
東京都墨田区にある創業75年の老舗銭湯「さくら湯」で、2024年12月19日、アイロボットジャパン合同会社が主催する「ルンバのお助け大掃除プロジェクト」が実施された。このイベントでは、ロボット掃除機「ルンバ」を活用し、銭湯内の大掃除を支援。さらに、冬至を前にした特別企画「ルンバゆず湯」が実施され、地域住民や銭湯利用者に喜ばれるイベントとなった。
銭湯とロボット掃除機の意外なコラボ
「ルンバのお助け大掃除プロジェクト」は、アイロボットジャパンが年末の掃除需要をサポートするために始めた取り組みで、今回は銭湯で初の実施となった。さくら湯は、サウナブームによる新規顧客の増加が見られる一方、人件費削減やガス代高騰の影響で人手不足に悩まされていた。この背景を知ったアイロボットジャパンが、プロジェクトの舞台としてさくら湯を選定した。
プロジェクト当日は、アイロボットジャパンの挽野代表とさくら湯の新保代表が開会挨拶を行い、銭湯運営の課題やロボット掃除機の可能性について語った。その後、ルンバ3台が脱衣所で活躍し、1年間たまったホコリや汚れを丁寧に除去した。通常では掃除が行き届かないベンチの下や隙間も、ルンバが水拭きと吸引を行い、床全体をきれいに仕上げた。


地域に喜ばれる「ルンバゆず湯」
大掃除の後、冬至恒例の「ゆず湯」が「ルンバゆず湯」として特別に用意された。アイロボットジャパンが提供したルンバの焼印が入った特製のゆずが浴槽に浮かび、見た目にも楽しいイベントとなった。このゆず湯は、12月19日から21日までの3日間、一般利用者に提供され、地域住民からも好評を博している。
また、さくら湯ではゆずをネットに入れて提供することで、安全性にも配慮している。このイベントは、地域密着型の銭湯としての魅力をさらに高め、利用者の満足度を向上させる取り組みとなった。


銭湯運営の課題に光を当てる取り組み
「さくら湯」の副店長である渡邉氏は、「男性スタッフのみの日には女湯の掃除をお客様に頼ることもあった」と述べ、ルンバが導入されることで日常業務の負担が軽減されることに期待を寄せた。スマートフォンアプリを通じて掃除を指示できるルンバは、これからの銭湯運営において欠かせない存在となる可能性を秘めている。
さらに、アイロボットジャパンの挽野代表も「ルンバが一年で最も活躍する時期に銭湯での取り組みを実施できて嬉しい」と語り、今後も同様のプロジェクトを全国の銭湯で展開する意向を示した。

銭湯文化とテクノロジーの新たな可能性
「ルンバのお助け大掃除プロジェクト」は、老舗銭湯の維持と運営効率化を支援するだけでなく、地域住民との新たな交流の場を提供した。銭湯文化が持つ癒しの空間に最新のテクノロジーを融合させることで、銭湯の魅力を再発見する機会となった。
今後もこのような取り組みが広がることで、銭湯文化とテクノロジーの融合が進み、銭湯が持続可能ものとなるとともに、地域活性化に寄与することが期待される。銭湯利用者も、こうしたイベントを通じて、より豊かな入浴体験を楽しむことができるだろう。
さくら湯:東京都墨田区業平4丁目6−5