
北欧サウナリゾートへ転身。福井の老舗温浴施設「かいほつの湯」が2026年夏に目指す場所
サウナが、地方温浴施設の再生の軸になろうとしている。
福井市で30年にわたり地域住民に親しまれてきた「コミュニティリゾートリライム」が、2026年8月を目標に「ONSEN&SAUNA RESORT かいほつの湯」としてリブランドオープンを果たす。施設名に「SAUNA」を冠したことが示すように、今回のリニューアルはたんなる内装刷新ではない。施設のアイデンティティそのものを問い直す転換だ。
30年の歴史を持つ施設が、なぜ今「サウナリゾート」に向かうのか
同施設は1996年の開業以来、福井市の温泉複合型健康増進施設として地域の日常を支えてきた。2025年11月に越のゆグループ傘下の株式会社ユー企画へ事業承継されたことを機に、大規模リニューアル工事に踏み切る運びとなった。
越のゆグループはすでに富山市に「SaunaTalo Toyama」、滋賀県大津市に「おふろcaféびわこ座」を展開するなど、単なる銭湯運営にとどまらない体験型温浴施設のポートフォリオを持つ。今回のリブランドは、そのグループ戦略の延長線上にある。地方の古い温浴施設をただ維持するのではなく、サウナを主軸とした新しい滞在価値を付加することで、施設の価値を再定義しようという意図が読み取れる。
近年、地方のスーパー銭湯やレジャー温泉施設がサウナを核にリブランドする動きは全国的に広がっている。単価が上げられる、滞在時間が伸びる、若年サウナーを呼び込めるという経営的メリットに加え、施設側がサウナを「差別化の旗印」として掲げることで地域外からの集客も見込めるからだ。かいほつの湯の転換は、そうした地方温浴施設の生き残り戦略のリアルな一例として注目できる。

高濃度炭酸泉の導入と、3フロア再編成の意味
リニューアルの内容のうち、浴場面での目玉は高濃度炭酸泉の新設だ。
炭酸泉は血行促進効果が高いとされ、「医師が勧める温泉」として定着して久しいが、それ以上に重要なのはサウナとの相性だ。サウナ→水風呂→外気浴というセット浴の流れの中に炭酸泉を組み込むことで、体感の変化に幅が出る。発汗後の体に炭酸の細かな気泡が触れる感覚は、単純泉や塩化物泉とは異なる回復感をもたらす。施設側がこれをあえて導入する点に、サウナ利用者の体験設計への意識が見える。
建物の構成も3フロアにわたって手が入る。2階のレストランは「越前旬味 かいほつダイニング」として地元福井の旬食材を前面に出したメニューへ刷新。3階には「Cafe&Bar ゆるり」を新設し、サウナ後のディープリラックスを食と飲で補完する動線を設ける。フィンランドのサウナ文化においても「ととのい」の後の食事や飲酒は不可分の体験とされており、この三層構造は北欧リゾートのコンセプトに沿った設計といえる。

どんなサウナーにお勧めか
現時点でサウナ設備の詳細スペック(室数・温度・ロウリュの有無など)は公式から発表されていない。「SAUNA」を施設名に入れながらも、詳細は順次公開としているため、施設のサウナ水準はリリース後に改めて判断が必要だ。
その上で現段階で想定できる来訪者像を挙げると、まず家族連れや幅広い世代での利用を想定したサウナ入門層に向いている。キッズエリアの新設、90分料金とフリータイム料金の二本立てという料金設計は、ひとりのサウナーだけでなく、家族の誰かがサウナ好きというパターンの来訪をしっかり受け止めようとしている。
また、食と温浴を一体で楽しみたいグルメ目線のサウナーにも刺さりやすい。越前食材を使ったダイニングとカフェバーが揃う構成は、純粋なサウナ施設よりも滞在時間が長くなる設計だ。

何を隠そう、私の地元である。地元も地元、実家から徒歩圏内である。リブランド前の「リライム」では大変お世話になりました。学生時代はリライムの麻雀ルームで麻雀やって風呂入ってまた麻雀するという、贅を尽くした時間の使い方をしてたなぁ。「かいほつの湯」になったら、あの麻雀ルームは残るのかな?残らんやろな。
ONSEN&SAUNA RESORT かいほつの湯
所在地:福井県福井市開発5丁目1207
休館期間:2026年5月上旬〜8月上旬(予定)
リブランドオープン:2026年8月(予定)
主なリニューアル内容:高濃度炭酸泉の新設、1・3階リラックスエリア・キッズエリア新装、2階レストラン「越前旬味 かいほつダイニング」刷新、3階「Cafe&Bar ゆるり」新設、90分料金/フリータイム料金の2種料金体系導入予定
ティザーサイト:https://www.kaihotsunoyu.jp/