
静岡県沼津市、静寂と癒やしを求める人々が注目する場所がある。有形文化財「沼津倶楽部」だ。この歴史ある施設が、新たな一歩を踏み出す。2025年12月15日より、リラクゼーションプログラム「茶禅房(ちゃぜんぼう)」を開始するのだ。なんと、1日1組限定である。テーマは「お茶と禅」だ。
しかし、単なる宿泊プランではない。
トータルビューティーカンパニー「uka」とコラボレーションした。特別に設計されたスパプログラムなのだ。特に注目すべきは、独自の「サウナ」体験だ。茶室での瞑想から始まり、サウナでの「茶ロウリュ」へと続く。心と体を深く整える、五つのプロセスが用意されている。
歴史的茶室から始まる「調心」
まずは「調心」の時間、舞台は「茶亭 二月堂」である。ここは、かつて書斎として使われていた貴重な空間だ。現在は、このプログラム参加者だけが入室できる。
畳に座る。庭を眺める。静寂の中で呼吸を深め、「今ここ」に意識を戻すのである。


香りを選ぶ「聴香」、そして「調息」
次に「聴香(ちょうこう)」へと移る。ここで香りを選ぶ。選ぶのは、トリートメント用のオイルだけではない。サウナのロウリュで使用する茶葉も、自身で選定するのだ。その日の自分に最も響く香りを見つける時間である。
そして、「調息」を行う。選んだ香りを深く吸い込む。呼吸と意識の一体化を感じる瞬間だ。






富士の伏流水と茶ロウリュで「調身」
いよいよ、スパエリアへ移動する。ここでの体験が「調身」だ。注目はサウナ室である。先ほど選んだ静岡県産の茶葉を使う。これが「茶ロウリュ」だ。
熱せられたサウナストーンに、お茶のアロマ水が注がれる。
立ち上る蒸気。香ばしいお茶の香り。それが全身を包み込む。身体を芯から温める。ただ熱いだけではない。香りによる深いリラクゼーション効果が期待できるのだ。
さらに、水にもこだわりがあ敷地内の井戸水を使用している。水源は富士山の伏流水だ。長い年月をかけて濾過された水である。バナジウムやミネラルを豊富に含む。その水質は柔らかく、優しく身体を包む。サウナ後のクールダウンや湯浴において、その水質の良さを肌で感じられるだろう。
また、ukaによるトリートメントも行われる。肋間筋や横隔膜をほぐす。これにより、呼吸がさらに深まるのだ。

「余韻」を楽しむ贅沢
最後は「余韻」の時間である。再び二月堂へ戻ることもできる。心と体、そして呼吸を整えた後の一服。癒やしをすぐに終わらせない。あえて「余韻」を残すのである。
移動も含め、時間の移ろいを感じる構成だ。夕日に染まる空。風の温度。外の音。すべてが、自分と向き合うための要素となる。


究極の「籠り」空間
沼津倶楽部は、歴史的背景を持つ。茶人・三輪善兵衛によって建てられた。また、沼津は禅の教えと結びつきが強い土地だ。だからこそ、「茶」と「禅」を重ねたプログラムが生まれた。
サウナ好きにとっても、この体験は新しい。
単に汗を流すだけではないからだ。歴史的建築に身を置く。自分好みの茶葉でロウリュを楽しむ。そして、名水で身体を清める。これらが統合された、稀有な「ととのい」体験と言えるだろう。

沼津倶楽部 リラクゼーションスパプログラム「茶禅房」
住所:静岡県沼津市千本郷林1907−8
公式サイト:https://numazu-club.com/
プラン名:茶禅房(Sazenbo)
予約開始:2025年12月11日(木)
開始日:2025年12月15日(月)