ホーム » 全ての記事 » ”脳まで休まる”と世界が絶賛!サウナ動画で映像祭受賞に輝いた「T2MS」の映像魔術が、もはやデジタル入浴の域だった

”脳まで休まる”と世界が絶賛!サウナ動画で映像祭受賞に輝いた「T2MS」の映像魔術が、もはやデジタル入浴の域だった

サウナを単なる「ブーム」から「世界に誇る文化」へと昇華させるクリエイター集団「ととのいたい2人のミッドナイトサウナ(T2MS)」。彼らが放った一石が、国際的な映像祭の舞台で巨大な波紋を呼んだ。

2026年3月、滋賀県甲賀市。「忍者の里」として知られ、山々に囲まれた静謐なこの地で開催された「第8回日本国際観光映像祭(JWTFF)」にて、ある「事件」が起きた!世界中から選び抜かれた自治体のPR動画や豪華客船のシネマティックな映像がひしめき合う中、観客の圧倒的支持を象徴する「観客賞」を射止めたのは、T2MSが制作したサウナ映像『JIKON SAUNA -TOKYO- | 4K Cinematic SAUNA -english-』だったのだ!

今回は、T2MS代表であり今作の監督・梅田氏と、論理的な分析でチームを支える主演のカズ氏に、世界を震撼させた「シネマティックサウナ」の舞台裏を徹底取材。映像に込めた想いを語っていただきました!

登場人物

梅田氏(トトノイスキー梅田)/写真右: T2MS代表。デジタル関連の制作会社で約10年のキャリアを持つ、「サウナ映像界の巨匠」
カズ氏/写真中央: T2MSメイン演者。サウナの素晴らしさを体ひとつで表現する。
福ちゃん/写真左:T2MSディレクター。インタビューは不在だったがT2MSを支える”縁の下の力持ち”

信楽の地で鳴り響いた「サウナ」という名の異彩!

ーー受賞おめでとうございます!世界最大の観光映像ネットワーク「CIFFT」に加盟するJWTFFは、まさに「観光映像の最高峰」ですよね。檜香る甲賀が生んだ銘板を抱えた瞬間、どんな思いが駆け巡りましたか?

梅田氏(以下、梅田)  ありがとうございます。正直に申し上げてもいいですか?……「いける」と思っていました。

ーーおお、言い切りましたね!

梅田 僕たちが今回狙ったのは、単なる施設のカタログ映像ではありません。JWTFFの審査員が重視する「ストーリーテリング」と、僕たちの「シネマティックサウナ」の手法をぶつければ、必ず観る者の心拍数を揺さぶれるという確信がありました。

カズ氏(以下、カズ) 僕的には正直ビックリしましたけどね。でも好きで続けてきていることが評価されたのは純粋に嬉しかったですね。現在、世の中の感覚は、サウナを単なる風呂の付随物から「精神を最適化する文化」へとシフトさせています。この時代感の変遷の中で、最高純度のシネマティックサウナクオリティを叩き込めたのは気持ちよかったです。

脳までととのう「シネマティックサウナ」の正体

ーー受賞作『JIKON SAUNA -TOKYO-』の舞台は、東京都青梅市にあるアースバックサウナですね。導入でも触れましたが、T2MSが提唱する「シネマティックサウナ」とは一体何なのでしょうか?

梅田 一言で言えば、視聴者に「究極の没入感とリラクゼーション」を提供するための映像表現です。今回のテーマは、禅の言葉で「今、この瞬間を生きる」を意味する『而今(じこん)』。サウナ・水風呂・外気浴のサイクルで手に入るあの感覚を、映像でどう具現化するかに命を懸けました。

ーー具体的にはどのような演出を?

梅田 まずは「時の視覚化と聴覚化」です。星空のタイムラプスが夜明けへと移ろう様子を劇的に描き、音楽にはリフレイン(繰り返し)の効いたメロディを採用しました。これにより、視聴者を視覚・聴覚の両面から深い没入(トランス)状態へと誘うんです。

ーー確かに。動画を観ているだけで、脳まで休まるような、深い睡眠体験に近い感覚になります。

カズ それは、従来のサウナ動画に多い「後付けナレーションによる説明」を一切排除したからというのもありますね。

梅田 事前に脚本を作り込み、カズさんたち演者にセリフを喋ってもらう「ショートフィルム」的手法をとりました。ナレーションという想像を限定させてしまうような説明を排除することで、初めてサウナの熱気や静寂が、剥き出しのまま伝わるようになるんです。

カズ 演技をしすぎず、オーナーとの自然な掛け合いなど、ドキュメンタリーの生々しさとドラマ性を両立させる。この「中間領域」を征したことが、ストーリーテリングを重視する国際的な審査員の評価に繋がったのだと思います。

現場の狂気。湿度100%の「死地」で機材を慣らす

ーー映像は透徹して美しいですが、アースバックサウナ内での撮影は、機材にとっては地獄ですよね?

梅田 地獄どころか、精密機械にとっては「致命的」になりかねない場所です(笑)。メーカーの担当者さんからもサウナ内の撮影は「間違いなく推奨しません」と苦笑いされました。特に高湿度のサウナは一瞬でレンズが結露し、高温がセンサーを焼き切る。物理法則との戦いでした。

ーーどうやって撮影を成功させたのですか?

梅田 僕たちが取った手法は、機材をサウナ環境に段階的に「順応させる(Acclimatization)」というマニアックな儀式ですね。

ーーぎ…儀式……!?

梅田 いきなり熱源に近づけず、まずは温度の低い「足元」に機材を置き、じっくりと、機材全体の温度をサウナと同調させていくんです。結露しない絶妙なポイントを見極めるのは、20本以上のサウナ映像を撮ってきた「執念の温度管理」と「裸足の勘」ですね。

カズ 高温下ではカメラが長時間回せないので、限界を見極めて短時間で効率的に撮影し、外に出して冷やす……という綱渡りの運用でした。僕もNGを出せないので、毎回緊張感があります(笑)。

梅田 そんな極限状態なのに、あまりに居心地が良すぎて、撮影の合間にスタッフも演者も「気絶するように寝落ち」してしまったこともありました(笑)。

ーーまさに「幸福な放送事故」ですね(笑)。

梅田 でも、それこそが本物のサウナ体験じゃないですか。あの「心地よすぎて動けなくなる感覚」こそ、僕たちが撮りたかったもの。狙ってできることではない、現場の熱量が生んだ奇跡です。

制作者の「魂の震え」がリアリティを生む

ーー今回の動画、特に夜空を見上げるシーンが印象的でしたが、何か特別な思いが?

梅田 実はあのシーン、僕自身の「原体験」の再現なんです。2024年1月、僕の誕生日にプライベートで『JIKON SAUNA TOKYO』を訪れた際、外気浴中に見上げた星空があまりに美しくて、思わず涙してしまった。

ーー誕生日に涙……。心配になるやつ…

梅田  命の終わりと始まりを象徴するような星空の下で、自分の人生がサウナを通して宇宙と繋がったような感覚になった。あの「魂の震え」をそのまま映像に落とし込みたかった。僕が実際に感じた没入感を共有すること。それが、視聴者に深く刺さる叙情的な物語になった理由だと思います。

ーー梅田さんは「JIKON SAUNA TOKYO」のロゴデザインにも携わったそうですね。

梅田 はい。砂時計をモチーフにしたロゴデザインには、制作前から僕の思考が深く沈殿していました。この深いブランド理解こそが、単なる映像技術を超えたリアリティを与えている自負があります。

カズ 「アースバック工法」の原始的で有機的なサウナと、歴史を刻んだ「古民家」の融合。この「アンバランスな美」も、知的好奇心の強い旅人を惹きつける強力なブランディング・フックになりました。

サウナを日本の「文化」へ。T2MSの聖戦は続く

ーー今回の受賞で、サウナは単なるブームから「国際的な観光資源」へと格上げされたと言えるでしょうか?

カズ 間違いありません。海外の著名な審査員からも「シネマライクなストーリー」が高く評価されました。これは、サウナが「肉体的な疲労回復(機能的価値)」を脱し、精神的な共鳴を伴う「文化」へと昇華したことを象徴する出来事じゃないですかね。

梅田 僕たちは、サウナをブームで終わらせたくない。だからこそ、映像を通じて日本各地の多様なサウナ文化を記録し、後世に遺す「文化のアーカイブプロジェクト」としての使命感を持っています。

ーーだからこそ、あえて英語版を制作して国際映像祭へエントリーするなど、戦略的な活動をされているのですね 。

カズ 次のマイルストーンは、YouTube登録者数10万人達成で獲得できる「銀の盾」を持って海外へ進出することです。……まぁ、あと9万5,000人必要なんですけどね(笑)。今回の受賞で、サウナ業界だけでなく映像業界からも注目が集まるはずです。

梅田 潜在的なアセットを持つ地方施設を、ショートフィルム形式でアップデートしていきたい。日本のサウナを、世界中のトラベラーが憧れる「聖地(デスティネーション)」へと押し上げていくつもりです。

日常に戻る前に「而今(じこん)」の沈黙を

ーー最後に、この記事を読んでいる読者の皆さんに、見てほしいポイントをお願いします。

梅田 都会の喧騒から切り離された「今、この瞬間」だけの贅沢な時間を、映像を通して体験してほしいです。映像の中の星空、日本庭園に流れる水の音、そして沈黙。それらすべてが、あなたの「ととのい」を深める装置になります。

カズ サウナのスペック情報ではなく、「旅の体験」としての物語を感じてください。夜と朝の両方を楽しめる宿泊体験の醍醐味、その情緒的な価値がこの映像には詰まっています。

ーーありがとうございました。信楽の冷たい風を忘れさせるほど、お二人の熱い想いが伝わってきました。

梅田 日常に戻るその前に、もう一度、あの「而今」という名の沈黙に浸ってみてください。……よし、サウナ行ってきます!

ーー本日はありがとうございました!

編集長

ちなみに、我々編集部が取材後に立ち寄った某サウナにて、水風呂の縁で悟りを開いていたベテランサウナー曰く、「本当にいいサウナ映像は、観ているだけで毛穴が開き、スマホの画面からヴィヒタの香りが漂ってくるものだ」という。T2MSの映像がまさにそれだ。もはや視聴というよりは「デジタル入浴」に近い。

もしあなたが今、この記事をオフィスや電車で読んでいるのなら、今すぐブラウザを閉じ、上司に「ちょっと異次元まで蒸されてきます」とだけ言い残して、最寄りのサウナへダッシュすることをお勧めする。ととのいの向こう側で、世界を獲ったあの「静寂」があなたを待っているはずだ。

(取材・文:フロサウナ編集長・加藤)

シネマティックサウナ 他作品はこちらからhttps://furosauna.com/category/cinematic-sauna/

合わせて読みたい

フロサウナは、いま注目のフロ、サウナ、スパなどの情報を求めさまよう「温浴開拓者」たちの「温浴メディア」です。