
日本サウナメディア協会は12月26日、サウナ業界の総合アワード「ととのう!にっぽんサウナ大賞2025」の受賞施設・受賞者を発表した。大賞には大阪府東大阪市の「なにわ健康ランド 湯~トピア」が選ばれた。
サウナ文化の成長を表彰する新時代のアワード「ととのう!にっぽんサウナ大賞2025」
「ととのう!にっぽんサウナ大賞2025」は、全国的に盛り上がりを見せるサウナ文化のさらなる成長と、サウナユーザーの拡大・発展を目的として2024年に創設された。つまり、今回は2回目の開催だ。
投票は日本サウナメディア協会に加盟するメディア・記者によって行われる。昨年は3部門でスタートしたが、今回は新たに3部門を追加し、全6部門での表彰となった。また、大賞の題字は元参議院議員の須藤元気氏が揮毫している。

にっぽんサウナ大賞は「なにけん」の進化が評価
にっぽんサウナ大賞:なにわ健康ランド 湯~トピア

大賞を受賞した「なにわ健康ランド 湯~トピア」は、創業から長きにわたり愛され続ける老舗施設だ。ところが、老舗であることにあぐらをかかない「飽くなき進化とホスピタリティ」が高く評価された。
サウナブーム以降も、ウィスキングの常設や女性エリアの爆発的な充実化を実現。さらに、畳スペースでの外気浴など、利用者の「あったらいいな」を次々と具現化している。男性エリア・女性エリア合わせて常時7種類ものサウナが存在し、その数は年を重ねるごとに増え続けている。
加えて、サウナファンのアイコンとなった「なにけんポーズ」を生み出すなど、業界を牽引する発信力は唯一無二だ。大阪ならではの個性あふれる熱波師や活気あるイベントは利用者満足度も高く、エンターテインメントと癒やしを完璧に両立させている。




千葉の体験型施設が新サウナ賞
新サウナ賞:SATOYAMA TERRACE

新サウナ賞には千葉県富津市の「SATOYAMA TERRACE」が選ばれた。2025年のトレンドである「原点回帰」と「体験型コンテンツ」を見事にアウトドアサウナへと落とし込んだ点が評価された。
日本の原風景である里山を借景にしたこのサウナは、単に汗を流すだけでなく、四季の移ろいを五感で味わう「体験型アウトドアサウナ」の完成形といえる。地元産の間伐材を使用した薪ストーブの柔らかい熱、そして飲用可能なほどの清冽な天然水掛け流しの冷水浴が自然との一体感を極限まで高めてくれる。
室内に木が生える斬新な作りの「山サウナ」と、富津の天然水が流れる「滝サウナ」。木と水、そして火の熱こそが、人間の活力の根源だと再認識させてくれる施設だ。




これぞ銭湯サウナの最高到達点
銭湯サウナ賞:松本湯

銭湯サウナ賞を受賞したのは東京都中野区の「松本湯」だ。リニューアルから数年を経てもなお、「銭湯サウナの最高到達点」として君臨し続けている。
混雑時でもストレスを感じさせない計算し尽くされた導線、深さと水質にこだわった水風呂、そして薄暗くジャズが流れる瞑想的なサウナ室。これらすべてが、銭湯という限られたスペースと料金設定の中で奇跡的なバランスで成立している。
また、特筆すべきは、清掃の徹底とスタッフのオペレーション能力の高さだ。常に清潔で、最高のコンディションが維持されているため、利用者の満足度が極めて高い水準で安定している。




人情と孤高を掛け合わせたプライベートサウナ
プライベートサウナ賞:サウナ×スナック「かなこ」

プライベートサウナ賞には「サウナ×スナック『かなこ』」が選出された。個室サウナが増加する中、「人情と孤高」を掛け合わせた唯一無二の業態が審査員たちの心を掴んだ。
本格的なフィンランド式個室サウナで己と向き合い、極上の孤独を味わった直後、さらに併設のスナックでママの手料理と会話に癒やされる。この「静と動」「個と集」のギャップこそが、現代人の抱える孤独感を最も優しく解消する処方箋となっている。
仲間と楽しむも良し、独りで楽しむも良し、誰にも邪魔されないプライベート空間の贅沢さと、昭和レトロなスナックの温かみ。一見ミスマッチな両者を、ママのキャラクターやスタッフが見事に繋ぎ合わせている。




ケンドーコバヤシ氏がサウナ人賞を受賞
サウナ人賞:ケンドーコバヤシ氏

サウナ人賞には、吉本興業のケンドーコバヤシ氏が選ばれた。長年にわたり、メディアを通じて「男の美学としてのサウナ」を発信し続けてきた功績が評価された。
昨今のブーム以前から、サウナを単なる健康法としてだけでなく、大人の嗜み、あるいは一人の時間を楽しむダンディズムとして体現してきた。同氏のビジネスホテルを探訪する番組では、決して押し付けがましくなく、自身のスタイルで淡々と、しかし情熱的にサウナや水風呂の良さを語り続けている。
その姿は、ブームに流されない「真のサウナ愛好家」の在り方を多くのファンに示してくれた。改めて同氏の飾らない姿勢が、サウナ本来の「自由で、気持ちいいだけで良い」という本質を再認識させた点が評価の決め手となった。
万博サウナが特別賞を獲得
特別賞:万博サウナ「太陽のつぼみ」

特別賞には、大阪・関西万博に合わせて出現した期間限定の「万博サウナ『太陽のつぼみ』」が選ばれた。「サウナの歴史の教科書」があるとするならば、2025年のページは間違いなくこのサウナだ。
木を一切使わず、熱に強い膜で構成されたサウナ室は、従来の常識を覆す革新性で多くのサウナーたちに衝撃を与えた。モノもヒトも消費ばかり増えていく現代社会において、工夫と応用で上質な空間を創造。ほっと一息ついて上を向いたその先に、サウナの新たな可能性を示してくれた。
また、パビリオンの建築美と一体化したサウナ室は、光の入り方も計算し尽くされており、まるで太陽の胎内にいるかのような神秘的な体験を提供した。世界中から訪れる人々に、日本独自の「ととのう」文化を強烈に発信し、サウナを国際的なコミュニケーションツールへと昇華させた功績に対して特別賞が授与された。




「ととのう!にっぽんサウナ大賞2025」受賞施設・受賞者一覧
| 部門 | 受賞施設・受賞者 | 所在地 |
|---|---|---|
| にっぽんサウナ大賞 | なにわ健康ランド 湯~トピア | 大阪府東大阪市 |
| 新サウナ賞 | SATOYAMA TERRACE | 千葉県富津市 |
| 銭湯サウナ賞 | 松本湯 | 東京都中野区 |
| プライベートサウナ賞 | サウナ×スナック『かなこ』 | 東京都品川区 |
| サウナ人賞 | ケンドーコバヤシ 氏 | 吉本興業 |
| 特別賞 | 万博サウナ『太陽のつぼみ』 | 大阪・関西万博 |
昨年(2024年)の受賞はコチラ:https://furosauna.com/2024/12/26/110021153/
日本サウナメディア協会について
日本サウナメディア協会は、サウナ文化の普及と発展を目的とし、サウナを専門的に扱う媒体・メディアによって2024年に設立された。
近年、サウナは「健康」や「癒し」の視点から多くの人々に支持され、生活の一部として浸透しつつある。当協会は、サウナ文化を社会的に広めるための橋渡し役を果たすことを目指している。
日本サウナメディア協会 理事会員(アルファベット順)
- Saunassa(https://saunassa.net/)
- SISU(https://kimoty.com/)
- SpaWorks(https://spaworks.jp/)
- フロサウナ(https://furosauna.com/)