
富士山の溶岩を眺めながらととのう。創業100年の老舗銭湯が、松本の地でサウナ聖地へ覚醒する。
長野県松本市に1926年から続く老舗銭湯「富士の湯」が、2026年5月のリニューアルオープンに向けて大規模改装を実施している。4代目・アベノリミツ氏が自ら全容を公開したこの計画は、サウナ新設・ロビー新設・営業時間の大幅延伸を柱とする、創業100周年に向けた本気の挑戦だ。
男湯に待望のサウナ新設。水温14度・天然地下水かけ流しの水風呂が誕生
今回のリニューアルの目玉は、男湯へのサウナ新設だ。そして見逃せないのが、水風呂の仕様である。通年で水温14度を維持する天然地下水を贅沢にかけ流しで提供するというもので、松本の地下から湧き出す清冽な水をそのまま水風呂として体感できる。
松本の天然地下水は「日本百名水」にも選ばれるほどの清らかさで、煮沸せずに飲めるほどの水質を誇る。その水を100%使用した湯と、かけ流しの水風呂が揃えば、温冷交代浴・サウナととのいの体験価値は大きく跳ね上がる。なお、体制が整い次第、浴室の男女入れ替え制を導入し、女性客もサウナを利用できるよう検討中とのことだ。

富士山の溶岩を眺めながら湯に浸かる。全国唯一の景観が守られる
富士の湯の浴室正面には、初代が富士山の麓から運んできた富士山の溶岩が中庭に鎮座している。この唯一無二の景観を眺めながら入浴できるのは、全国広しといえど富士の湯だけだ。リニューアル後もこの景観は大切に維持される。
屋号「富士の湯」の由来でもあるこの溶岩石は、100年の歴史とともに浴客を迎え続けてきた。新設のサウナやロビーが加わることで、この風景がさらに多くの人に届くことになる。

番台廃止・ロビー新設・深夜24時営業。銭湯の概念がアップデートされる
空間面での変化も大きい。これまでの番台式からフロント式へと変更し、湯上がりにゆったりとくつろげるロビー空間が新設される。ドリンクやグッズの充実も今後予定されており、入浴後の滞在体験が大きく向上する見込みだ。
営業時間も従来の15時〜21時から、15時〜深夜24時まで大幅延伸。営業日数も週6日体制へと拡大する。体制が整い次第、朝風呂や深夜拡張営業の実施も検討中だ。洗い場の席数増設により、混雑時の快適性も改善される。

「富士の湯」創業100年、次の100年へ。地域の「憩いの湯」として進化し続ける
富士の湯は2026年10月に創業100年を迎える。今回のリニューアルはその節目を前にした、次の100年に向けた大きな挑戦だ。4代目は「時流に合わせ、それでも富士の湯の大切なところはそのままに」と語っており、日本百名水の地下水を使った湯、富士山の溶岩の景観など、受け継がれてきたアイデンティティは変わらず守り続ける姿勢を示している。

水温14度・天然地下水かけ流しの水風呂というスペックは、銭湯サウナとしては相当な本気度。日本百名水に選ばれた松本の地下水をそのまま水風呂として体感できる施設は、全国的に見ても希少です。創業100年という節目に、守るものと変えるものを明確に分けた4代目の判断は非常に鮮やかで、地域の銭湯文化の未来を照らすリニューアルとして注目したい。
富士の湯 -FUJI NO YU-
- 所在地:長野県松本市
- 創業:1926年(2026年10月で創業100周年)
- リニューアルオープン予定:2026年5月
- 新設・変更内容:
- サウナ新設(男湯)
- 水風呂:水温14度・天然地下水かけ流し(通年)
- ロビー新設(番台式→フロント式へ変更)
- 男女洗い場の席数増設
- ドリンク・グッズ販売予定
- 営業時間:15時〜深夜24時(従来:15時〜21時)
- 営業日数:週6日(定休日見直し)
- 使用水:日本百名水・松本の天然地下水100%
- 特記事項:浴室中庭に富士山の溶岩を設置(初代より継承)
- 公式SNS:X(旧Twitter)@fujinoyuhonjo