
サウナブームが成熟期を迎えるなか、施設に求められる価値は「熱さの追求」から「過ごし方の多様性」へとシフトしつつある。
神奈川県南足柄市、標高250mの深い森に抱かれた日帰り温泉「モダン湯治 おんりーゆー」が、2026年6月18日、女性露天風呂エリアに待望のバレルサウナをオープンさせる。鳥のさえずりと川のせせらぎ、そしてアロマの蒸気に包まれるこの場所は、単なる温浴施設を超えた「森のリトリート」としての顔をのぞかせている。
「修行」から「解放」へ。森と一体化するバレルサウナの魅力
今回新設されるのは、木の温もりが肌に優しい樽型の「バレルサウナ」だ。丸みを帯びたその形状は、熱気が効率よく室内を循環し、身体を柔らかく包み込むという特徴を持つ。室温は約90℃に設定され、サウナストーンにアロマ水をかけるセルフロウリュを楽しむことができる。
特筆すべきは、サウナ室の窓から広がる南足柄の圧倒的な緑だ。都市部のサウナによくある「自分自身と向き合うための閉鎖空間」とは正反対の、あえて外部の自然を積極的に取り込む設計になっている。木漏れ日が差し込む室内で、蒸気とともに森の香りを吸い込む。 それは追い込まれるような熱さではなく、自然の一部に溶け込んでいくような感覚に近い。

あえての38℃。水風呂に頼らない「ぬる湯」での外気浴という解釈
一般的なサウナの作法といえば、サウナ室の後に冷たい水風呂で血管を収縮させる「温冷交代浴」が定石だ。しかし、おんりーゆーが提示する解釈は一味違う。
サウナで芯まで温まった身体を、あえて38℃という絶妙な温度の「ぬる湯」に委ねることを推奨している。この「ぬる湯」こそ、pH9.5という美肌の湯を誇る同館のアイデンティティでもある。

水風呂による急激なリセットではなく、体温に近いお湯に浸かりながらゆっくりと副交感神経を優位にしていく。これは、昨今のサウナ業界で注目されている「不感温度」での休憩に近い考え方だが、露天風呂という開放的な環境で行うことで、森林浴と外気浴を同時に享受できるメリットがある。
強烈な「あまみ」や「ととのい」を狙うのではなく、じわじわと身体がほどけていくような、現代湯治らしいアプローチだと言える。


女性サウナー待望の導入。男性先行から半年を経ての「完成」
近年のサウナブームにおいて、女性専用エリアのサウナ拡充は大きなテーマとなっている。
おんりーゆーでは、2024年12月に男性露天風呂へサウナを先行導入していたが、その反響の大きさから、今回の女性エリアへの導入が決定した。
これまでの「女性は温泉が主役」という旧来のバランスを崩し、サウナをリラックスの核に据えたことで、施設の魅力はより多層的になった。同施設は神奈川県の「未病改善」モデル施設にも選ばれており、サウナを通じた健康増進と心身のケアという文脈がより強固なものになっている。

「モダン湯治 おんりーゆー」のバレルサウナを体験すべき人は誰か
この施設は、以下のようなサウナーに特にお勧めしたい。第一に「都市部の過激なスペック競争に疲れたサウナー」だ。
100℃超えのサウナやシングル(10℃未満)の水風呂を求める層ではなく、環境そのものに癒やされたいと願う層にこそ、この静かな環境は刺さるはずだ。
第二に「サウナ初心者の女性」である。セルフロウリュで自分好みの湿度に調整でき、冷たすぎる水風呂が苦手でも38℃のぬる湯という逃げ道がある。ハードな刺激よりも、心地よい体験を入り口にしたい人には最適の環境だ。
ソロで訪れ、ただ静かに森を眺めながら数セットを重ねる。そんな自分を甘やかすためのサウナとして、南足柄の森は格好の舞台となるだろう。

ジュリ
正直、「サウナ=水風呂」という固定観念を一度捨ててほしい。標高250mの緑を眺めながら、38℃のぬる湯にプカプカ浮かぶ開放感は、冷たい刺激では得られない「溶けていく」感覚がある。サウナ後のバチバチの覚醒よりも、静かな癒やしを求めるソロサウナーに全力で推したい一軒です。
モダン湯治 おんりーゆー
新設内容:女性露天風呂エリア「バレルサウナ」
オープン日:2026年6月18日(木)
所在地:神奈川県南足柄市広町1520-1
営業時間:10:00〜20:00
料金:2,420円(土日祝日・特定期間は+110円)
アクセス:東名高速「大井松田IC」より車で約20分、伊豆箱根鉄道大雄山線「大雄山駅」より送迎あり
URL:https://www.ashigara-only-you.com/