きかもしれない。24時間営業の施設内にあるため、深夜や早朝に静かな時間を狙って訪れるという選択肢が取りやすい点も、地味だが実用的な強みだ。


ジョー
サウナ室に温度計すらない。でも考えてみれば、あの数字を確認する一瞬こそ、意識が“今この瞬間”から逸れる原因だったりする。HARVIAのストーブで自分のペースにロウリュを焚いて、信楽焼の水風呂に一人で沈む。 それだけで十分だと言われている気がした空間だ。館内テレビの音でサウナの余韻をかき消された経験がある人には、たぶん刺さる。
石和健康ランド(イサケンSAUNA)
所在地(エリア):山梨県笛吹市
開業日/リニューアル日:1989年6月22日開業/2026年8月1日リニューアル
営業時間:24時間営業
サウナ室数・熱源種類:HARVIA製ストーブ(フィンランド式セルフロウリュ)
水風呂数・温度:信楽焼製 一人用水風呂(1基)
主な設備(ロウリュ/アウフグース/外気浴等):セルフロウリュ/間接照明/ガッシングシャワー
運営会社:株式会社クア・アンド・ホテル
公式URL:https://www.kur-hotel.co.jp/isawa/