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引退した富士急の電車がサウナになる、下吉田駅「サ電」12月開業

下吉田駅に、引退した電車がサウナ室として帰ってくる

富士急行が、引退した鉄道車両をサウナ施設に改装するという、国内では前例のない取り組みを発表した。施設名は「サ電(SADEN)」。富士急行線・下吉田駅の線路上に常設され、2026年12月の開業を予定している。運営は富士急グループでアウトドアリゾート事業を手がける株式会社ピカだ。

サウナ室として生まれ変わるのは、2024年12月に定期運用を終えた「1000系1001号編成」。もともとは京王電鉄から譲り受け、1994年から富士急行線の主力車両として走り続けた車両で、2012年には京王時代の塗装に復元されるなど、地元では思い入れのある編成だったという。その車両を、走行を終えた今度は「ととのう場所」として再稼働させる発想が、このプロジェクトの核心だ。

サウナが主役であることの意味

サ電最大の特徴は、駅構内という立地をそのまま体験に組み込んでいる点にある。サウナ室内では、現在も行き交う電車の音や振動を感じながら発汗することになり、運転席を活かした演出も施される予定だ。

屋内のととのいスペースはホームを意識した設計、屋外には富士山を望む外気浴スペースが用意される。つまりこの施設は「サウナに鉄道の意匠を添えた」のではなく、「鉄道という空間そのものをサウナ体験に転用した」という点で一線を画す。

サウナと乗り物を掛け合わせた施設自体は、移動式のサウナバスやトレーラーサウナなど国内にも複数の事例がある。しかしそれらの多くは「移動できること」に価値を置いた設計だ。サ電はその逆で、走ることをやめた車両を特定の場所に固定し、駅という日常のインフラの一部として再定義している点が独自性を持つ。

鉄道ファンとサウナファンという、これまで交差する機会の少なかった二つの文化圏を、同じ体験の中に接続しようとする試みとも言える。

サ電

富士急サウナリゾートの7施設目という位置づけ

サ電は、富士急グループが展開する「富士急サウナリゾート」の7施設目にあたる。同ブランドはこれまでホテルマウント富士やふじやま温泉など富士山エリアを中心に、相模湖・熱海・箱根と展開エリアを広げてきた。その文脈の中で、単なる新規出店ではなく「鉄道遺産の活用」という切り口を選んだことは、富士急という鉄道会社ならではの資産の使い方として、他のサウナ運営事業者には真似しづらい強みになりそうだ。

監修には日本最大級のサウナ検索サービス「サウナイキタイ」が関わっており、施設づくりの専門性という面でも一定の裏付けがある。

サ電

「サ電」はどんなサウナーにお勧めか

駅のホームの延長線上でととのうという特殊なロケーションは、静けさよりも「非日常の刺激」を求めるサウナーに向いている。電車の走行音や振動が気になる人には向かない可能性がある一方、鉄道好きのソロサウナーや、旅行のついでに変わり種施設を巡りたい層には強く刺さるはずだ。

富士山を望む外気浴スペースがあることから、景観重視派にも一定の満足感はありそうだ。

編集部
コマシ

最初に「電車がサウナになる」と聞いたとき、話題づくりのためのギミックだろうと思っていた。だが調べていくうちに、これは駅という”止まらない場所”に、あえて”止まった時間”を作る試みなのだと気づいた。あの独特の走行音が持つリズムは、実は”ととのい”の呼吸と相性が悪くない気がしている。鉄道好きで、かつサウナ室の内装に妙にこだわりたいタイプの人には、間違いなく刺さる一施設だ。

サ電(SADEN)

開業日:2026年12月(詳細日程は追って発表)
所在地:富士急行線 下吉田駅(山梨県富士吉田市新町二丁目8-12)
運営:株式会社ピカ(富士急グループ)
使用車両:富士急行1000系1001号編成(元・京王電鉄車両)
監修協力:サウナイキタイ
公式サイト:http://saden.jp/

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