
九州・佐賀県武雄市の御船山楽園で、サウナとアートを融合させた常設展「チームラボ 廃墟と遺跡:淋汗茶の湯」が開催中だ。本展は、”今行くべき全国のサウナ”ランキング「サウナシュラン」で殿堂入りした「御船山楽園ホテル らかんの湯」と、デジタルアート集団チームラボのコラボレーションによる、これまでにない体験型プログラムである。
300万年続く自然と遺跡に囲まれた環境で、サウナによって感覚を研ぎ澄まし、サウナ後のディープリラックスをより深める茶を飲み、森の中の廃墟のアート空間に没入する。サウナとアートという一見異なる要素が、ここでは見事に調和している。
サウナシュラン殿堂入りサウナ「らかんの湯」の実力
「御船山楽園ホテル らかんの湯」は、サウナシュラン2019〜21年の3年連続全国1位「サウナーオブザイヤー」を獲得し、2022年に殿堂(HALL OF FAME)入りを果たした実力派施設だ。
施設の最大の特徴は「薬草スチームサウナ」である。使用される薬草は地元の方々が近郊で採取し、佐賀県嬉野市の茶師・松尾俊一氏が調合したオリジナルブレンド。豊かな自然から採取した薬草の香りに包まれながら、スチームサウナを楽しめる。
また、「薬草スチームサウナ」に隣接する水風呂では、柔らかな水質の御船山の天然水を使用。男性用ドライサウナでは「御船山の天然水」と「サウナ専用に焙煎・抽出した佐賀県嬉野産ほうじ茶」を用意している。
女性用ドライサウナでは、サウナストーンの上にキューゲル(アロマ氷)を乗せ、1〜2分経つとキューゲルが溶け出し、サウナ室がアロマの香りに包まれる演出も。
男性用薬草スチームサウナは黒を基調としたシンプルな造り。薬草の蒸気と壁面から差し込む太陽光、夜は最小限のライティングで幻想的な空間を演出する。付属の水風呂は薬草の色を模した地下空間で、ガラスの壁面からは土の地層が見え、太陽光が差し込む。植物が育つのに必要な要素(光・水・土)を取り込んだ設計だ。
女性用薬草スチームサウナは既存施設を増設し、白を基調とした柔らかな空間に仕上げている。



廃墟と遺跡が織りなすアート空間
御船山は300万年前、有明海から隆起して生まれたと言われている。その森の中には、樹齢3000年の神木や、1300年前に名僧行基が入山し五百羅漢を安置した洞窟など、様々な遺跡が点在。近代に作られ、わずかに時代が変わったことで使われなくなった廃墟も残る。
チームラボの作品《廃墟の湯屋のメガリス》では、異なる時空の塊(メガリス)が廃墟の湯屋に群立。《廃墟の湯屋の連続する存在》では、廃墟の湯屋の空間で時間と共に変化し続ける存在が、人が触れると不安定になるが、それが新たな存在を生んでいく。
チームラボは本展において、サウナで”ととのい”、廃墟のアートに没入することで、歴史と自然の一部となり、長い時間と世界に再びつながることを目指している。

サウナ後の休息を深める茶の体験
御船山楽園ホテルのロビーには、チームラボの《呼応するランプの森とスパイラル》が広がるティーハウス「EN TEA HOUSE – 応灯楼」がある。
歴史的に茶は、座禅のように”鎮静”し、リラックスして瞑想に深く入っていくことに使われていた側面があり、その側面を最大限に高めた空間だ。サウナ後の休息の時、アート空間の中で茶を飲むことで、ディープリラックスをより深められる。

紅葉シーズンは12月7日まで
2025年11月6日から12月7日までの期間、御船山楽園では日本最大級の夜の紅葉ライトアップ「紅葉まつり」が同時開催される。
期間中、御船山楽園ホテルのロビーに展示されているランプの作品《呼応するランプの森とスパイラル:One Stroke – Autumn Mountain》も秋の景色に変化。12月8日からは冬の景色に変わる。



チケット情報
本展では、「らかんの湯」日帰り入浴とチームラボの廃墟のアート群をセットで体験できるチケットを販売中。また、入浴せずに作品だけ見ることができるチケットも用意されている。
チームラボ 廃墟と遺跡 淋汗茶の湯
| 会期 | 2020年11月10日〜常設 |
| 会場 | 御船山楽園 |
| 住所 | 佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100 |
| サウナ施設 | 御船山楽園ホテル らかんの湯 |
| 紅葉まつり | 期間2025年11月6日〜12月7日 |
| 公式サイト | https://teamlab.art/jp/e/mifuneyamarakuen-sauna/ |