日本サウナメディア協会の役割とは?俺たちがいるからサウナは面白い!?
藤本:いやー、皆さん、今日はありがとうございます。協会を立ち上げて、こうして真正面からサウナの未来について語り合う日が来るとは、感慨深いですね。出版業界で長くやってきた僕からすると、こんなに熱狂的なジャンルはなかなかありません。
最近、サウナの企画の延長で、ジムでのダイエットを始めたのですが、おかげで10kg痩せたんです。それくらいサウナに人生を変えられた一人として、この文化を次の世代に繋ぐ使命を感じています。
加藤: 10kg減量!?キレッキレですね!僕はサウナ歴20年くらいになるんですけど、正直、最近のサウナブームの盛り上がりはちょっと落ち着いてきたのかなと感じてます。でも、僕らにとってはここが腕の見せどころ。ブームって一過性で終わることも多い。だからこそ、僕らみたいにサウナの面白さを追求する変態…じゃなくて、スペシャリストたちが集まる意味があるのかなと。熱狂をどうやって文化に昇華させるか、それが協会の最大の役割じゃないかな。

杉山: 僕は「サウナの専門商社」もやっているので、ビジネス的な視点からもお話しさせてください。
正直、サウナを広めたいという熱意だけでは、メディアは継続できません。PVが伸びない、広告が取れない…サウナを愛するメディアが、存続の危機に陥るのを何社も見てきました。僕らが団結して動くことで、一社では難しかった大きな案件も、みんなで掴みに行くことができる。僕らの強みは「熱量」と「チーム力」ですからね。商魂たくましくサウナ業界の未来を切り拓いていきたいです(笑)。
山野: 僕は全国のサウナ施設を飛び回って色々なオーナーさんとお会いしてきました。皆さん、本当にサウナ愛が深くて、素晴らしい施設がたくさんある。でも、「どうやったらもっと多くの人に知ってもらえるんだろう」と悩んでいる方が多いんです。僕たち協会が、そうした施設と読者の架け橋になる。僕らが横の繋がりを強くすることで、サウナ業界全体が潤い、結果的に読者にも最高のサウナ体験が届く。エモくて、現実的な、最高のサイクルじゃないですか。

藤本: ありがとうございます。まさに僕が思い描いていたことです。僕が協会を立ち上げたのにはもう一つ理由があって。それは「日本のサウナメディアをもっと増やしたい」ということなんです。サウナメディアが増えれば、サウナの多様な魅力を多角的に発信できるようになる。その結果、サウナを愛する人が増えてサウナ施設も増える。サウナ施設が増えれば、サウナメディアももっと活動しやすくなる。そうした相互に良い循環を構築することで、サウナ人口はもっともっと増えていくと確信しています。サウナの光を当て続け、サウナ業界全体を底上げする「戦士」たち。僕らは決して「競合」ではなく「共闘」する仲間なんです。この協会は、そのための「狼煙を上げる」存在になれると信じています。
読者が「前のめり」になるコンテンツの作り方とは?「おもしろ」と「ガチ」の二刀流
藤本: さて、熱い話が続きましたが、次なるテーマは「読者が前のめりになるコンテンツ」について。僕らメディアの存在意義を問われる部分です。加藤さん、いつもユニークな企画をされていますよね?

加藤: うちのメディア「フロサウナ」は”お風呂とサウナで人生をもっと熱くしよう!”というのがコンセプトなので、「サウナをどうすればもっとおもしろく伝えられるか」を常に考えています。たとえば、「ととのう音楽はあるけど、逆にととのわない音楽って何?」とか「時間がないから10分でととのう技を開発」とか。わけわかんないですよね(笑)。あとは、サウナ好きな有名人にインタビューして、「推しがサウナ好きなら行ってみようかな」と思わせられるようにサウナ新規層を巻き込んだり。サウナをフックに、新しい市場を切り拓いていくのが僕の使命かなと。
山野: それ、めちゃくちゃ面白いですね!僕が「SpaWorks」を通じて各地を回りながら感じるのは、やっぱり「物語」が大切だということ。ただ「水風呂が気持ちいいです」って書いても響かない。その施設がどんな想いで作られたか、オーナーさんのこだわりは何か、どんな常連さんがいるのか…。そういった「人」にフォーカスした物語性のあるコンテンツは、読者の心に深く刺さります。誰も知らないサウナの裏話を掘り起こしていくのもおもしろいですよね。
杉山: 僕も「物語」には共感します。特に、自宅サウナとなると、設置するまでの家族との物語や、設置後のライフスタイルの変化など、ドラマが生まれることが多い。僕らのメディアでは、そうしたリアルな声や体験談を徹底的に取材して掲載しています。「サウナのある生活って、こんなに豊かになるんだ!」という未来を、読者に具体的に想像させるのが僕の役目かなと。

藤本: みなさんおもしろいですね。僕が考えるのは、その「物語」をどうやって読者に届けるか、という方法論の部分です。サウナ誌「Saunassa」はサウナ業界で数少ない紙媒体ですが、出版業界で培った編集ノウハウを活かして、記事の構成や言葉選びを徹底的にこだわる。たとえば、ただ「このサウナは新しい」と書くのではなく、「なぜ、なにが新しいのか?」「他と違うところが具体的になにか?」といった、読者の根本的な疑問に答えるような深掘りコンテンツを作る。その熱量や真剣さが、きっと読者にも伝わるはずです。
