
京都市北区で令和3年に惜しまれつつ閉業した昭和創業の銭湯「明治湯」が、「明司湯」として2025年8月1日(金)にオープンする。地元の若手実業家とクリエイターが結集した『京都銭湯甦生プロジェクト委員会』による地域再生プロジェクトが約1年の準備期間を経て結実した。
発起人は京都で住宅建築を手がける株式会社ハイトラスト代表取締役の坂口祐司氏。坂口氏の想いに共鳴したサウナ・銭湯文化を愛する若手実業家・クリエイターたちが集結し、銭湯を軸とした地域再生に取り組んできた。
プロジェクトの理念は「地域と、育む、銭湯」。銭湯文化を継承しながら、時代に合った体験価値を提供する場としての再出発を目指している。
本格サウナと全面リニューアルした浴室が特徴
明司湯は昭和の佇まいを活かしつつ、全タイルを貼り替えた浴室や本格仕様のサウナ、安定した水温の水風呂など、細部にまでこだわった空間設計を実現。まさに”銭湯2.0″と呼ぶにふさわしい設えとなっている。
浴室は全タイルを新調し、清潔感あふれる空間へと生まれ変わった。お湯は42℃設定で、深風呂では下から熱が伝わる設計により熱湯派にも対応。温冷交代浴にも最適な環境を整えている。
水風呂は16℃設定とし、15℃以下の”痛さ”と19℃以上の”ぬるさ”の間にある”気持ちよさ”を追求。冷却装置により季節を問わず安定した水温を実現している。



特徴的な3エリア構成のボナサウナを導入
サウナは全長7m、定員20名の大型設計で、高湿度で約80℃設定の「ボナサウナ」を採用。特徴的な3エリア構成となっている。
ぶらんエリア(高温)は最も高さのある1mの場所で、足を浮かせて座ることができる。足をぶらんぶらんさせながらゆったりと過ごせ、下半身の血流が促される。あぐらでくつろげる奥行きも確保している。
ねっぱエリア(中温)は70cmの高さにあり、スチーム発生時に蒸気が直撃する。定期的に押し寄せるため、締めにこの席を選ぶのもおすすめだという。
あぐらエリア(低温)はサウナ初心者や暑さが苦手な方に配慮したエリア。高さが低くスチームの当たりもやさしく、洞窟の中のような感覚で10℃ほど体感温度が違う。一般的なものよりも座面を広めに設計し、あぐらがかけるようになっている。


“もうひとつの拠点”としての銭湯を目指す
明司湯のコンセプトは毎日通う銭湯ではなく、「今日はちょっと特別な日にしたい」そんな時に選ばれる”もうひとつの拠点”だ。既存のホーム銭湯と同じ土俵で勝負するのではなく、クオリティを最優先し、どこをとっても満足してもらえる場所を目指している。
プロジェクトが掲げるのは「伝統と革新をつなぐ”銭湯2.0″」という構想。設計・体験面ではプライベートサウナに匹敵する快適な空間を目指し、コミュニティ面では入浴施設を超えて人と人が出会い地域に根ざす交流の場への拡張、カルチャー発信面では京都のローカル文化を内外に発信するプラットフォームとしての可能性を追求している。




8月1日に入湯式開催、メディア関係者を招待
オープンに先立ち、2025年8月1日(金)オープン当日の10:00から、テレビ局、新聞社などメディア関係者を対象に「入湯式」を開催する。プログラムは約1時間を予定し、挨拶・経緯説明、館内案内、質疑応答、入湯の儀を行う。取材希望者は専用フォームからの申請が必要で、締切は7月30日(水)となっている。

明司湯
住所:〒603-8224 京都府京都市北区紫野西藤ノ森町1-2
営業時間:平日:14:00〜26:00、土日祝:8:00〜26:00、男女入替制(レディースデイ:第2・第4水曜日)
入浴料:大人:880円(レディースデイ780円)、中人(6歳〜12歳):440円、小人(〜5歳):220円