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サウナ用語、全部わかりますか?フロサウナ版サウナ用語辞典

サウナに行き始めると、急に知らない言葉が増える。

ロウリュ、アウフグース、ヴィヒタ、ととのう、あまみ——なんとなく使っているけど、正確な意味や語源を知っている人は意外と少ない。「ロウリュとアウフグースって何が違うの?」「ととのうって誰が作った言葉?」——調べてみると、一つひとつの言葉に文化と歴史が詰まっていた。

この記事では、主要なサウナ用語を「語源・背景つき」で解説する。読み終えたとき、次のサウナが少し違って見えるはずだ。

用語は50音順に並べてある。気になる言葉から読んでいい。

あ行

サウナ用語、全部わかりますか?

アウフグース(Aufguss)

ドイツ語。直訳すると「注ぎ込む」「流し込む」で、コーヒーを淹れるときに湯を注ぐ行為にも使われる言葉だ。サウナの文脈では、ロウリュで発生した蒸気をタオルや団扇で扇いで入浴者に熱風を送るパフォーマンス全体を指す。

重要な点がある。アウフグースはドイツ発祥であり、フィンランドのロウリュ文化とは別物だ。フィンランドのロウリュが静かな瞑想的な儀式であるのに対し、ドイツ式のアウフグースはイベント性が高く、音楽・香り・パフォーマンスを組み合わせた「ショー」として発展した。「Aufguss WM(アウフグース世界大会)」が開催されるほど競技・職能として確立されており、日本人のアウフギーサーも世界で活躍している。

日本では「ロウリュ」という言葉がアウフグース全体を指すことが多く、混用されている。本来はロウリュ=蒸気(またはストーンに水をかける行為)、アウフグース=その蒸気を扇ぐパフォーマンスと区別する。

アウフギーサー(Aufgießer)

アウフグースを行う人のこと。日本では「熱波師」とも呼ばれる。「熱波甲子園」など日本独自の大会も生まれており、熱波師はサウナ文化を構成する職能の一つとして定着している。

アヴァント(avanto)

フィンランド語で「氷の穴」を意味する。凍った湖に穴を開けてサウナ後に飛び込む伝統的な習慣で、フィンランドでは健康法として広く親しまれている。水風呂の「本家」とも言えるこの文化は、気温がマイナスになる冬のフィンランドで自然と生まれたものだ。日本では冬の北海道の一部施設で体験できる。

あまみ

サウナと水風呂を繰り返していると体の表面に現れる、赤いまだら模様のこと。毛細血管が拡張した状態が皮膚に透けて見える現象で、医学的には「温熱性紅斑」と呼ばれる。血流が良くなっている証拠であり、害はなく時間とともに自然に消える。

この言葉はプロサウナー”濡れ頭巾ちゃん”が命名した。「ととのう」と同じく、サウナ文化の言語化に最も貢献したサウナーだ。

アロマウォーター

ロウリュやアウフグースの際にサウナストーンにかけるアロマオイル入りの水。ユーカリ・ミント・ヒノキ・ラベンダーなど香りのバリエーションは施設によって異なり、季節や日替わりで変えている施設も多い。アロマは揮発して蒸気と一緒に広がるため、同じサウナ室でも全く異なる体験になる。

羽衣(温度の羽衣)

水風呂に静かに入ったとき、体の周りに薄い温度の層ができる現象。体温で温められた水の層が皮膚と冷水の間に介在することで、直接冷水に触れる感覚が和らぐ。「まるで羽衣をまとっているよう」という比喩からこの名がついた。タナカカツキ氏(漫画「サ道」作者)が命名したとされる。

羽衣を作るコツは「ゆっくり、静かに入ること」だ。バシャバシャ動くと水が撹拌されて羽衣が壊れる。

オートロウリュ

自動装置により一定時間ごとにサウナストーンに水がかかり、蒸気が発生する仕組み。スタッフが手動でロウリュを行わなくても施設全体を湿式環境に保てるため、大型施設を中心に普及している。タイマーで数分〜1時間ごとに作動するものまで施設によって設定が異なる。

オロポ

オロナミンCとポカリスエットを1:1で混ぜた飲み物。サウナで失った水分・電解質・糖分・ビタミンを一度に補給できる組み合わせとして、サウナーの間で定番化した。施設によっては最初から混合された「オロポ」をメニューに置いているところもある。

か行

サウナ用語、全部わかりますか?

外気浴(がいきよく)

サウナ→水風呂の後に、外の空気にあたりながら体を休める時間のこと。ととのいが起きる本番の場所であり、「休憩」という言葉が持つ受動的なイメージとは本質的に異なる。この時間に副交感神経が一気に優位になり、ととのいの感覚が生まれる。

屋外スペースがない施設では、屋内の涼しい休憩スペースで同様の効果を得ることができる。重要なのは場所が屋外かどうかではなく、刺激を遮断して静かに体を休められる環境かどうかだ。

→ くわしくは「外気浴は『何もしない』のが正解、という話」参照

グルシン

水温が10℃未満の水風呂の俗称。「シングル」(一桁台の水温)から派生した言葉で、サウナ界隈でのスラングとして定着している。グルシンの水風呂を目当てに遠方から訪れるサウナーも多く、施設のウリの一つになることが多い。

ケロ

樹齢200年以上の欧州赤松(ヨーロッパアカマツ)が100年近く立ち枯れした木材。フィンランド北極圏のラップランド地方でしか採れず、伐採制限もある希少材で「木の宝石」と呼ばれている。内部に樹脂がびっしり詰まっており、銀灰色がかった独特の風合いと芳醇な香りが特徴だ。高い断熱性を持ち、ケロ材で組まれたサウナ室は「ケロサウナ」と呼ばれる。価格は通常の木材の数倍〜数十倍になることもある。

さ行

サウナ用語、全部わかりますか?

サ活(さかつ)

「サウナ活動」の略。定期的にサウナに通い温冷交代浴をする行為全般を指す。SNSでは「#サ活」タグで施設の感想や記録を投稿する文化が定着しており、サウナイキタイなどの専用プラットフォームでの記録投稿も広義の「サ活」として語られる。

サウナストーン

サウナストーブの上に積まれた専用の石。これを加熱することがサウナ室の熱源になり、アロマウォーターをかけることでロウリュが可能になる。近年はセラミック製のものも普及してきている。石の種類・積み方・量によってロウリュの質が変わるため、施設のこだわりが出る部分でもある。

サウナタイマー(12分計)

サウナ室内に設置されている特殊な時計。長針が1分で一周、短針が12分で一周する構造で、サウナ室の高温に耐えられる素材でできている。「10分計」「15分計」など施設によってバリエーションがある。

サウナハット

サウナ浴中に頭部を熱から守るための布製の帽子。頭部が高温にさらされるとのぼせやすくなるため、サウナハットを被ることで頭部温度の上昇を抑えながらサウナ室に長くいられる。ウール・フェルト・タオル地など素材も多様で、マイサウナハットを持参するサウナーも増えている。

サ道(さどう)

タナカカツキ氏による漫画・書籍シリーズ。日本サウナ・スパ協会公認サウナ大使でもある著者がサウナの魅力を独自の視点で描いた作品で、2019年にテレビ東京でドラマ化された。「ととのう」という言葉の普及に最も貢献した作品として知られており、サウナーから「バイブル」と称される。

サウナゾンビ

サウナ・水風呂・外気浴を意識朦朧としながら繰り返すさまの俗称。複数セットを重ねるうちに思考が停止し、本能のままにサウナと水風呂を往復する状態。ととのいの深い段階に近い体験をしているとも言われる。

シングル

水風呂の水温が10℃未満(一桁台)であることを指す。平均的な水風呂の温度が16〜20℃程度であることを考えると、シングルは非常に強い冷刺激だ。慣れたサウナーには「もっと冷たくないと物足りない」という人もいる。「グルシン」はこのシングルから派生したスラング。

スモークサウナ

薪を燃やして煙をサウナ室内に充満させ、温まったところで煙を排出してから入浴するフィンランド最古の形式のサウナ。煙突がなく、燃焼から準備完了まで数時間かかる。独特のスモーキーな香りと静謐な空間から「キングオブサウナ」とも呼ばれ、フィンランドのサウナ文化を象徴する存在だ。フィンランド本土でも貴重になりつつある。

セルフロウリュ

入浴者が自分でサウナストーンに水やアロマウォーターをかけて蒸気を発生させること。フィンランドの家庭式サウナでは最もスタンダードな楽しみ方だが、日本の公共サウナではセルフロウリュを許可している施設はまだ少ない。行う際は周囲への声かけがマナーだ。

た行

サウナ用語、全部わかりますか?

チラー

水風呂を冷却するための装置。地下水が冷たい北海道・東北・北陸の施設では不要なことが多いが、関東以南では夏場の水温管理のために多くの施設がチラーを使用している。チラーの性能と地下水の有無が、水風呂の質を左右する主要因だ。

テントサウナ

断熱性の高い布地で作られたテントの中にストーブを設置したポータブルなサウナ。アウトドアやキャンプとの相性が良く、湖畔や河原での「野外サウナ」体験として人気が高まっている。薪ストーブを使うものが多く、本格的なスモークサウナに近い体験ができる施設もある。

ととのう

サウナ→水風呂→外気浴のサイクルを繰り返したとき、外気浴中に訪れる独特のリラックス状態。「体がふわふわする」「頭が静かになる」「体の境界線がなくなる感じ」などと表現される。この状態が現れるまで、恍惚・サウナトランス・ニルヴァーナなど様々な呼び方があった。

2009年頃、プロサウナーの”濡れ頭巾ちゃん”がサウナ仲間との会話の中で「ととのう」という言葉を提案した(当初は漢字で「整う」と表記)。タナカカツキ氏がSNSでこの言葉を発見し、漫画「サ道」でピックアップしたことで広く普及。2021年の新語・流行語大賞にノミネートされるまでになった。

→ くわしくは「『ととのった』と言っていいのか、いまだによくわからない」参照

ととのい椅子

外気浴・休憩スペースに置かれた椅子の通称。プラスチック製のデッキチェアやリクライニングチェアが多く、体の力を完全に抜ける姿勢がとれるかどうかがととのいの深さに影響する。混雑時に荷物やタオルで占領するのはマナー違反。

トントゥ(tonttu)

フィンランド語で「森の妖精」を意味する言葉。サウナを守る妖精を「サウナトントゥ」と呼び、石でできた小人の置物がサウナ室の隅やストーブの周りに置かれることがある。サウナを単なる入浴施設ではなく精神的な場として扱うフィンランドの文化的背景を象徴している。

ドラクエ

グループで固まってサウナ室・水風呂・外気浴スペースを一緒に移動するNG行動の俗称。RPG「ドラゴンクエスト」のパーティー移動に見立てた言葉で、サウナ界では広く知られている。場所の占領と会話による黙浴環境の妨害が問題視される。友人と来ること自体は問題なく、サウナ内では各自で動くのがマナーだ。

な行

サウナ用語、全部わかりますか?

熱波(ねっぱ)

アウフグースやロウリュの日本語呼称。スタッフがタオルや団扇を使って熱い蒸気を入浴者に送るサービスを指す。2000年代に大阪の施設がドイツのアウフグースを参考に導入したのが日本における草分けとされる。「熱波師」はそれを行うスタッフの呼称で、現在は専門職として認知されている。

ヌシ

サウナ室でその場を仕切ろうとする常連客の俗称。施設が公式に定めていないルールを他の利用者に強要することがあり、初心者には威圧感を与えることもある。「ヌシ」の存在が施設への敷居を上げる要因の一つとして、サウナ界隈でたびたび議論になる。

は行

サウナ用語、全部わかりますか?

ボナサウナ

サウナストーブをベンチの下や壁の背面に格納したサウナ室のこと。ストーブが露出していないため室内のスペースを広く使えて、見た目もすっきりする。また、利用者がストーブに直接触れる危険がなく、安全性が高い。下から熱が流れるため、足元から温まるのが特徴。

ホームサウナ

サウナーが「本拠地」として通い続けているお気に入りの施設のこと。自宅に設置したサウナ設備のことではない。ホームサウナを持つことは、サウナーとしてある種の「定住」を意味し、施設との関係性や常連としての居心地の良さが重要になる。

ら行

ラドル

ロウリュに使う柄杓のこと。フィンランド語では「キウル(kiulu)」と呼ばれる桶(バケット)とセットで使い、バケットのアロマウォーターをラドルで汲んでサウナストーンにかける。柄が長いほど高温の石に近づかずに水をかけられる。施設によってはラドルとバケットがサウナ室内に常設されている。

ロウリュ(löyly)

フィンランド語。「サウナストーブから生まれた蒸気」を意味する言葉で、水蒸気一般(フィンランド語でhöyry)とは区別して使われる。ロウリュという言葉はフィンランド語の中でも独特のもので、「蒸気そのもの」と「その蒸気が持つ心地よさ」の両方を指す豊かな言葉だ。

「ロウリュにはサウナの魂あり」というフィンランドの言葉があるほど、ロウリュはサウナ文化の核心だ。フィンランドでは入浴者が自らストーンに水をかけ、静かに蒸気を楽しむ——それがロウリュの本来の姿だ。アロマオイルを数滴混ぜたアロマウォーターを使うことで香りも楽しめる。

日本では「スタッフが蒸気を扇いで送るサービス全体」をロウリュと呼ぶことが多いが、正確にはそれはアウフグースだ。「ロウリュ=蒸気、アウフグース=扇ぐパフォーマンス」と覚えておくと、施設選びの際にも役立つ。

ロッカーキー

更衣ロッカーの鍵。カールコード付きのリストバンド型が多く、サウナ・水風呂・外気浴のどの場面でも手首につけたまま動ける。スマホ・メガネ・アクセサリーはロッカーに入れてから入浴すること。

ロッキーサウナ

ストーブの上に大量のサウナストーンを山積みにしたタイプのサウナ。iki(METOS社のサウナストーブ)やそれに類する大型ストーブが代表例で、豊富な石の蓄熱量によって安定したロウリュとアウフグースが実現できる。パワフルな熱波を体験できる施設に多い。

番外編:フロサウナとして知っておいてほしい3語

37(サウナ)

語呂合わせで「サ(3)ウナ(7)」と読む。施設によっては靴箱・ロッカーの37番が密かな人気番号になっていることがある。3月7日が「サウナの日」に制定されているのもこの語呂合わせから。

サウナの日(3月7日)

公益社団法人サウナ・スパ協会が「3(サ)7(ウナ)」の語呂合わせで制定し、日本記念日協会に登録した記念日。

ととのイップス

サウナに通い続けるうちに感覚が慣れてしまい、ととのいが感じにくくなってしまう状態。スポーツ選手が極度のプレッシャーで身体がいうことを聞かなくなる「イップス」から転じた言葉。施設を変える・セット数を変えるなど刺激に変化をつけることで改善することが多い。

サウナ用語 よくある質問

ロウリュとアウフグースはどう違いますか?

ロウリュはフィンランド語で「サウナストーンに水をかけて生まれる蒸気(またはその行為)」を指す。アウフグースはドイツ語で「その蒸気をタオルなどで扇いで入浴者に熱風を送るパフォーマンス」を指す。日本では両者が混用されていることが多いが、本来は別々の意味を持つ言葉だ。

「ととのう」は誰が作った言葉ですか?

プロサウナーの濡れ頭巾ちゃんが2009年頃に提案した言葉とされている。当初は「整う」と漢字表記だった。タナカカツキがSNSでこの言葉を見つけ漫画「サ道」でピックアップしたことで広く普及し、2021年の新語・流行語大賞にノミネートされた。

ケロとはどんな木材ですか?

樹齢200年以上の欧州赤松が100年近く立ち枯れた希少材。フィンランド北極圏のラップランド地方でしか採れず「木の宝石」と呼ばれる。高い断熱性と独特の芳醇な香りが特徴で、ケロを使ったサウナ室は「ケロサウナ」と呼ばれ、特別な体験として知られている。

「あまみ」は体に害がありますか?

害はない。あまみは毛細血管が拡張した状態が皮膚に透けて見える現象(温熱性紅斑)で、血流が良くなっている証拠だ。時間とともに自然に消える。むしろ「あまみが出た=しっかりととのえた」という指標として、サウナーに好意的に受け取られることが多い。

編集長

知ってるようで知らない言葉も多いサウナ用語。この一覧をコツコツ書き溜めてきましたが、まだまだありそうです。「この言葉もあるよ!」というのがあったら、問い合わせフォームから連絡ください。

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