
サウナ室がマンションの1階にある。それが当たり前になる日が、少し近づいた。
渋谷や高輪でサウナ施設「SAUNAS」をプロデュースしてきたTOYOKEが、今夏、東京・門前仲町に新ライン「SAUNAS LO」の第1号施設を開業する。東急不動産が展開する新築賃貸マンション「コンフォリア・リヴ門前仲町EAST」の1・2階に位置し、居住者は無料で使えるサウナとして、同時に公衆浴場として地域住民にも開放される構造をとる。
「サウナに行く」という行為を、この施設はやめようとしている
サウナブームが続くなかで、多くの施設が「目的地」として機能してきた。首都圏でも”わざわざ行く価値があるサウナ”として設計された施設が存在感を放ってきた。それ自体は豊かなことだが、一方で「移動」という摩擦が、サウナを非日常の体験として位置づけることにもなっていた。
門仲SAUNAS LOが提案するのは、その摩擦をゼロにすることだ。住まいとサウナを垂直統合し、「行くサウナ」ではなく「帰ったらサウナがある」という状態をつくる。仕事を終えて、階段を降りればサウナ室がある。それが日常になったとき、ととのいの質はどう変わるか。施設名のLOに込められた「LOCAL」と「LOOP」という言葉は、目的地ではなくルーティンとしてのサウナを象徴している。

男性3室・女性1室。”日常”に特化した機能設計
施設概要を見ると、男性エリアにサウナ室が3室、女性エリアに1室という構成だ。平日14時から24時、休日は8時から24時という営業時間は、朝サウナから深夜サウナまでカバーする幅をもちながら、あくまで生活リズムに沿った設定に見える。
渋谷SAUNASが複数の個性的なサウナ室と体験の多様性を競争力にしてきたのに対し、SAUNAS LOはスペックの多さより使用頻度の高さを軸に据えた設計思想をとると考えられる。マンション低層階という立地上、大規模な露天や外気浴スペースを備えた郊外型施設とは方向性が異なる。求められているのは非日常の高揚感よりも、毎日戻ってきたくなる安定した質感だろう。
サウナ大使でもある『マンガ サ道』原作者・タナカカツキ氏も今回のプロジェクトにコメントを寄せており、「住まいのすぐそばで心身をととのえるルーティンは、移動ストレスをゼロにし、健やかな循環を暮らしにもたらす」と述べている。日常のサウナというテーマへの共鳴が、ブームの牽引者からも示された形だ。

「住めるサウナ」という都市居住の新文脈
入居者への無料開放という仕組みは、単なる付帯設備としてのサウナとは異なる。1住戸あたり2名まで・回数無制限という条件は、サウナを住環境の一部として本気で組み込もうとする意思を示している。同時に公衆浴場として地域に開かれることで、門前仲町が長く持ってきた銭湯文化との接続も意識されている。
都内では近年、フィットネスや温浴を組み込んだ高付加価値マンションが増えているが、公衆浴場の認可を取得した上でサウナを外部にも開放する形は珍しい。住む人のためだけでなく、街のインフラとして機能させるという設計は、SAUNASブランドが渋谷での実績から積み上げてきた「サウナを社会的な場にする」という哲学の延長にある。
「門仲SAUNAS LO」どんなサウナーにお勧めか
「週2〜3回サウナに通いたいけど、移動時間がネック」と感じている都内在住のサウナ好きには、まず居住という選択肢として刺さる施設だ。
一方、門前仲町に住んでいない人にとっては、公衆浴場としての利用が可能な近隣住民向けの一択となる。派手な体験を求めるより、”コンディショニングのためのサウナ”を習慣にしたい人、静かに深く整いたい人に向いている施設だと言えそうだ。

門仲SAUNAS LO
所在地:東京都江東区富岡二丁目21番21 コンフォリア・リヴ門前仲町EAST 1F・2F
アクセス:東京メトロ東西線「門前仲町」徒歩7分、都営大江戸線「門前仲町」徒歩10分
サウナ室:男性3室・女性1室
営業時間:平日 14:00〜24:00、休日 8:00〜24:00(予定)
開業:2026年夏(予定)
公式サイト:https://lo.saunas-saunas.com/monnaka/