
コスメブランドとサウナが交差するとき、その体験は単なる入浴を超えていく。
北海道砂川市で、化粧品・生活雑貨ブランドのSHIROが2027年1月19日、宿泊・温浴・高齢者住宅・ショップを一体化した複合文化施設「PARK SHIRO」をリニューアルオープンする。
40年の物語が下地にある
「砂川市内で結婚式を挙げられるホテルを創りたい」——その市民の願いが発端となり、1986年に生まれた砂川パークホテルが、この施設の前身だ。
かつては人生の節目を刻む場所として多くの市民に愛されたが、人口減少と社会構造の変化の波に飲まれ、かつての賑わいは遠ざかっていった。
転換点は2021年。SHIROが自社の創業地である砂川市で製造拠点「みんなの工場」を建設するにあたり、市民参加型のまちづくりプロジェクトを立ち上げた。十数回にわたるワークショップの中で、市民から繰り返し名前が挙がったのが、この砂川パークホテル。そして2022年6月、SHIROはその経営権を譲り受け、約5年の歳月をかけて施設を再生する道を選んだ。

「SHIRO SAUNA」——ブランドの素材がそのまま湯になる
PARK SHIROの中核に据えられるのが、温浴施設「SHIRO SAUNA」だ。 ロウリュ付きサウナを備え、宿泊客だけでなく日帰り利用も受け付ける。
注目は、SHIROのスキンケア製品が全てアメニティとして使用でき、浴槽にはSHIROの製品素材を活かした専用バスパックのお湯が張られる点だ。これは従来の「ホテルサウナにブランドシャンプーを置く」というレベルの話ではない。スキンケアブランドが自らサウナ施設を設計・運営することで、「入浴中から上がった後まで、一貫してブランドの世界観を身体で体感できる」という構造になっている。
フィンランド式ロウリュサウナが各地に増えるなか、アメニティの差別化を武器にする施設も増えているが、メーカー直営でこれほど体系的に素材と体験を接続しようとする例は国内でもまだ珍しい。


サウナを核に、施設全体が開いている
サウナを中心として、PARK SHIROは「閉じない施設」を志向している。
多目的ホール「ホール」(宴会時64席)は用途を固定せず、学習・イベント・宴会のいずれにも対応。SHIROブランド初のリユース・ショップ「SECONDHAND HOUSE by SHIRO」では、建築端材や製造過程で生まれた余剰品、什器・店舗資材を販売し、市民が持ち寄ったものを引き継ぐ場も設ける。
隣接するサービス付き高齢者向け住宅「みんなのおうち」には駄菓子屋が設けられ、子どもや地域住民が自然と立ち寄れる設計になっている。
サウナを入口にして、異なる世代や背景を持つ人々が同じ敷地内で交差する——その意図は「カルチャー基地」という言葉に凝縮されている。



どんなサウナーにお勧めか
施設のサウナは「ととのえることに特化した温浴型」ではなく、「体験の文脈を楽しむ旅型サウナ」と言えるだろう。SHIRO製品のファンであれば、ブランドの素材がそのまま湯になる体験は唯一無二だ。
また、サウナそのものより「滞在全体の質」を重視するサウナーや、地方都市の再生プロセスに関心を持つ旅好きのサウナーにも刺さる施設だ。
ロウリュありのサウナとバスパック、日帰りでも利用可能という構成から、初訪問のハードルは低い。一方で、施設の背景や思想を知るほど味わいが増すため、複数回の訪問に耐える深みがある。


ジュリ
SHIROのスキンケアを普段から使っている人間にとって、「その成分が湯船に溶けている」というのは”今日のマジかよ案件”。ととのいながらスキンケアも完結する、こんなお得で嬉しい話はない。
PARK SHIRO
- 所在地: 北海道砂川市(砂川パークホテル跡地)
- 開業予定: 2027年1月19日(火)
- 運営: 株式会社シロ
- 主な構成: 宿泊施設「みんなのホテル」(5タイプ19室)、温浴施設「SHIRO SAUNA」、レストラン「SHIRO RESTAURANT」(38席)、多目的ホール(64席)、リユースショップ「SECONDHAND HOUSE by SHIRO」、サービス付き高齢者向け住宅「みんなのおうち」
- 日帰り利用: 「SHIRO SAUNA」は日帰り対応(手ぶら可)
- アメニティ: SHIRO製品全般、バスパック湯
- 公式:https://www.sunapark.co.jp/